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ARES CADで線種が表示されない?今すぐ直る原因と設定チェック完全ガイド

1. はじめに

ARES CADは、AutoCADとの高い互換性を持ちながら、直感的な操作で図面を作成できる便利なCADソフトです。しかし、使い始めたばかりの初心者が最初に戸惑いやすいのが「線種が思ったように表示されない」という問題です。
たとえば、

  • 破線が実線に見える
  • 点線が表示されない
  • 選んだ線種が反映されない

といった症状は、多くのユーザーが共通して経験する代表的なつまずきポイントです。

線種が正しく表示されない状態を放置すると、図面の意味が伝わらなくなったり、修正作業に時間を取られたりと、仕事の効率にも影響します。だからこそ、原因を正しく理解し、設定を確実に見直すことがとても重要です。

本記事では、初心者の方でもスムーズに理解できるよう、線種が正常に表示されない理由とその解決方法を、できるだけやさしい言葉で丁寧に解説します。
特に、AutoCADからARES CADへ乗り換えた際に起こりやすい「設定の違い」や、「線種スケール」「モデル空間とレイアウト空間の仕組み」「LINファイルの不具合」など、問題につながりやすい要素を体系的に整理しています。

また、線種スケールの見直しからLINファイルの再ロードまで、すぐに試せるチェック項目をまとめた「設定チェック完全ガイド」も用意しました。この記事を参考にしながら順番に確認していけば、多くの線種トラブルは解消できます。

ARES CADでの作図をより快適に進めるために、ぜひ本記事を活用してみてください。

2. ARES CADで線種が表示されない原因

ここでは、ARES CADで発生しやすい線種表示トラブルの代表的な原因を5つ取り上げます。線種は一見すると「ただの線の模様」のように思われがちですが、実際には複数の設定パラメーターや線種ファイルとの連携によって成り立っており、どれか一つでも不一致があると正しく表示されません。

まず最初に確認したいポイントは、線種スケールを適切に扱えているかどうかです。ARES CADにはLTSCALEやCELTSCALEといったスケール関連の変数があり、図面全体の線種倍率や、個別オブジェクトの線種倍率を制御しています。設定が合っていない場合、破線が細かくつぶれて実線に見えたり、逆に点線の間隔が広がりすぎたりと、思わぬ表示崩れを引き起こします。

次に重要なのが、モデル空間とレイアウト空間の違いを正しく理解しているかどうかです。これら2つの空間は線種の扱い方が異なるため、PSLTSCALEの設定が適切でないと「モデルでは破線なのにレイアウトでは実線に見える」といった現象が起こりやすくなります。見落としやすい部分ですが、線種トラブルの原因として非常に多いポイントです。

また、線種ファイル(LINファイル)自体が壊れている、または正しい場所に存在していないことも問題の要因になります。LINファイルが正常に読み込まれていない場合、選択した線種が一覧に表示されなかったり、線種を変更しても反映されなかったりといった症状が現れます。

さらに、線分の長さが短すぎることが原因で線種が見えなくなるケースもあります。破線や点線は一定以上の長さがないとパターンが再現できないため、スケール設定を変えても線の長さが不足していれば実線同様の見た目になってしまいます。特に細かい部品や拡大率の高いモデルを扱う場合に注意が必要です。

そして最後に、レイヤー設定が線種表示に影響しているケースもよくあります。オブジェクトに個別の線種が設定されていたり、レイヤーが非表示・フリーズになっていたりすると、どれだけ線種スケールを調整しても見た目が変わらない場合があります。レイヤーの状態や線種割り当てをこまめに確認することで、問題の所在を特定しやすくなります。

以上のような要因を把握しておくことで、線種に関するトラブルを大幅に減らすことができます。

2.1. 線種スケールの誤設定

ARES CADで発生する線種表示トラブルの中で、とくに多い原因がLTSCALEとCELTSCALEの誤設定です。LTSCALEは図面全体の線種スケールを調整する変数で、CELTSCALEは新規に描くオブジェクトに適用される線種スケールを制御します。

例えば、大きな図面なのにLTSCALEを極端に小さく設定すると、破線や点線のパターンがつぶれて実線にしか見えなくなることがあります。逆にLTSCALEを大きくしすぎると、線の間隔が不自然に離れてしまい、意図した見た目と大きくずれてしまうこともあります。

より適切な調整方法としては、図面全体のスケール感に合わせてLTSCALEを設定し、変更後にはREGEN(再生成)を実行して表示を確認することです。モデルサイズや印刷倍率を意識しながら調整することで、線種のズレを抑えやすくなります。

実際、LTSCALEやCELTSCALEを正しく見直すだけで「破線がどうしても実線に見える」という症状が解決するケースも多く、最初に確認したい基本ポイントのひとつです。

2.2. モデル空間とレイアウト空間の違い

ARES CADやAutoCAD互換ソフトを使用する際、多くの方が戸惑いやすいのが、モデル空間とレイアウト空間で線種の見え方が変わるという点です。作図はモデル空間で行い、印刷はレイアウト空間から行いますが、この2つの空間では線種スケールの扱い方が異なります。

とくに鍵となるのがPSLTSCALEの設定です。PSLTSCALEを1にすると、ペーパー空間基準で線種が補正されるため、ビューポートごとに倍率が違ってもレイアウト上では線種の見え方が揃いやすくなります。逆にPSLTSCALEが0の場合、モデル空間の倍率がそのまま反映されるため、レイアウトでは実線のように見えてしまうことがあります。

もし「モデル空間では正しく破線として見えているのに、レイアウトでは実線になる」といった現象が起こった場合は、PSLTSCALEとビューポート倍率の設定を見直すのがもっとも効果的です。

モデル空間とレイアウト空間の違いを理解し、それぞれの線種表示の仕組みを把握することで、トラブルを大幅に回避できるようになります。

2.3. 線種ファイルの不具合

ARES CADで使用される線種は、多くの場合LINファイル(線種定義ファイル)から読み込まれています。このファイルが壊れていたり、正しいフォルダに配置されていなかったりすると、線種が一覧に表示されなかったり、選択しても反映されないといった問題が発生します。

また、AutoCADからLINファイルをコピーして使う場合、配置パスが正しく設定されていないとARES CADがファイルを認識できず、読み込みに失敗することがあります。同様に、文字入り線種の場合、定義に使用するフォントファイルが見つからないとエラーが表示されるケースもあります。

線種が見つからない、または読み込めないといった状況が発生した際には、まずLINファイルの配置場所・パス設定・ファイル自体の破損の有無などを確認することが重要です。こうした点を早めに見直すことで、線種設定に関する問題を未然に防ぎやすくなります。

2.4. 短すぎる線分の問題

破線や点線などのパターンは、一定以上の長さの線分がなければ正しく表示されません。極端に短い線分に破線を適用すると、パターンが収まりきらず、実線のように見えてしまうことがあります。

特に、細かいパーツを描く場合や、拡大率の高いモデルを扱っている場合は、思っている以上に線分が短くなっているケースが多く見られます。線種スケールの調整がうまくいかないと感じたら、オブジェクトそのものが短すぎないか、スケールと長さのバランスが取れているかを確認することが有効です。

また、CELTSCALEの設定が極端に小さくなっている場合も点線が表示されない原因になります。線種が出ない場合は、線の長さだけでなくCELTSCALEの値も合わせて見直すとよいでしょう。

このように線分の長さやスケールのバランスを意識して作図することで、「破線が正しく出ない」などの不具合をスムーズに解決できるようになります。

2.5. レイヤー設定の影響

ARES CADでは、レイヤーごとに線種を管理することが一般的で、基本的には線種をBYLAYERに設定するのが推奨されています。しかし、オブジェクト側で個別に線種が設定されている場合、レイヤー側の線種を変更しても反映されないことがあります。

さらに、対象レイヤーが非表示になっていたり、フリーズ状態になっていたりすると、線そのものが表示されず、線種トラブルのように見えてしまうこともあります。こうした場合は、画層マネージャーでレイヤーの状態を確認し、線種の割り当てが正しく行われているかをチェックすることが重要です。

レイヤー設定とオブジェクト設定の優先順位を理解しておくことで、線種がうまく変わらない原因を正確に特定しやすくなります。結果として、ARES CADでの線種トラブルシューティングがより効率的に進められるようになります。

3. 設定チェック完全ガイド

ここからは、線種が正しく表示されないときに役立つ、実践的な設定チェックと修正手順を紹介します。線種が反映されない場面ではつい焦りがちですが、落ち着いて順番に確認していけば、多くの誤設定は簡単に修復できます。特に、ARES CADにおける線種ファイルの配置場所の見直しやPSLTSCALE設定の切り替えは、線種表示の改善に大きな効果が出やすいポイントです。まずはチェックリストと照らし合わせながら、1つずつ手順を進めてみてください。

以下では、(1)基本設定の確認、(2)線種ファイルの確認、(3)レイアウト空間の最適化という3ステップで対処方法を整理しています。すべてを一度に行う必要はなく、気になるところから順に対応しても問題ありません。

なお、線種スケールに関する設定は意外と奥が深く、数値を変更しただけでは画面表示に反映されない場合があります。そのため、設定を見直したあとはREGENコマンドで再表示を行うクセをつけておくと、確認漏れを防げて便利です。

3.1. 基本設定の確認と修正

最初に見直すべきは、LTSCALE・CELTSCALE・PSLTSCALEの3項目です。さらに、注釈尺度を扱う図面の場合は、MSLTSCALE(注釈尺度との連動)も関係してきます。これらの線種スケール設定のいずれかが大きく外れていると、モデル空間でもレイアウト空間でも線種が正常に表示されない原因となります。

  1. LTSCALE
     図面全体の線種スケールを管理する基本設定です。0.5・1・10など、図面規模に合わせて値を決定します。変更後はREGENでパターンが適切に見えるかを必ず確認しましょう。
  2. CELTSCALE
     新しく作図したオブジェクトに適用される線種スケールを制御します。極端に大きい、または小さい数値になっていないかをプロパティで確認し、必要があれば1など標準的な値に戻します。AutoCADから乗り換えた方が見落としやすい項目です。
  3. PSLTSCALE
     レイアウト空間で線種尺度を統一するかどうかを管理します。1に設定するとレイアウトビューの線種がモデルと揃いやすくなり、0にするとビューポート倍率に応じて線種が変化します。意図に応じて切り替えることが大切です。

これら4つの変数を正しく見直すだけで、破線・点線が実線に見えていた問題が解消することも多く、最も基礎的かつ重要なチェックポイントといえます。

3.2. 線種ファイルの確認と再ロード

次に確認したいのが、線種を定義しているLINファイルの状態です。線種ファイルが破損していたり、誤った場所に置かれていたりすると、ARES CADが正しく読み込めず、線種一覧に表示されない・反映されないといった問題が発生します。

「線種ファイルが見つからない」「特定の線種だけ表示されない」といった状況がある場合は、まずLINファイルを正しいフォルダへ配置し直してみましょう。また、線種管理パネルで対象の線種がロード済みかどうかを確認し、不足があればロードボタンから再読み込みを行います。

AutoCADのLINファイルをそのまま転用する場合は、バージョン差による互換性にも注意が必要です。もし読み込みがうまくいかない場合は、他の正常なDWGファイルから線種定義をコピーするという方法も効果的で、線種設定のエラーを回避しやすくなります。

3.3. レイアウト設定の最適化

レイアウト空間を使用して図面を仕上げる際は、PSLTSCALEの設定が線種表示に大きな影響を与えます。ビューポートごとに異なる倍率で表示している場合は特に、線種がばらついて見えることがあるため、PSLTSCALEの値が作図の目的と合っているかを確認することが重要です。

基本的には、モデル空間とペーパー空間で線種の見え方を揃えたい場合はPSLTSCALEを1に設定します。一方、ビューポートごとに異なる線種比率を適用したい場合は0にすると、倍率に応じて線種が変化するようになります。

複数のビューポートを扱っていると、どれか一つだけ破線が実線に見えるなど、表示が統一されないケースが生じやすいため、レイアウト全体を見渡してスケール設定を確認しましょう。また、ペーパー空間で線種が見切れる場合は、ビューポート境界や視点位置の調整も必要です。

設定変更後に画面表示が反映されないと感じた場合は、REGENALLコマンドで再描画してから表示の一致を確認するのがおすすめです。

4. よくある質問(FAQ)

Q1: モデル空間では破線や点線が正しく表示されるのに、レイアウト空間へ切り替えた途端、すべて実線に見えてしまいます。原因は何ですか?
A1: この現象は、PSLTSCALE の設定やビューポート倍率の扱いが適切でない場合に起こりやすいです。特に PSLTSCALE が 0 のまま だと、レイアウト空間ではビューポートの倍率に線種が引きずられてしまい、破線が実線のように見えてしまうことがあります。PSLTSCALE を 1 に変更したうえで、REGENALL を実行して再描画すると、モデル空間の表示に近い線種が反映されやすくなるため、まずここを試してみてください。

Q2: 線種ファイル(LINファイル)を指定しているはずなのに、点線が表示されません。どのポイントを確認すべきでしょうか?
A2: 最初に確認したいのは、「ARES CAD 線種ファイル配置」が正しいフォルダを向いているかという点です。保存場所が誤っていると、ソフト側がLINファイルを読み込めず線種が一覧に現れません。次に、線種管理画面で該当する線種がロード済みかをチェックします。表示されていない場合は再ロードを試し、必要であれば別の図面から線種定義をコピーすることで解決できるケースも多くあります。

Q3: LTSCALE や CELTSCALE を調整しても、期待する破線や点線が表示されません。どのような原因が考えられますか?
A3: 調整しても改善しない場合は、レイヤー設定の干渉や線分そのものが短すぎることが疑われます。AutoCADと同様に、ARES CADでも線種スケールは個別オブジェクトに上書きされている場合があり、この設定が優先されるとLTSCALE・CELTSCALEの修正が反映されません。また、レイヤーがBYLAYERになっていないと指定した線種が適用されないこともあります。これらの条件が複合している場合もあるため、レイヤーとオブジェクトの両方を丁寧に見直すことが大切です。

Q4: 印刷(プロット)すると破線が正しく出るのに、画面上では実線に見えてしまいます。どうしてこんな差が出るのでしょうか?
A4: 画面上の表示は、ズームレベルやモデル空間のスケール設定に大きく左右されます。ズームが極端に引かれている場合、破線のパターンが細かく圧縮され、実線のように見えてしまうのが典型的です。また、線種スケールが表示しきれない値になっていると、画面だけが実線に見えることもあります。印刷結果が正しいのであれば、表示の問題である可能性が高いため、ズームやスケールを調整しつつ表示を確認してみてください。

5. まとめ

ARES CADで線種が正しく表示されない原因は、線種スケール設定の不一致やモデル空間とレイアウト空間の扱い方の違い、LINファイルの不具合、線分の長さ不足、さらにはレイヤー設定の干渉など、複数の要素が重なって発生することが少なくありません。一見すると複雑に感じますが、仕組みを理解して順番に確認していけば、多くのケースは落ち着いて解決できます。

特に、LTSCALE・CELTSCALE・PSLTSCALE といった基本的なスケール変数の見直しは効果が大きく、適切な値に調整するだけで線種が正常に表示される例も多くあります。また、LINファイルのロード状況やレイヤーの線種設定を確認することで、「線種が一覧に出ない」「破線が実線になる」といった不具合も比較的スムーズに改善できます。

もしそれでも問題が残る場合は、オブジェクトの線長、ビューポート倍率、テンプレートファイルの設定など、周辺要因も含めて丁寧に見直すことが重要です。これらの点をあらかじめ整理しておけば、トラブル発生時にも慌てず対応でき、日常の作図作業が格段に快適になります。

ARES CADはAutoCADと互換性が高く、正しく設定を理解すれば線種管理も十分に扱いやすいソフトです。ぜひ本記事で紹介したチェックポイントを活用し、線種表示の悩みを解消しながら、よりストレスの少ない作図環境を整えてみてください。

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<参考文献>

Graebert CADソフトウエア – デスクトップ、モバイル、クラウドの最新のDWG編集

https://www.graebert.com/ja/

Graebert Japan ヘルプセンター – Graebert Japan FAQ

https://jp-help.graebert.com/

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