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Google Pixel Fold・サムスンの最新折り畳みスマホの比較

 少し前まで、一部のアーリーアダプターにしか需要がないと思われていた「折りたたみスマホ」。2023年にGoogleから「Pixlel Fold」がリリースされたことで、少し風向きが変わってきました。
 しかし、いまだ発展途上のカテゴリーということもあり、Googleとサムスンでは若干ですがスタンスが異なるようにも思えます。今回の記事では、単純なスペック比較だけでなく、このような部分にも注目して比較してみましょう。

この記事でわかること
 ・Google 「Pixel Fold」とサムスン「Galaxy Z Fold5」カタログスペック比較
 ・機種の特徴や方向性の違い
 ・今買うならどちらを選ぶか

Google 「Pixel Fold」とサムスン「Galaxy Z Fold5」カタログスペックの比較

 まずはカタログスペックから比較してみましょう。ただし、単純な数値だけの比較では、優劣は決まらないことに注意が必要です。
 チップのスペックが低いとしても、ハードとソフトがバランス良くチューンされていれば、十分な性能を発揮することができます。逆に、カタログ上はどんなに優れた数値だったとしても、それを活かすハード・ソフトがなければ無意味です。

◯カラー・素材・大きさ・重さの比較

 最初に「外観」から比較していきましょう。外観は第一印象に大きく影響します。

・外観のスペック

Galaxy Z Fold5(サムスン)Pixel Fold(Google)
カラーアイシーブルー
ファントムブラック
クリーム
オブシディアン
ポースレン
素材アーマーアルミフレーム
Gorilla Glass Victus2
フレックスヒンジ
背面ガラスとポリッシュ仕上げアルミニウム製フレーム
Gorilla Glass Victus
鏡面仕上げのステンレス スチール製ヒンジ
防水・防じんIPX8IPX8
大きさ開いた状態
幅:129.9 mm
高さ:154.9 mm
厚さ:6.1 mm

閉じた状態
幅:67.1 mm
高さ:154.9 mm
厚さ:13.4 mm
開いた状態
幅:158.7 mm
高さ:139.7 mm
厚さ:5.8 mm

閉じた状態
幅:79.5 mm
高さ:139.7 mm
厚さ:12.1 mm
重さ253 g283 g

 カラバリは「Galaxy Z Fold5」が4色、「Pixel Fold」が2色となっています。
 「オブシディアン」は「黒曜石」であり、「ポースレン」は日本では「ポーセリン」と発音した方が馴染みがあり、「磁器」のことです。「ガラス質の黒」と「乳白色」と考えれば良いのではないでしょうか。

 フレームにはどちらもアルミを採用。「Pixel Fold」は、背面がガラスコーティングされており、iPhoneのような作りになっています。液晶には「Gorilla Glass」が採用されており、バージョンの違いはあるものの、落下などの衝撃に強いことが特徴です。

 ここまでは、双方「大して変わらない」部分です。どちらが良いとも悪いとも言えませんので、単純に好みの問題になります。

 しかし、明らかに違いがあるのが「ヒンジ」です。前作までは折りたたんだ時に隙間ができていた「Galaxy Z Fold」ですが、5では改善されています。厳密にはわずかな隙間があるようですが、ほとんど気になりません。
 「Galaxy Z Fold5」では、「フレックスヒンジ」という名称となっています。75度から115度開くことができ、片手でも比較的スムーズに開閉することができます。
 
 一方の「Pixel Fold」は「流体摩擦ヒンジ」といい、どの角度でも固定することができるという特徴があります。
 しかし、開閉は「Galaxy Z Fold5」ほどスムーズではなく、一定の力が必要です。外出中でも頻繁に開閉する人は「Galaxy Z Fold5」、普段は閉めたまま使うことが多い人は「Pixel Fold」が良いかもしれません。

 外観で一番異なるのは縦横比です。

 「Galaxy Z Fold5」は閉じた状態で、横幅67.1 mm・高さ154.9 mmと細長くなっています。一昔前のガラケーを思い出す形状です。
 「Pixel Fold」は、横幅79.5 mm・高さ139.7 mmであり、一般的なスマホと同じような縦横比です。

 ガラケー時代は、筐体に物理キーボードを配置したり、動画などのリッチコンテンツを閲覧することが主体ではなかったことから、スタイリッシュな縦長のデザインが多く採用されていました。
 しかしスマホでは、コンテンツを視聴するにも、アプリを操作するにも、縦長の筐体には向きません。

 こうしたことから「Galaxy Z Fold5」は、閉じたままでは「やや使いにくい」のが欠点です。サムスンもサブディスプレイと表現していることから、開いた状態で利用することをメインと考えて設計したのでしょう。
 一方「Pixel Fold」は、閉じたままでも一般的なスマホと同等の使い勝手を提供してくれます。

・ディスプレイ・カメラのスペック

Galaxy Z Fold5(サムスン)Pixel Fold(Google)
カバーディスプレイ6.2インチ有機EL
HD+(904 x 2,316)
402ppi
リフレッシュレート48-120Hz
アスペクト比 23.1:9
Gorilla Glass Victus2
5.8インチ有機EL
フルHD+(1,080 x 2,092)
408ppi
リフレッシュレート最大120Hz
アスペクト比 17.4:9
Gorilla Glass Victus
メインディスプレイ7.6インチ有機EL
QXGA+ (1,812 x 2,176 ピクセル)
374ppi
リフレッシュレート1-120Hz
7.6インチ有機EL
2,208 × 1,840 ピクセル
380ppi
リフレッシュレート最大120Hz
メインカメラトリプルカメラ
50MP 広角レンズ
12MP 超広角レンズ
10MP 望遠レンズ
光学3倍ズーム
トリプルカメラ
48MP 広角レンズ
10.8MP 超広角レンズ
10.8MP 望遠レンズ
光学5倍ズーム
フロントカメラ10MP 外側レンズ
4MP 内側レンズ
9.5MP 外側レンズ
8MP 内側レンズ

 ディスプレイ・カメラに関しては、スペック上だけ見ると「どちらも遜色なし」です。明確な違いは「Pixel Fold」が、「高額5倍ズーム」を搭載している点ぐらいでしょうか。
 もちろん、再現性・色味・撮影モードなど、細かい部分までこだわるのであれば違いはあります。しかし、カメラにこだわるのであれば折りたたみスマホではなく、もっと上位機種を選んだ方が良いでしょう。
 
 カメラアプリについては、CMでお馴染みの「消しゴムマジック」など、AIを活用した機能が搭載されている「Pixel Fold」の方が、やや優位かもしれません。しかしこれもあくまで現時点で比較すればという話です。
 各種アプリへAI機能搭載を各社が進めているため、サムスンもやがて追いついてくるのではないでしょうか。
 
 動画撮影に関しては、「Galaxy Z Fold5」が8K動画に対応しています。「Pixel Fold」は、4K撮影までしかできません。これも「カタログスペックではGalaxy Z Fold5が上」ですが、そもそもスマホで8K動画撮影をする必要があるのでしょうか?
 それだけの高画質動画を撮影するなら、照明なども含めてそれなりの機材を揃えた方が良いのでは?というのが正直な感想です。4Kどころか、普段使いならフルHDでも十分なことが多いはずです。

 メモリはどちらも12GB、搭載されているチップは「Galaxy Z Fold5」が「Snapdragon 8 Gen 2 for Galaxy」、「Pixel Fold」の方は「Google Tensor G2」です。
 どちらも自社スマホ用にカスタマイズされた専用チップです。「Google Tensor G2」は特に、AI関連の処理に強いという特徴があります。

 その他、バッテリーはスペックだけ見ると、「Pixel Fold」の方が大容量で長持ちです。しかしこれも「使い方次第」で大幅に異なります。人によっても、環境によっても差が出てしまうため、カタログスペックだけでは判断しない方が良いでしょう。*注1

それぞれの機種での特徴や方向性の違い

 サムスンが先行して市場を開拓していた折りたたみスマホですが、2024年からはGoogleも有力なサプライヤーとして、この分野を牽引していくでしょう。しかし、折りたたみスマホはまだデバイスとして成熟しておらず、形状や大きさ、アプリなど試行錯誤の段階です。そのせいもあり、サムスンとGoogleでは若干力を入れている部分が異なります。

 前節でも紹介しましたが、サムスンは開いた状態での利用をメインとし、閉じた状態はあくまで「サブ」という位置付けです。そのため、片手でも開閉しやすいヒンジを採用し、縦長の筐体にしています。
 閉じた状態で掴みやすく、サブディスプレイではメールチェックなどの簡単な操作のみ行うことを想定した設計です。

 Googleの方は、閉じた状態でも一般的なスマホと同等の使い勝手であることを重視しています。そのせいもあって、開いた時はやや横方向に長く、アプリによってはUIが対応できてないものもあります。

 世代の違いも結構重要です。「Galaxy Z Fold5」はすでに5世代目ですが、「Pixel Fold」は初代です。折りたたみ部分の「しわ」やヒンジの強度、ベゼルの幅などは明らかに「Galaxy Z Fold5」の方が「こなれて」おり、ハードウエアの完成度は「Galaxy Z Fold5」が上と言えます。

 あえて例えるなら、サムスンは小型タブレットをメインとし、それを折りたたんだ設計。Googleはスマホをメインとし、それを2つ繋げてメインディスプレイのサイズを決めています。

 ソフトウエアに関しては、GoogleがAI機能を前面に出した各種アプリの導入に特徴があります。消しゴムマジック・ボケ補正・リアルタイム翻訳などが利用可能です。
 アプリ・OS・ハードウエアがAIの活用を前提として設計されていますので、この部分に関してはGoogleに優位性があります。とはいうものの、これもいまだ発展途上であり、圧倒的な差とまでは言えません。

 なお、「Galaxy Z Fold6」や「Pixel Fold2」の噂もいくつか出ており、画面サイズ・縦横比は若干の変更があるようです。両社ともまだ、どんな形状・サイズがベストなのかを探っている状況ではないでしょうか。

今買うならどちらを選ぶか

 ここまでいくつか比較してきましたが、実際に購入するとした場合、どちらを選択すれば良いのでしょう?
 もちろん人によって好みや目的は異なりますので、一概に「これが正解」と言うものはありません。あくまでも「私個人の選択」ということで考えてみました。

 もし現時点で、どちらか1機種を選ぶとした場合、私なら「Galaxy Z Fold5」にするでしょう。最も大きな理由は「Pixel Fold」が初期モデルだからです。
 ハードとソフトのバランスがまだ完全ではなく、その点では「Galaxy Z Fold5」の方が洗練されています。

 2つ目の理由は、OSのサポート期間です。「Galaxy Z Fold5」は、4世代のOSアップデートを保証しています。一方の「Pixel Fold」は3年間の保証です。補償の内容が異なるため単純な比較はできませんが、4世代後のOSまで利用できるというのは、高額な費用を負担する上でとても重要です。

 3つ目の理由は、カメラ部分のデザインです。「Galaxy Z Fold5」は縦に3つ、「Pixel Fold」は筐体上部の横向きに配置されています。「Pixel Fold」のカメラユニット部分はかなり出っ張っており、なんともやぼったいデザインに思えます。
 「Galaxy Z Fold5」の方もあまり好きではないのですが、「Pixel Fold」よりはまだ良く感じます。この辺は人によって、好みが分かれるところでしょう。

 今回、「選択肢が2つしかない」という仮定で考えてみましたが、現実的には「今は買わない」を選択します。
 「Galaxy Z Fold」・「Pixel Fold」ともに次世代端末の噂が出始めており、それを待ってから、改めて考えるのが良いでしょう。
 折りたたみスマホはまだ過渡期です。2024年以降は、デザインや性能が洗練されたものが登場するはずです。
 折り畳みスマホに25万もかけるのであれば、少し落ち着いて考えて良いのかもしれません。

【まとめ】
 今回の記事では、折りたたみスマホの代表的な2機種について、比較してみました。実は私、根っからのiPhoneユーザーであり、Android端末へ乗り換える予定はありません。
 しかし、年々巨大化する液晶と購入金額を考えると、折りたたみスマホも選択肢に入るかな?と思い始めています。
 残念ながらAppleからは、このカテゴリーの製品が発売される予定はなさそうなので、、、

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■参考文献

注1 

GIZMODO 「Galaxy Z Fold5」と「Google Pixel Fold」、同じ折りたたみスマホでもこんなにちがう

https://www.gizmodo.jp/2023/08/pixel-fold-handson.html#6

隙間はもうない。サムスンの新作「Galaxy Z Fold5」は高精度で美しい折りたたみスマホ

https://www.gizmodo.jp/2023/07/samsung-galaxy-z-fold5-handson.html

Google初の折りたたみスマホ「Pixel Fold」ってぶっちゃけ…

https://www.gizmodo.jp/2023/08/pixel-fold-handson.html#6

携帯総合研究所 どっちを買う?Galaxy Z Fold5 vs Pixel Foldの違いを比較

https://mobilelaby.com/blog-entry-galaxy-z-fold5-vs-pixel-fold.html

日経XTEND 横長の折り畳みスマホ、グーグル「Pixel Fold」はGalaxyより上?

https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00323/00047/

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