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Autodesk Platform Services(旧Forge)とエッジ処理の関係

Autodeskが提供するクラウドプラットフォームのAutodesk Platform Services(旧Forge)は、その利便性やポテンシャルの高さから徐々に導入組織が増えているサービスです。

APSを含め、各種クラウドサービスは強力なDXを実現する上で役に立ちますが、併用によってより強力な導入効果を発揮するのがエッジ処理です。

この記事では、Autodesk Platform Servicesとはどんなサービスなのか、そしてエッジ処理とはどんな技術なのかについて解説しながら、両者の併用によって得られるメリットを紹介します。

目次:

  1. Autodesk Platform Services(旧Forge)とは
  2. APSで何ができるのか
  3. エッジ処理(エッジコンピューティング)の概要
  4. エッジ処理のメリット
  5. APSとエッジ処理の併用による相乗効果
  6. APSとエッジ処理の導入で何が変わるのか

Autodesk Platform Services(旧Forge)とは

Autodesk Platform Servicesは、Autodesk社が提供するクラウドサービスです。従来はForgeの名前で知られていましたが、機能などが刷新され、新たにこの名前で提供されています。

Autodesk Platform Servicesの通称はAPSで、主な機能はCADデータのクラウドを経由したコントロールです。あらゆるデバイスからの関係者によるCADデータへのアクセスや編集環境を提供することで、設計業務の効率化を促します。

CAD運用は設計や施工業務を円滑に進行する上で欠かせない技術です。一方、場合によっては最新のCAD環境にアクセスできる環境が限られているケースも多く、十分なパフォーマンスが得られない現場を強いられていることもあります。

このような問題を解消するのが、APSです。手元に高度なCAD製品を用意できない場合でも、APSにアクセスすることで各種CADデータを閲覧・編集し、速やかなコラボレーションや情報共有を実現できます。

APSで何ができるのか

APSでは多様な操作を実行することができます。主な機能としては、

  • ビューア機能
  • AutoCADコマンド機能
  • 自動化
  • IoT管理

といったものです。

APSでは、クラウド上にアップロードしてあるCADデータを、権限を持った関係者であれば自由に閲覧することができます。通常、CADデータの閲覧は専用のソフトをインストールしていることが求められますが、APSであればその必要がありません。

そして強力なのが、APS上でCADソフトであるAutoCADのコマンドを使用できる点です。AutoCADはインストールして使用するのが一般的ですが、APS上ではAutoCADを有していないユーザーでも、コマンドを入力してCADデータを編集できます。

各種定型業務を自動化し、生産性を高めることも可能です*1。クラウド上で処理を自動化した上で、高度な設計を実現できるツールです。

APSを活用することで、IoTの管理も効率化することができます。BIMを採用したワークフローをAPSに組み込むことにより、建物の維持管理パフォーマンスを高められます。

IoT管理を行えるという点は、APSとエッジ処理との関係を考える上でも重要なポイントです。

エッジ処理の概要

エッジ処理はエッジコンピューティングとも呼ばれる。分散型のコンピューティング手法です。情報処理を行うサーバーを一点に集中するのではなく、各デバイスで個別に処理を行える仕組みを整備することで、負荷を減らしパフォーマンスを高めます。

従来の一極集中型のコンピューティング手法は、複数のハードウェアを管理する場合、多くの情報を一つのサーバーで対応する必要がありました。近年は情報処理の負荷が大きくなっており、どれだけ高速通信環境が整備されても、その負担の解消には限界があります。

そこで注目されているのが、エッジ処理と呼ばれる手法です。デバイスとサーバーのやり取りで情報処理を行うのではなく、デバイス単体である程度情報処理を行えるように環境を整備し、通信負担とサーバー側の処理負担を減らす取り組みです。

エッジ処理のメリット

エッジ処理によって大きな恩恵を受けることになるのが、IoT活用の現場です。各地に取り付けられたセンサーに、センシング機能だけでなく情報処理の機能も実装することで、より質の高い情報コミュニケーションを可能にすることができます。

従来のIoT環境では、センサーが情報を取得し、それをサーバーに送信し、その内容に応じてサーバーが再度センサーに指示を送るというやり取りが発生していました。

しかしエッジ処理が実装された場合、センサーが独立してある程度の情報処理が行えることから、通信負担を削減することができます。また、サーバーからの指示を待つ必要がなくなるので、より素早く次の動作に映ることができるのも特徴です。

IoT運用の可能性をさらに広げてくれる可能性があることから、今後の活躍に期待が集まる技術です。

APSとエッジ処理の併用による相乗効果

APSとエッジ処理の併用は、どのような相乗効果をもたらすのでしょうか。ポイントとなるのはAPSのIoT管理機能とエッジ処理の組み合わせです。

APSは専用のサービスと連携することにより、効果的なIoT管理が行えます。BIMデータと連携して運用し、無駄のない建物管理が行えるような使い方です。

ここにエッジ処理が加わることで、より質の高いマネジメントが実現すると期待できます。IoTデバイスで自律的に建物管理を行い、最終的な統合管理をAPSで実施するような使い方です。

クラウドサービスとエッジコンピューティングの併用は、高度なDXを実現する上では重要なアプローチとなるでしょう。

APSとエッジ処理の導入で何が変わるのか

APSとエッジ処理の導入は、今後より多くの分野に適用されることも期待できます。例えば建物管理だけでなく、自動運転車をマネジメントするような使い方です。

APS上で自動車のモデルを管理しつつ、自動車に搭載されたエッジ処理機能を備えるIoTデバイスにより、リアルタイムで自動車の状態を把握できるようになるかもしれません。

様々な構造物の管理を、APSとエッジ処理の併用によって高いパフォーマンスを得られるようになるでしょう。

まとめ

この記事では、APSとは何かについて解説しながら、エッジ処理と併用することによる可能性を解説しました。

APSは強力なクラウドサービスですが、エッジ処理との両立はそのポテンシャルをさらに引き出してくれるかもしれません。

まだ運用事例は十分に出てきていないものの、今後の活躍に期待したい取り組みと言えそうです。

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出典:

*1 Autodesk「APS」

https://www.autodesk.com/jp/company/autodesk-platform

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