Web3とは何?用語や注目サービス期待・GAFAの動向を解説
従来インターネットの領域は、Google・Apple・Amazon・MicrosoftといったIT王手がサービスやインフラの中心となるケースが多く見られました。
一方Web3では分散型管理がポイントであり、今までの中央集権型の情報管理方法から大きく変化することが期待されています。
この記事ではWeb3とは何を示す言葉なのかや関連する用語、成長が期待するサービス領域などをまとめて紹介します。
Web3とはインターネットの進化の過程
インターネットは今までパラダイムシフトしながら成長を続けてきました。
まず、Web3とは何かをインターネットの進化の過程であるWeb1.0、Web2.0をあわせて簡単に紹介します。
Web1.0(1990年代半ば~2000年代前半ごろ)
インターネットが広く普及して、AppleやMicrosoftの端末が普及した時期です。
Web2.0(2000年代半ば~2020年代前半ごろ)
通信環境が向上してモバイル端末の普及したことで、新サービスであるSNSやブログなどが一般化しました。
Web検索やECサービスが定着し、Google、Facebook、Amazonなどの大手企業がさらに拡大した時期でもあります。
Web3
Web3はWeb3.0とも表現されます。
Web3とはインターネットの新しいパラダイムを指す概念で、暗号資産のイーサリアムを共同で創設したギャビン・ウッド氏によって、2014年に提唱され始めた表現です。
ポイントになるのは情報の分散管理で、状況に応じて以下について意味します。
・Web3の基盤技術:ブロックチェーン技術やNFTトークンなど実現技術
・Web3を実現するツール:メタバース、Web3ライクのブラウザなど
・Web3のツールを使った未来社会:自律分散型社会など
Web3で重要な考え方と技術
Web3では新しい概念が多く登場しています。
Web3と関連が深い用語について理解を深めましょう。
ブロックチェーン
ブロックチェーンとは、非中央集権の分散システムでWeb3では欠かせない技術です。
今まで重要な情報は金庫やサーバーなど厳重なセキュリティを施した場所で一括管理していました。
一方ブロックチェーンでは、情報を細かく分けて複数の参加者が管理をします。
ブロックチェーン技術を用いるとセキュアな巨大サーバーが不要になるためシステム管理の負担が減らせます。
また、情報の改ざんが困難になるため、取引の透明度が高くなるメリットがあるのです。
ブロックチェーンについては「仮想通貨だけ?今話題のブロックチェーンを解説」で詳しく解説しています。
NFT
デジタル上のものは簡単に複製できるものも多くみられます。
一方NFT(非代替性トークン)とは絶対にひとつしかないことが証明されているものです。
そのためNFTがあれば、著作権や所有権の証明として使用できます。
Web3の世界では、以下の領域などで、ブロックチェーン技術を用いて決済を行うスマートコントラクトの活用が期待されています。
NFTについては「NFTとは何か|はじめかたをわかりやすく簡単に!ゲームで生活費を稼ぐ?」で詳しく解説しています。
スマートコントラクト
スマートコントラクトとは、ブロックチェーン技術を用いて契約や取引を実行するための仕組みです。
事前定義に基づき、ユーザーが条件通りの内容を入力すると自動で処理が実行されます。
例えば、イーサリアムなど価値が刻々と変わる暗号資産の取引は、即時の決済が必要です。
DAO
DAO(Decentralized Autonomous Organization:分散型自律組織)とは、組織にブロックチェーンの考え方を応用した考え方です。
管理者をおかずに、ある事業やプロジェクトに対する資金や情報を管理する特徴があります。
参加メンバーの権限は各々平等で、意思決定や資金調達は報酬などで受け取るガバナンストークンで行います。
Web3で注目される関連サービス
Web3のトレンドは、GoogleやApple、Amazon、Microsoftといった大手の動向に限らずサービスに着目するのも重要です。
Web3の関連技術を用いて新サービスの導入が期待されている業界には以下のような分野があります。
政治
NFTは紛失や書き換えが予防できます。
もしNFTを用いれば、選挙の公平さを保ちながら24時間いつでも投票が可能です。
すでに国内のある企業では、株主総会における議決権の投票としてスマートコントラクト技術を用いる事例があります。(*1)
エンターテイメント
デジタルアートやネットゲームなど、インターネットを活用したエンターテイメントは、ブロックチェーンとの親和性が高くなっています。
例えばメタバース空間では、渋谷区公認の配信プラットフォームである「バーチャル渋谷」が築かれ、さまざまなイベントが実施されています。(*2)
また、NFTを活用してゲームをするとお金が稼げるGameFiやデジタルアートのオークションなどの新サービスの展開が期待されています。
NFTとアートの関係については「デジタルアート作品が75億円で高額取引!?注目が集まっているNFTとは」で詳しく解説しています。
金融
フィンテックのひとつとして、DeFi(Decentralized Finance:分散型金融)の導入が検討されています。
DeFiとは、DAOの形式で運営される金融サービスで、特定の管理者がいなくても運用可能です。
DEX(Decentralized Exchange:分散型取引所)では、暗号資産のトレーダーがやり取りする際に、取引情報が分散管理されています。
不動産
取引の自動化や有価証券をセキュリティトークン化できると、複雑な決済が簡易化できてコストダウンと業務効率化につながります。
メタバース上の土地の売買に限らず、アメリカでは一部の不動産がトークン化されたサービスが実運用されているのです。(*3)
NFTと不動産の関係については「メタバース内でNFT化された土地の売買が爆発的に盛り上がっている件について」で詳しく解説しています。
GAFAMからみるWeb3関連のビジネス動向
最後に大手IT企業の動向からもWeb3の将来展望をピックアップしてご紹介します。
MetaにおけるWeb3の動向
Facebook社は、2021年に社名をMetaと改名し、「これからは企業としてメタバースファーストに移行していく」ことを目指しています。
今までSNSが文字や動画を書いたり見たりするだけだったのが、アバターを設定してメタバース空間に入りこむことでより没入感のある体験が可能になるのです。
Metaでは、学習者はもちろん、クリエイターや開発者が新しいスキルを身に付けるために1億5,000万ドルの投資を行っていると発表しています。
メタバースの構築にはVRやAR技術の拡充が欠かせません。
没入感型の体験学習機会を創出するために、大規模な投資を行っているのです。(*4)
GoogleにおけるWeb3の動向
AlphabetはGoogleなどの持株会社として2015年に設立されました。
Alphabetでは、YouTubeやGoogle Mapsにブロックチェーン技術を取り込む方法を検討しています。
例えば、YouTubeにNFTトークン機能を導入すれば、DAOのひとつとしてクリエイターとファンとで新しい取り組みを創造するのに活かせるのです。(*5)
また、GoogleはWeb3の専門チームを設立しようと取り組んでいることが報じられています。
暗号資産に直接携わるものではなく、Web3や仮想通貨関連技術のサポート強化が予定されているのです。
具体的には、刻々と変わるブロックチェーン上のデータの検索、ノード構築や運営の簡略化など、ブロックチェーンアプリの開発者向けのサービス提供が計画されているのです。
分散型のプロジェクトに対応するコンピューティングやストレージの作成やブロックチェーンに対応可能なデジタルカードを提供するなど、決済に暗号資産を使う新サービスの検討も始まっています。
まとめ
Web3とはインターネットの概念です。
従来中央集権型だった情報やビジネスの管理方法が分散型にシフトする大きな契機となります。
分散の管理が一般化すれば、GoogleやApple、Amazon、MicrosoftといったIT大手企業に限らずさまざまな企業が新たなビジネスやサービスを創出する可能性があるのです。
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参考URL
*1 https://www.asteria.com/jp/news/press/2022/06/10_01.php
*2 https://vcity.au5g.jp/shibuya
*3 https://propy.com/browse/propy-nft/
*4 https://about.facebook.com/ja/meta/
*5 https://blockchain.alphabetincubator.id/