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【技術革新】生成AIが活用される業務領域と具体的な活用事例解説

CanvaやAdobe Firefly、Microsoft Designerなど、生成AIを用いたデザインツールは多数発表されています。

生成AIのデザインへの応用は、ツールの機能の広がりと深化に伴い、業界全体に非常に大きな変化をもたらしています。
生成AIが活用されるデザイン関連の業務を知ることで、自社に生成AIを活用する余地がないか改善を図ってみるのも一案です。

本記事では、生成AIが活用されている事業分野をはじめデザイン関係の業務領域、生成AIのデザインへの具体的な活用事例について紹介します。

生成AIが活用されている事業分野

生成AIというと、以下のような用途で利用が拡大しています。

  • ロゴデザイン
  • イラスト制作
  • ポスター制作
  • ビジネスカード制作
  • フライヤー制作
  • プレゼンテーションスライド制作

キーワードを入力すると画像を生成してくれるため「何かイメージに合う画像はないか」と活用する場合も多いでしょう。

参考:Canvaでの生成画像例|キーワード「BIM/CIMコンサルティング・受託開発」

しかし昨今は、イメージ画像作成以外の分野への活用も急速に拡大しています。
2023年にマッキンゼー・アンド・カンパニーが行った「McKinsey Global Survey」によると、調査を行った企業の経営幹部の約1/4が業務や個人で生成AIツールを使っていると回答しています。*1
生成AIツールは以下の分野などで活用が進んでいるのです。

  • テクノロジー・メディア・通信
  • 金融サービス
  • エネルギー・材料
  • 先端産業
  • 法律・その他の専門サービス

生成AIが活用されているデザインの業務領域

生成AIが主に得意とするのは、画像認識や予測・推論、自然言語処理機能です。
ここでは生成AIの活用が期待されているデザイン関連の業務領域について紹介します。

プロダクトデザイン

プロダクトデザインとは、製品の外観、機能、使用される素材、製造方法などを計画し、形にする段階です。
単に製品やサービスの見た目を良くするだけでなく、ユーザビリティ(使いやすさ)、エルゴノミクス(人間工学)、製品やサービスとしての持続可能性など複数の要素を考慮します。

生成AIはプロダクトデザインの以下のような業務に利用可能です。
各工程に活用することで、より市場ニーズに適応したデザインによる製品の創出に役立ちます。

  • 今後の消費者の傾向やトレンドの予測
  • コンセプトデザイン案創出
  • 製品のユーザビリティ分析
  • 素材の特性や環境への影響を踏まえた素材選択補助
  • プロセスのシミュレーションによる製造プロセスの最適化
  • ユーザーの声や製品のパフォーマンスをもとにした売上予測や改善点分析

工業デザイン

工業デザインは、製品の機能性や形状、使いやすさなどを製造方法を踏まえてデザインし、製品の外観やユーザー体験を企画するデザイン業務です。
工業デザインでは製品のエルゴノミクス(人間工学)をはじめ材料選択、生産性、持続可能性、市場のニーズを満たす必要があります。

生成AIは工業デザインの以下のような業務に利用可能です。
製造プロセスや効率化、耐久性、安全性を高め、製品のQCD(品質、コスト、納期)にも貢献します。

  • 新しい商品コンセプトや既存の製品の改善アイデアの創出
  • 市場分析と消費者の嗜好、ニーズ予測
  • 製造プロセス改善案の提案
  • ユーザー体験の分析と改善点を提案
  • 試作品のユーザーテスト

Webデザイン

Webデザインは、WebサイトやWebアプリケーションが直観的かつ使いやすくなるように企画をする業務です。
レイアウトの設計や色彩の選択、フォント、画像の配置、ユーザーインターフェース(UI)やユーザーエクスペリエンス(UX)デザイン、パソコンやスマホ、タブレットとデバイスが異なる場合の表示を最適化するレスポンシブデザインなどがあります。

生成AIはWebデザインの以下のような業務に利用可能です。
ユーザーデータをもとに分析することで、デザイナーの感性だけに頼らない論理的なデザインの創出に役立ちます。

  • レイアウトデザインの自動化
  • ユーザーエクスペリエンスの最適化
  • 訪問者の過去の行動や好みなどユーザーごとにパーソナライズされたコンテンツの提供
  • 使いやすさや視覚障害に配慮したアクセシビリティの向上
  • SEO(検索エンジン最適化)の強化
  • LP(ランディングページ)やバナー・動画の生成
  • リアルタイムのユーザーフィードバック分析

グラフィックデザイン

グラフィックデザインとは、画像や文字列、グラフィックスを組み合わせてメッセージを伝える業務です。
グラフィックデザインが活用される分野は広告や雑誌のレイアウト、製品パッケージ、Webサイト、企業のロゴデザインなど多岐にわたります。

生成AIはグラフィックデザインの以下のような業務に利用可能です。
コンテンツ生成の効率化はもちろん、色やフォント、レイアウトなどに新しい可能性を開く予知があります。

  • デザインコンセプトの提案
  • 画像、パターン、カラー、レイアウトの最適化
  • フォントとタイポグラフィ生成
  • 特定のターゲットブランドイメージなどに合わせたカスタマイズ
  • 提案時のストーリーテリングにビジュアル要素を組み合わせて生成
  • 市場分析とトレンド予測

デザイン業務で生成AIを活用するメリットとデメリット

デザイン業務に生成AIが活用されるようになっても、デザイナーの仕事がなくなるわけではありません。
以下のようにメリットやデメリットがあるため、生成AIの特徴を踏まえた上で業務に活かすことが大切です。

メリット

  • 大量のデータ処理・分析が短時間で実行できる意思決定やデザイン作業が効率化できる
  • 思いつかなかった新しいアイデアが生成できる
  • 顧客のニーズやブランドアイデンティティに基づくカスタマイズとパーソナライゼーションができる
  • 人件費や材料費などデザイン関連のコストが節約できる余地がある

デメリット

  • 生成AIが学習した範囲でしか創造できない
  • 人間らしい基準を持たず、品質や一貫性が保たれるとは限らない
  • AIの進化に合わせてデザイナーが常に生成AIツールを使いこなすためのスキル習得が必要
  • 著作権や知的財産権に関する問題や倫理的な問題が起きる可能性がある
  • デザインの創造性が軽視されたり生成AIへの過度に依存したりするリスクがある

参考:生成AIの登場でデザイナーの役割はどう変わる?有効活用の可能性

生成AIのデザインへの活用事例:伊藤園

伊藤園では、デザインの開発時点で商品デザイン用画像生成AIを複数回使用してパッケージデザイン案を創出しました。*2
生成されたデザインをもとにデザイナーがデザインを作成するとともに、パッケージデザインに消費者の評価の予測を組み合わせた評価を何度か繰り返してデザイン案の検討を行ったのです。

最終的にはデザイナーが調整を行って、以下のような新しい商品デザインが決まりました。

生成AIをデザイン工程で活用したことで、開発期間を抑えつつ、さまざまなバラエティのデザインが評価できました。
言葉だけでなくデザイン案を見ながら議論ができるため、合意形成がしやすくなりました。
今後は食品や日用品などより多くのデザインへの活用が予定されています。

まとめ

生成AIを用いたデザインツールの普及により、デザイン業界では大きな変革が起きています。
Canva、Adobe Firefly、Microsoft Designerなどのツールは、デザインプロセスの効率化と創造性の向上に寄与しています。
また、各業務プロセスに特化した生成AIも開発が進んでいるのです。
生成AIに情報を提供してもらい、人間が判断を加えることでより魅力的な商品開発やビジネスプロセスの構築に役立つと言えます。
生成AIの可能性を理解し、業務改善や革新的なアプローチに活かしてみるのも一案だと言えます。

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参考URL

*1 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000195.000021299.html

*2 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000062916.html

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