AutoCADで動画を作成する｜プレビューアニメーションと移動パスアニメーションの作成手順を解説

2024.09.17

AutoCADではアニメーションコマンドを使用し、作図した3Dモデルの動画を作成可能です。作成できるアニメーションはプレビューと移動パスの2種類です。しかし、どのような手順で作成したらよいのか分からないと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

本記事ではAutoCADにおけるアニメーション作成の手順を分かりやすく解説します。ぜひ参考にしてください。

この記事を読むと、以下のことが分かります。

1.AutoCADでプレビューアニメーションを作成する手順

2.AutoCADで移動パスアニメーションを作成する手順

AutoCADにおける動画作成の手順｜プレビューアニメーションの場合

AutoCADにおけるプレビューアニメーションを作成する手順を解説します。また、作成時に使用するコマンドおよびシステム変数も詳しくみていきましょう。

作成および記録の手順

アニメーションの3Dプレビューを作成したい場合、次の2つを使用します。

･リボンメニューにあるパネル「アニメーション」のコントロール

･3Dナビゲーションツール

3Dナビゲーションツールの設定をアクティブに切り替えると、アニメーションを記録できるようになります。

既定ではタブ「ビジュアライズ」にパネル「アニメーション」が表示されていないため、次の手順で3Dプレビューを作成します。(*1)

1.タブ「ビジュアライズ」を右クリック

2.パネル「アニメーション」をクリック

3.3Dナビゲーションツールを開始する

4.タブ「ビジュアライズ」のパネル「アニメーション」を選択

5.「アニメーションを記録」を選択

6.図面のナビゲートを開始する※

手順6でウォークスルーもしくはフライスルーモードに設定されている場合、ウィンドウ「位置ロケータ」で視点のガイドが表示されます。アニメーションの作成後、動作をチェックしたい場合、次の操作を行いましょう。

1.タブ「ビジュアライズ」のパネル「アニメーション」を選択

2.「アニメーションを再生」を選択

3.ダイアログボックス「アニメーションのプレビュー」が画面上に表示される

4.アニメーションが映し出される※

5.チェック完了後、修正がない場合はボタン「アニメーションを一時停止」を選択

6.ボタン「アニメーションを保存」を選択

7.ダイアログボックス「名前をつけて保存」が画面上に表示される

8.アニメーションのファイルの場所･名前･種類を指定する※

9.「保存」を選択する

手順4において、アニメーションの確認は異なる表示スタイルでも可能です。ドロップダウンリストから確認したい表示スタイルを選択できます。手順8においてファイルの種類を変更するためには次の操作を実行しましょう。

1.ボタン「アニメーション設定」を選択し、ダイアログボックス「アニメーション設定」を表示する

2.オプション「形式」から適切な種類を選ぶ

3.「OK」を選択

4.ダイアログボックス「名前を付けて保存」の操作に戻る

3Dナビゲーションツール

3Dナビゲーションの作成に使用するコマンドおよびシステム変数は次のとおりです。(*2)

コマンド	概要
3DCLIP(クリップ)	3Dモデルの表示する場所を指定する
3DCORBIT(継続オービット)	オブジェクトを継続的に回転する
3DDISTANCE(距離)	オブジェクトまでの距離を近くする、遠くする
3DFLY(フライスルー)	モデルの内側で飛行しているような動作ができる
3DFORBIT(自由オービット)	制限なく自由に回転する
3DORBITCTR(オービット中心設定)	回転の中心を指定する
3DORBIT(オービット)	表示オプションを開く
3DPAN(画面移動)	視点方向や倍率は同じ設定のまま、別のビューに遷移する
3DSWIVEL(旋回)	ドラッグ方向に目標点を指定する
3DWALK(ウォークスルー)	モデルの内側を歩いているような動作ができる
3DZOOM(ズーム)	拡大および縮小が可能
REGEN3	問題修復のためにビューの再作図を実行する

システム変数	概要
ORBITAUTOTARGET	3DORBIT(オービット)の目標点を取得する方法を指定する
STEPSIZE	ステップのサイズを設定する※ウォークスルーまたはフライスルーモード時
STEPSPERSEC	1秒当たりのステップ数を設定する※ウォークスルーまたはフライスルーモード時

AutoCADにおける動画作成の手順｜移動パスアニメーションの場合

移動パスではカメラまたは目標と点またはパスの関連付けにより、カメラ移動のコントロールを行い、アニメーションを作成します。ここでは、移動パスの作成手順と使用するコマンドを詳しくみていきましょう。

作成

アニメーションの移動パスの作成手順をみていきましょう。(*3)

1.図面において、目標のパスまたはカメラオブジェクトを生成する※

2.タブ「ビジュアライズ」を右クリックする

3.「パネル」の「アニメーション」をクリックする

4.タブ「ビジュアライズ」からパネル「アニメーション」を選択する

5.「移動パスアニメーション」を選択する

6.ダイアログボックス「移動パスアニメーション」が画面上に表示される

7.領域「カメラ」から「点」または「パス」を調整する※

8.領域「目標」から「点」または「パス」を調整する※

9.領域「アニメーション設定」を選択し、設定を調整する

10.ダイアログボックス「移動パスアニメーション」で各領域の調整が完了したら、「プレビュー」にて動作確認を行う

11.「OK」をクリックし保存する

手順1においてパスとして設定できる要素は次のとおりです。

･線分

･円

･円弧

･楕円弧

･スプライン

･ポリライン

･3Dポリライン

また、手順7および8の点またはパスの調整は、次の3つのいずれかの方法で調整を行います。

･新規の点を指定したい場合、ボタン「点を指定」を選択し、作図画面の点を設定する

･新規のパスを指定したい場合、ボタン「パスを選択」を選択し、作図画面のパスを設定する

･新規ではなく既存の点やパスを指定したい場合、ドロップダウンリストから設定する

使用するコマンド

移動パスアニメーションで使用するコマンドはANIPATH(アニメーションパス)です。(*4)ANIPATHは3Dモデルの内側におけるカメラの移動や向きの変更によるアニメーションを保存するコマンドです。既定ではANIPATHのコマンドはAutoCADの操作画面上には表示されていません。

プレビューアニメーションの作成および記録の手順で解説した、タブ「ビジュアライズ」からパネル「アニメーション」を表示する手順を参考にしてください。

まとめ

本記事ではAutoCADにおけるアニメーションの3Dナビゲーションおよび移動パスの作成手順と使用するコマンド･システム変数を解説しました。アニメーションにより、3D図面をより視覚的に分かりやすく伝えることが可能です。関係者間で効率的に図面の情報を共有できるようになるでしょう。

アニメーション作成に使用するANIPATH(アニメーションパス)のコマンドは既定では表示されません。そのため、アニメーションを作成したい場合、事前にANIPATHのコマンドを表示させる必要があります。表示させるためには、タブ「ビジュアライズ」をクリックし、パネルの任意の位置をクリックしましょう。表示したアニメーションコマンドから、プレビューおよび移動パスアニメーションを作成できます。