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ACAD-DENKIはいくらで導入できる?価格の内訳と実例で見る費用対効果

1. はじめに

設計リーダーとして、電気制御設計を効率化するソフトウェアを導入したいと考える方は多いでしょう。特に設計図面の作成や部品表の管理に手間どり、チーム全体で作業を統一することの難しさを感じている方もいるかもしれません。

こうしたニーズに応えるのが、AutoCADのアドオンソフトとして知られる「ACAD-DENKI」です。電気制御設計や盤設計、設備設計エンジニアが必要とする機能がまとめられており、高い標準化能力と操作性が評判を呼んでいます。

一方で、「導入費用はどれくらいかかるのか」「具体的なコスト内訳や導入の手順はどうなっているのか」「導入事例からどんな効果を期待できるのか」といった疑問をお持ちの方もいるでしょう。初期費用やライセンス形態は複数の選択肢があるため、予算とのバランスを見ながら最適な導入方法を見極めることが大切です。

本記事では、ACAD-DENKIの流れをわかりやすく整理しています。ライセンスの購入方法から、導入にともなう初期コスト、そして運用におけるサポート体制まで、実際に導入するうえで気になるポイントを具体的に解説します。価格の内訳や導入事例も挙げていますので、ぜひ自社での検討材料にしてみてください。


画像引用: 図研アルファテック株式会社「ACAD-DENKI」https://www.alfatech.jp/products/acad-denki/

2. ACAD-DENKIの基本情報と主な機能

ACAD-DENKIは、図研アルファテックが提供している制御設計ソフトウェアです。ベースとして使われるAutoCADに、電気分野特有の機能を付加することで、盤設計や電気制御に必要な図面作成をスピーディーに行える特徴を持っています。電気回路図のシンボル配置やケーブルの配線などを自動化することで、長時間かかりがちな手動作業を大幅に減らしています。

さらに、多彩な部品シンボルのライブラリが標準搭載されている点や、部品表(BOM)の生成・更新が容易な点も魅力です。社内ルールに沿った図面のテンプレート化を行うことで、チーム内の図面表現を統一でき、業務の標準化やミス削減につながります。

制御設計の現場では、頻繁な図面の修正や配線の変更が発生しますが、ACAD-DENKIなら変更依頼にも柔軟に対応できる点が評価されています。作業効率を高めるAutoCAD アドオンとして、設備設計エンジニアや盤設計者が大きく期待を寄せています。

2.1. ACAD-DENKIとは何か?

まず、ACAD-DENKIとは「AutoCADに電気専用の機能を加えたアドオンソフト」です。AutoCAD自体は建築や機械など、幅広い分野の設計でベースとして利用されるCADソフトウェアですが、電気制御分野ではそれ特有の回路要素の管理が求められます。

ACAD-DENKIは電気制御設計や盤設計に特化して開発されており、電気回路シンボルを簡単に配置できたり、部品表の自動作成や端子台展開を効率的に行えたりするのが特長です。具体的には、回路上でシンボルの番号を自動採番したり、配線経路を素早く可視化したりといった機能も含まれます。

加えて、電気制御設計特有の制約や注意点を考慮したツールがまとめられているため、導入すると現場でのやりとりが明確化され、図面修正に伴う混乱のリスクを下げる効果も得られます。

2.2. 主要機能と設計者へのメリット

ACAD-DENKIの主要機能の一つは、シンボル配置や自動配線機能を通じて、図面作成を迅速化する点にあります。たとえば繰り返し使用する機器のシンボルや、配線パターンをテンプレート登録しておけば、一度登録した情報を何度でも呼び出すことが可能です。

さらに、部品表に関しては、設計変更時に自動で更新できる仕組みがあるため、従来ありがちだった「部品表と図面が一致せず、手作業で探し回る」というミスを大幅に減らせます。これは設計リーダーがチーム全体のスピードアップを狙ううえで極めて重要なポイントです。

また、ACAD-DENKIでは配線情報をシステム内で一元管理できるため、配線ルートの衝突や二重配線といったトラブルを自動で検知しやすくなります。これによりミスの早期発見が期待できますし、チーム全体の業務がスムーズに進むことが見込まれます。

3. ライセンス形態と価格の概要

ACAD-DENKIには、以下の2種類のライセンス形態があります。

ライセンス形態使用形態特徴推奨利用者
スタンドアロンライセンス1台のPCで固定使用個別管理がしやすい小規模チーム・個人
ネットワークライセンス複数台で共有使用柔軟な利用が可能、コスト最適化中〜大規模企業・チーム設計向け

スタンドアロン版は1台のPCで使用する形態で、ネットワーク版は複数台で同時利用を制御できるため、チーム内で柔軟にライセンスを分配できます。

価格は導入費用と保守費用が合わさった総額で考慮することが重要です。特にAutoCAD本体を別途取得する必要がある点にも注意が要ります。見積もりの際には複数の販売チャネルを検討するとよいでしょう。

<価格に影響する主な要素>
 ・導入プラン(ベーシック版/上位版)
 ・AutoCAD本体の有無(※別途取得が必要)
 ・オプション機能やカスタマイズの内容
 ・導入支援・教育支援・保守サービスの有無
 ・購入ライセンス数

企業規模が大きいほどネットワークライセンスを選択することでコストを抑えられるケースが多くなります。一方、小規模のチームや個別作業が中心の場合はスタンドアロンで十分な場合もあります。

3.1. ライセンスの種類と特徴

スタンドアロンライセンスは、特定のPCに固定して使用する契約形態です。常に同じ端末で作業する設計者にとってはわかりやすく、管理しやすいという利点があります。

ネットワークライセンスの場合は、社内のネットワーク上でライセンスを一元管理し、各ユーザーが必要なときだけライセンスを借り受けるようなイメージです。大企業やチーム設計を行う現場においては、同時に使用するユーザー数を計算してライセンス数を最適化することで、費用対効果が高くなる傾向が見られます。

また、ライセンスの購入形態には以下の2つがあります。

形態特徴
年間サブスクリプション常に最新バージョンが使用可能、毎年契約更新
永続ライセンス(買い取り型)一度購入すれば継続利用可能。ただし保守やアップデートは別途契約が必要な場合あり

長期的にかかる保守費用やバージョンアップの頻度、ソフトウェアの更新ポリシーをよく考えながら、自社の運営方針に合うかどうかを検討するとよいでしょう。

3.2. 価格帯とその決定要因

ACAD-DENKIの導入価格は、選択するパッケージのグレードやカスタマイズの有無、AutoCAD/BricsCADいずれかのプラットフォーム選択、さらには導入ライセンス形態(スタンドアロン/ネットワーク)によって大きく変動します。

画像・価格引用: CADJAPAN.com「ACAD-DENKI 価格」

https://www.cadjapan.com/products/items/acad_denki/price.html

基本となる「作図パック」はスタンドアロン版で240,000円(税別)から導入可能で、図面管理機能を備えた「標準パック」、部品管理機能付きの「フルパック」、さらにIO図自動作成が可能な「フルパックPlus」など、業務内容に応じた選択が可能です。上位グレードでは機能の充実とともに価格も上昇し、最大で720,000円(税別)となります。さらに教育支援、導入支援、また手厚い保守サポートなどのサービスを付ける場合は、別途費用がかかるため見積もり時に確認が必要です。

4. 導入にかかる総コストとその内訳

ACAD-DENKIの導入では、初期導入コストとその後の運用コストの両方を考慮する必要があります。初期導入時には、ライセンス費用だけでなく、カスタマイズや導入支援サービス、教育トレーニング費用などが発生することがあります。

また、運用コストには保守費用やバージョンアップの料金が含まれます。バージョンアップを継続的に行うことで、最新の機能を利用できる一方、古いバージョンを使い続ける場合は保守対象外になる可能性もあり、企業方針によって選択の余地が出てきます。

以下では初期導入と運用の両面に分けて、コスト構造を詳しく見ていきましょう。必ずしも削減だけを目的とするのではなく、自社に合った導入プランを検討し、最終的な費用対効果を高める視点が大切です。

4.1. 初期導入コスト

初期導入コストには、主にライセンスの購入費用と設定費用が含まれます。スタンドアロンかネットワークかによって価格差が生じるうえ、AutoCADとのセット販売やカスタマイズ範囲によって金額は変動します。多くの企業では、導入時に作業フローを洗い出し、カスタマイズ要否を判断して見積もりを取得します。

導入支援や教育支援も重要な要素です。ツールを取り入れるだけでは効果を得られず、操作方法を習得して初めて実務に生きるからです。設計チーム全員が共通の使い方を把握するために、基本操作研修やフォローアップ講習を受講するケースも多く、その受講費用が追加されます。

さらに、テンプレートやライブラリの整備に関する費用も考慮すべきポイントです。自社が扱うシンボルを標準化しておけば、今後の設計時間短縮やミス削減に直結するため、コストはかかっても長期的には投資回収の効果が見込めます。

4.2. 運用コストと維持管理

導入後の運用コストの代表例としては、毎年の保守契約費が挙げられます。保守契約を結んでおけば、不明点の問い合わせや不具合の修正、バージョンアップなどのサポートが受けられます。定期的に新機能がリリースされる制御設計ソフトウェアでは、こうした保守は上手に活用すると大幅な作業効率アップにつながるでしょう。

また、利用者数やインストール台数が増えるほど管理面も複雑化します。ネットワークライセンスを導入している場合は、一括で台数をコントロールできますが、スタンドアロンのようにバラバラに管理する場合は、ライセンス切れやバージョン違いによる混乱を防ぐ仕組みが必要です。

維持管理には、運用段階でのシステム担当や設計リーダーの負担が伴います。しかし、適切な社内ルールの整備や定期的な研修を行うことで、トラブルを最小限に抑え、ACAD-DENKIの真価である生産性向上をより効果的に発揮させられるでしょう。

5. 実例で見る価格対効果

実際にACAD-DENKIを導入した企業では、どのような効果があったのでしょうか。生産現場では、図面作成や改訂作業に多くの時間を割いていたケースが少なくありません。これを自動化や効率化によって削減することで、すぐに投資回収が実感できることがあります。

ここではアイム製作所の導入事例を通して、ACAD-DENKIがもたらす価格対効果を見ていきます。使いこなしの手法やコスト削減の具体例などは、多くの企業が参考にできるポイントが含まれていることでしょう。

初期コストをどう捉え、どの程度のスパンで回収を見込むのかといった算段も重要です。エラー削減による再作業コストの低下や設計時間の短縮など、数値化できる側面をしっかり把握することが費用対効果を可視化するカギになります。


画像引用: 図研アルファテック株式会社「アイム製作所様 導入事例」https://www.alfatech.jp/users/eim2023.html

5.1. アイム製作所の導入事例

アイム製作所では、従来手動で行っていた回路設計と部品表の作成をACAD-DENKIに移行しました。特に電気制御設計の中で、配線ミスや更新漏れのリスクを抱えていた部分が、自動化機能によって軽減されました。

同社が導入の決め手として挙げているのは「設計標準化」です。プロジェクトごとに異なる図面レイアウトやシンボル名称を用いていたため、チーム内での齟齬が発生しやすかったのです。ACAD-DENKI導入後は、一貫したルールのもとでシンボルを扱い、図面の統一性を実現しています。

また、保守費用や教育支援に多少コストはかかったものの、結果的には再作業の削減と時間短縮によって、導入から1年ほどで初期費用の元を取れたと報告されています。

5.2. 生産性向上とコスト削減の実証

アイム製作所の事例が示すように、生産性向上の効果は、短時間での大きなコスト削減に直結する場合があります。たとえば、図面を再利用できることや、回路図から自動生成される資料をそのまま提案書に転用できるという点は、手戻りの工数を大幅に低減します。

さらに、設計標準を高めることで、経験の浅いエンジニアであっても一定水準の品質が担保できるようになります。結果的にトレーニング時間の短縮や教育負担の軽減にもつながり、導入をきっかけとした業務改善効果が全社的に波及します。

こうした実証例からわかるのは、ACAD-DENKIの価格だけを見て「高いか安いか」を判断するのではなく、得られる成果との対比が大切だということです。

6. 導入手順とコストパフォーマンスの最大化

ACAD-DENKIを導入する際には、単にライセンスを購入するだけでなく、効果を最大化する手順を踏むことが重要です。計画的にプロジェクトを進めれば、初期コストを抑えつつ、スムーズに運用を開始できます。

ここでは、導入までの具体的な流れや、コストパフォーマンスを高めるための工夫をいくつか紹介します。自社の状況に合わせて、参考にできる点が多いはずです。

適切なステップを踏むことで、拡張性や保守面でも大きな失敗を回避し、安定した製品運用が実現できます。結果として、新しいソフトウェア導入に伴う混乱も最低限で済むようになるでしょう。

6.1. 効果的な導入手順

初めに、社内で現在使用している設計フローや環境を棚卸しし、どこに一番の課題があり、ACAD-DENKIの強みをどう活かせるかを明確にします。たとえば、配線図の作成に時間がかかっているのか、それとも部品表の精度に苦労しているのかを確認するのです。

次に、販売店や開発元と連携しながら、サンプル図面を使ったデモやトライアル版の検証を実施します。社内の実際の図面を使ったシミュレーションを行うと、カスタマイズ要否や必要な教育数がイメージしやすくなります。

最後に、教育支援や導入支援プログラムを整え、チーム全体に使用方法を浸透させます。ここで重要なのは、単発の講習で終わらず、継続的な学習機会を確保することです。

6.2. コストパフォーマンスを高める工夫

コストパフォーマンスを高めるポイントの一つは、テンプレートやシンボルの標準化を徹底することです。たとえば、よく使う回路やパーツを1度登録しておけば、後々の設計で何度でも再利用でき、時間短縮とミス削減につながります。

また、スタンドアロンライセンスよりもネットワークライセンスを選ぶことで、チーム内でのライセンス共有を効率化できる場合があります。同時使用しない分を削減し、大規模製造業であっても最適なライセンス数での運用が可能になるため、余分なライセンス費用を節約できます。

さらに、ACAD-DENKI カスタマイズによって自社の設計フローに合わせたい場合は、初期導入時に仕様を確定させておくと効果的です。後から大きな改変をすると追加費用がかかりがちなので、最初に要件をしっかり固めておくほうが総合的なコストパフォーマンスが高まります。

7. 製品選定のポイント

ACAD-DENKIをはじめとする制御設計ソフトウェアは、どれだけ自社のニーズに合うかが選定のカギです。価格面だけでなく、必要とする機能の有無や保守サポートの充実度を確認し、総合的なバランスを見極めることが欠かせません。

特に大規模製造業の場合は、複数チームで並行して作業するケースが多いため、カスタマイズやネットワークライセンスへの対応があるかどうかも重要です。他社製品との比較を行い、ライセンス費用・教育支援・メンテナンスの3つの観点からチェックを行うと冒頭のニーズを満たしやすいでしょう。

ここでは、製品評価の視点と他社との比較方法を紹介します。導入後に想定外の機能不足やサポートの不備が明らかになるとコスト計画に影響するので、あらかじめ十分に情報を集めましょう。

7.1. 価格と機能のバランスの評価

ACAD-DENKIが担う制御設計の領域は、一般的なCADソフトウェアではカバーしきれない部分が多いです。そのため、電気制御用に特化した機能の存在こそが最大の価値とも言えます。価格が多少高く見えても、自動化機能や設計標準化ツールによる時間短縮効果で十分元が取れる可能性があります。

一方で、ほぼ単独でしか利用しないという場合は、費用対効果が低くなる場合があります。そんなときは、ACAD-DENKIの限られた機能をピンポイントで活用したり、別のソフトウェアとの組み合わせを検討したりするとよいでしょう。

評価の際は、短期的な費用負担だけではなく、長期的な運用メリットを考慮に入れるのがコツです。将来的なアップグレードやサポート体制の充実度が十分にあるなら、総合的なコストパフォーマンスは向上します。

7.2. 他社製品との比較

制御設計ソフトウェアは、ACAD-DENKI以外にも複数のベンダーが提供しています。機能が類似していたり、価格帯が近いソフトもあるため、必ず比較検討を行うことをおすすめします。

他社製品を評価する際には、カタログスペックだけを比較するのではなく、実際の操作画面やサポート対応の質を確認することが重要です。たとえば、サポートデスクが迅速に回答してくれるか、定期的なバージョンアップがあるかなどの細かい点が運用コストに直結します。

比較結果をまとめるときには、機能、ライセンス形態、サポート内容、それに連動する費用(導入費用と運用費)を一覧表にしてみるとよいでしょう。自社ニーズに最も合うソフトはどれかを客観的に判断しやすくなります。

8. まとめ

ACAD-DENKIは、電気制御設計に特化しているがゆえに、初期コストがやや高いと感じる方もいるかもしれません。しかし、その分、日々の設計作業やチーム間の情報共有を飛躍的に効率化し、長期的には大幅なコスト削減効果をもたらす可能性が高いソフトウェアといえます。

導入にあたっては、ACAD-DENKIのライセンスの種類やカスタマイズの深さに応じて、ACAD-DENKI 価格が上下します。また、スタンドアロンとネットワークライセンスの違いもあり、検討の際には運用体制や将来的な拡張を見据えて選ぶと安心です。

実例としてアイム製作所でも、生産性向上とミス削減による費用対効果の高さが証明されています。チーム内で標準化を図りやすくなる点も、設計リーダーにとって見逃せない魅力です。まずは正確な見積もりや導入相談を行い、自社に合ったACAD-DENKIの構成を検討してみてはいかがでしょうか。

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<参考文献>

・図研アルファテック株式会社「ACAD-DENKI」

https://www.alfatech.jp/products/acad-denki/

・ 図研アルファテック株式会社「アイム製作所様 導入事例」

https://www.alfatech.jp/users/eim2023.html

・ CADJAPAN.com「ACAD-DENKI 価格」

https://www.cadjapan.com/products/items/acad_denki/price.html

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