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メタバースの参入企業7社と撤退企業3社を紹介!国内の事例も

メタバース参入企業は増加しており、出版、通信、自動車、アパレル、保険などさまざまな業態の企業が参画しています。
一方で、撤退企業もあり市場の構築期とも言える状況です。
この記事ではメタバースの参入企業と撤退企業の事例についてご紹介します。

メタバースへの参入企業7選

三菱総合研究所が発表した調査結果*1によると、V-tec(バーチャルテクノロジー)関連市場として、2030年に国内関連市場が約24兆円規模になると予測しています。
V-tecとは、広義のメタバース市場のことで、3Dバーチャル空間、オブジェクト、身体的特徴や周辺言語、身体動作などのエージェント要素などを含みます。
メタバースへの参入企業が着実に増えてきている状況だと言えるでしょう。

ここでは、市場拡大が予測されるメタバースの参入企業について、国内の7社をピックアップしてその実施内容を紹介します。

TOPPANホールディングス

実施内容:TOPPANホールディングスは、クールジャパンに特化したプラットフォームとして、メタバースイベント「VIRTUAL REMIX JAPAN」を行っています。
日本文化や魅力を国内外に伝えることを目的に、世界のクールジャパンイベントと連携しています。

2024年にはリニューアルを行い、イギリス、台湾を起点として、北米、ASEAN、南アジア、中東、アフリカなどに情報を発信しています。
日本文化のファンコミュニティ形成を目指し、グローバル市場におけるコンテンツ消費拡大を目指しています。23

大丸松坂屋百貨店

大丸松坂屋百貨店は、中期経営戦略のひとつに「リアル×デジタル戦略」を掲げ、2020年よりメタバースに参入した企業です。
百貨店業界初の試みとして、2023年からオリジナル3Dアバターを販売しています。

世界最大級のメタバースイベント『バーチャルマーケット 2023Winter』で『大丸松坂屋百貨店 オリジナル3Dアバター』ブースを出展したほか、VRChatに対応する3Dアバターの第二弾を発売しています。
これにより、百貨店の新しい販路拡大や新しいビジネスモデル構築を目指しています。45

日産自動車

日産自動車は2023年にメタバース「NISSAN HYPE LAB」*6上で、新車サクラの発表会とエクストレイル、アリア、フェアレディZなどの試乗会を開催しました。
サクラをメタバース内のドライブコースで運転できるほか、ショールーム内のバーチャルスタッフは車の検討から購入の契約まで対応可能です。

また、VRChat上に日産独自のワールドを開設しています。
試乗体験やゲーム型コンテンツなどが利用できます。
実際の試乗とは異なる体験の提供などを通して、日産を身近に感じてもらうコンテンツを充実させています。*7

ANA NEO

ANAとJP GAMES共同で設立されたANA NEOでは、バーチャル旅行プラットフォーム「ANA GranWhale」を運営しています。

スマートフォンアプリ内では、アバターを操作して旅行体験やショッピングができます。
旅行先では、歴史的建造物やパノラマの絶景が360°のVR空間に再現されていて、VR上のガイドから、その場所の歴史やみどころなどの解説が聞けるのです。
チップをためるとANAのマイルが貯まるガチャが引けるなどゲーム性もあります。

ANAがおすすめする旅先を安全かつ気軽に体験できるという新たな価値が提供されてます。*8

KDDI

KDDIは、渋谷5Gエンターテイメントプロジェクトの一員として渋谷区公認のメタバース空間「バーチャル渋谷」を展開するなど、国内のメタバース導入に大きく携わっています。

2023年には、メタバース・Web3サービスとして「αU」の提供を開始しています。
メタバース上に再現した渋谷や大阪などのリアルな都市で、ユーザー同士の音声コミュニケーションやライブ配信、バーチャルショッピングなどが楽しめます。

メタバース上でエンターテイメント体験や友人との会話など、新しいコミュニケーション方法を提供しています。

NIKE

NIKEは、オンラインゲーミングプラットフォームのRoblox内にNIKELAND.を作成しました。
アバターがダンスやバスケットボール、スケートなど空間内でスポーツ関連のミニゲームが楽しめます。
アバターにはNIKEの商品が着用でき、メタバース空間内でNIKEのファン同士で体験や交流が深められます。

現実世界でデバイスを身につけて運動をすると、その結果がオンライン上にも反映されるなど、リアルな世界での運動と繋がるため、プレイヤーがよりアクティブになるきっかけづくりになるのです。910

東京海上日動火災保険

東京海上日動火災保険では、大災害の予測にデジタルツインを活用するほか、災害体験のARアプリの提供を行っています。

国土交通省では日本全国の3D都市モデルの整備とオープンデータ化に関するプロジェクト「PLATEAU」を主導しています。
都市をバーチャル空間上に再現するデジタルツインを用いれば、災害時の被害を最小限にするための方法の検討などさまざまなユースケースが検討可能です。
まちづくりのDXにとって重要な取り組みと言えます。*11

メタバースからの撤退企業3選

メタバース関連の市場が拡大して参入企業が増えている一方、世界的にみるとメタバース事業から撤退を決断する企業も少なくありません。
ここではメタバース事業からの撤退企業を3社ご紹介します。

マイクロソフト

マイクロソフトは産業用メタバースプロジェクトを立ち上げ、拡張現実(AR)用のヘッドセット「HoloLens 2」を使用して発電所や産業用ロボット、輸送ネットワークの制御システムなどのソフトウェアインタフェースの開発を目指しました​​。
製造業、建設業、物流業、医療現場など幅広い業界での業務効率化を想定していました。

しかし、産業用メタバース部門は結成から約4カ月後に閉鎖されたのです​​。
ハイテク業界に広がるリスクの再評価と、金融環境の変化による投資戦略の見直しが行われたためです。
また、メタバース関連の人材が競合他社に流出したことも影響した可能性があります。

ディズニー

ディズニーは、パーク内の空間や壁に3D効果を投影する技術として、2021年に「バーチャルワールドシミュレーター」という特許を取得しました。
2023年年頭には、謎解きやARを使用したフォト体験などAR体験ができる新しいイベントを開催したのです。

しかし、経営陣の戦略変更により2023年年末にはメタバース部門が廃止となり約7,000人がレイオフされたのです。

メタバース部門は、ディズニーの知的財産を活用して、新しい技術フォーマットを用いた双方向のストーリーテリングを目指した部門です。
現CEOのボブ・アイガーはメタバースに前向きであり、今後再びメタバースに参入する可能性があるかもしれません。

Walmart

Walmartは、2021年12月にメタバースへの参入を開始しました。
NFTコレクションと独自の暗号通貨を活用して、電子機器、家電、家具、楽器、室内装飾品、玩具、スポーツ用品、パーソナルケア用品などの仮想製品を開発して販売することを目指していました​​。

メタバースから撤退した理由の一つに、当時は消費者のエンゲージメントが期待ほどではなかったことが挙げられています。
撤退時点では、多くの消費者がメタバースでの買い物に興味を持っていないと判断したものの、長期的な視点では再参入の可能性も残されています​​​​。

まとめ

メタバースの参入企業が増える一方、撤退企業も何社かあります。
新規事業の立ち上げにはコストがかかるため、経営的な観点から撤退を求められる場合もあるのです。
メタバースへの参入を検討する場合は、さまざまな事例を踏まえて準備を行う必要があると言えます。

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参考URL

*1

三菱総合研究所「2030年代、メタバースの産業利用が社会課題を解決」

https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20221122.html

*2

プレスリリース「TOPPAN、メタバースイベント「VIRTUAL REMIX JAPAN™」をクールジャパンに特化したメタバースプラットフォームとして機能強化しリニューアル」TOPPANホールディングス株式会社、2024年

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001339.000033034.html

*3

Virtual Remix Japan™

https://world.virtualremixjapan.com/

*4

プレスリリース「百貨店業界初、メタバース空間で活用する「3Dアバター」販売 | バーチャルマーケットへの出展経験を経て、今秋よりメタバースプロジェクト始動」大丸松坂屋百貨店、2023年

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002122.000025003.html

*5

プレスリリース「百貨店業界初(*)の取り組みが大好評。大丸松坂屋百貨店が販売する3Dアバター第2弾を制作」株式会社V、2024年

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000029.000049339.html

*6

日産自動車「日産:NISSAN HYPELAB」

https://www.nissan.co.jp/HYPELAB/

*7

日産自動車「日産のVRワールド&イベント」

https://www3.nissan.co.jp/first-contact-technology/technology-contents/vr-world.html

*8

ANA GranWhale

https://www.ana-granwhale.com/

*9

NIKE「ロブロックスにNIKELANDが誕生」

https://nike.jp/nikebiz/news/2021/11/22/4956/

*10

RobloxのNIKELAND

https://www.nike.com/jp/kids/nikeland-roblox

*11

NTT コミュニケーションズ)、東京海上日動火災保険、東京海上ディーアール「NTT Com・東京海上日動・東京海上ディーアールが Smart City 領域で協業開始」

https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/company/release/pdf/210831_01.pdf

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