ARESで3DCAD連携はどこまでできる?主要CADとの互換性を徹底解説【最新版】
1. はじめに
3Dモデリングや複数CADの併用が当たり前になってきた今、「2Dだけ扱えれば十分」という時代ではなくなりつつあります。取引先ごとに使っている3DCADが違ったり、社内でも部署によってツールがバラバラだったり……。そんな環境では、3DCADデータをどれだけスムーズに受け渡し・連携できるかが大きなテーマになります。
そこで候補に挙がることが多いのが、2D CADとして知られる ARES です。ARESはDWGネイティブのCADとして2D機能に定評がありますが、実はSATやSTEPといった3Dデータにもある程度対応でき、AutoCADやFusion 360など他ソフトとのデータ共有にも活用できるポテンシャルを持っています。
とはいえ、多くの方が気にしているのは次のような点ではないでしょうか。
- 「ARESと3DCADを組み合わせた運用は、実務で本当に使えるのか?」
- 「SAT/STEPを介したやりとりで、形状はどこまで正確に再現されるのか?」
- 「CADのバージョン違いや、2D図面との整合はどうやって確保すればいいのか?」
本記事では、こうした疑問に答えるために、まずARESの基本的な位置づけと、なぜ今3DCAD連携が重要視されているのかを整理します。続いて、
- ARESが扱える3D関連ファイル形式
- AutoCAD・Fusion 360・SolidWorks・Inventorなど主要3DCADとの互換性
- データ連携で起こりがちなトラブルとその対処法
といったポイントを順番に解説していきます。最後に、「ARESを中心に据えた3DCADワークフロー」の具体的なイメージもご紹介し、設計・製造の現場でどのように役立てられるのかを分かりやすくお伝えします。
2. ARESの基本概要と3D CAD連携の重要性
ARESはもともと、2D設計を中心としたDWG互換CADとして評価されてきたソフトで、AutoCADと近い操作性を備えている点から「移行しやすいCAD」として広く認知されています。コマンド体系やインターフェースが似ているため、AutoCAD経験者であればほとんど違和感なく使い始めることができる点は大きなメリットです。また、クラウド版やモバイル版も提供されており、クラウドストレージ経由の図面共有や共同編集が容易で、リモートワークや多拠点環境でも柔軟に運用できることが注目されています。
一方、近年は3Dモデリングの需要が急速に高まっており、2Dだけではプロジェクトが回らないケースも増えてきました。形状確認や干渉チェック、部品の理解など、3Dデータを扱う場面は日常的に発生しています。こうした背景のもと、ARESは「2Dを主軸としながらも、基本的な3Dソリッド編集が可能なCAD」という位置づけを強化してきました。具体的には、SATファイルの読み込み・書き出しに対応しており、さらにARES Commander 2026以降ではSTEPファイルのインポートにも対応。これにより、DWGベースのフローを維持しつつ、外部3Dデータの確認や軽微な編集も可能になり、プロジェクトの初期検討や社内レビューで柔軟に活用できるようになっています。
以下では、2.1と2.2に分けて、まずARESがどのような特徴を持つCADなのか、そして現在の設計環境でなぜ3DCAD連携が重要視されるのかをより具体的に解説します。
2.1. ARESの位置づけと主要機能
ARESはDWGをネイティブに扱えるCADとして知られ、コストパフォーマンスの高さと操作性の良さから、中小企業から個人事業者まで幅広いユーザー層に支持されています。初期費用やランニングコストを抑えながら、AutoCADに近い操作環境を確保できる点が大きく、乗り換え候補として名前が挙がることも多いソフトです。
また、2D機能が中心とはいえ、3Dモデリングについても基本的なソリッド操作(押し出し、回転、フィレットなど)が可能で、外部から受け取ったSATファイルや3D DWGオブジェクトを開いて確認したり、軽微な編集を施して再度書き出したりするワークフローが実現できます。
加えて、ビュースタイルの設定によって視点・シェーディングを調整できるため、3Dモデルの見やすさも確保されており、計測・注釈の作業もスムーズです。エントリーユーザーが扱いやすいシンプルなUIである反面、AutoCADやフル機能の3D CADが備える高度なパラメトリック機能までは対応していないため、求める機能レベルによっては物足りなさを感じる場合もあります。
2.2. なぜ3D CAD連携がクリティカルなのか
現在の設計プロジェクトでは、2Dだけで完結するケースは年々減少しています。部品形状の把握、構造検討、アセンブリチェック、他部門との共有など、3Dデータを扱う場面が増え、設計効率にも直結するためです。そのため、異なるCADソフトであってもスムーズにデータをやり取りできるかどうかは、業務の品質とスピードを左右する重要なポイントとなります。
特に、DWGやDXFといった2D中心のフォーマットだけでなく、3Dを含むDWG、ACIS(SAT)、STEPといった中間フォーマット、さらにFusion 360など独自形式を持つクラウドCADの利用拡大など、扱うデータ形式は多様化しています。こうした環境では、どのCADともある程度連携できる柔軟性が求められます。
ARESが注目される理由は、このような複雑化する環境において、低コストで導入でき、かつクラウド連携による俊敏な情報共有が可能な点にあります。複数拠点・複数CADが混在するチームでも、DWGを中心にデータを橋渡ししつつ、必要に応じて3Dも確認できる――この柔軟性こそ、現場でARESが重宝される大きな理由と言えるでしょう。
3. ARESで扱える3D関連フォーマット一覧
ここでは、ARESが対応している3D関連フォーマットを整理しつつ、どの形式をどのように使い分ければよいかをわかりやすく解説します。3Dモデルの読み込みや書き出しを行う際は、まず 使用しているフォーマットがARES側で正しく扱えるかどうか を確認することが非常に重要です。対応していない形式を選んでしまうと、読み込めない・表示が崩れる・相手先ソフトでエラーが出るといった問題が発生する可能性があります。
実務では、DWGやDXFに加え、SAT(ACIS形式)やSTEPなどの3Dフォーマットが用いられるケースが増えています。これらの形式は、保持している情報量や履歴データの扱いに違いがあるため、プロジェクトの目的や相手先CADに合わせて最適な形式を選ぶ必要があります。また、ARESには特有の制限点もあるため、仕様を理解したうえで適切な運用を行うことが成功のカギとなります。
以下では、「読み込みに対応している形式」「書き出しに対応している形式」「ARES特有の制限点」の3つに分けて、それぞれの特徴と注意点を詳しく見ていきます。
3.1. 読み込みに対応している形式
ARESが標準で読み込める3D関連ファイルには、DWGやDXFといった2D・3D両対応の代表的なフォーマットが含まれます。これらはAutoCADをはじめ、多くのCADソフトで扱われるため、業務において最も交換頻度の高い形式と言えるでしょう。
さらに、3Dソリッド編集に欠かせない ACISベースのSATファイルにも対応しており、単純なブロック形状のソリッドであれば、ARES上で直接確認・編集することができます。たとえば、角にフィレットを追加するなどの基本的な修正作業であれば問題なく対応できるケースが多いです。
ただし注意点として、SATファイルはバージョンによって互換性が異なるため、相手側のCADで保存したバージョンが新しすぎると、ARES側で読み込めない場合があります。また、STEPファイルの読み込みは ARES Commander 2026 以降で新たに追加された機能のため、利用できるかどうかは導入しているバージョンに依存します。実際の運用前には、自社環境での読み込みテストを行うことが確実です。
3.2. 書き出しに対応している形式
書き出しに対応している形式の中心は、やはりDWGとDXFです。3Dソリッド情報を含むDWGファイルとして出力すれば、AutoCADや他のDWG互換CADとデータをスムーズに受け渡すことができます。
また、SAT形式でのエクスポートにも対応しているため、単純形状であれば形状を崩さずに外部3DCADへ受け渡すことが可能です。InventorやSolidWorksなど、SATやSTEPを中間フォーマットとして利用するCADを使用している企業にとって、この点は大きなメリットとなります。
一方で、現時点では ARESから直接STEP形式へ書き出す機能は提供されていません。そのため、STEPでのやり取りが必要なプロジェクトでは、ARESでSATとして書き出し、外部CAD側でSTEPに変換するなど、一段階多いワークフローを検討する必要があります。最新情報については、リリースノートやユーザーコミュニティを確認しながら運用することを推奨します。
3.3. ARES特有の制限点
ARESは2D CADを主軸として設計されているため、完全な履歴管理や高度なパラメトリックモデリング機能は備えていません。そのため、フル機能の3DCADと同じ感覚で編集を行おうとすると、期待した操作ができず戸惑うことがあります。
たとえば、SolidWorksで作られたモデルのように、フィーチャーの履歴ツリーを保持したまま編集することはできません。ARES上では単一のソリッドとして扱われるため、面や辺を直接操作できても、元の設計意図に基づく編集までは踏み込めないことがほとんどです。これは、ARESの3D編集機能が「軽微な修正向け」であることを示しています。
さらに、CADエンジンやバージョン差によっては、曲面形状や複雑なメッシュデータが正しく表示されない場合があります。そのような場合には、SATやSTEPへの再変換や簡易形状への置き換えなど、運用上の工夫が必要です。適切な形式を選ぶことが、3D連携を成功させるうえで重要なポイントになります。
4. 主要CADソフトウェアとの互換性

各種CADソフトとの互換性は、3DCADデータ連携をスムーズに行ううえで欠かせない要素です。特にAutoCAD、Fusion 360、SolidWorks、Inventorといった主流ソフトは幅広い業界で使われているため、これらとどれだけやり取りできるかが、ARESの活用範囲を大きく左右します。
本章では、4.1〜4.4に分けて、AutoCADとの3D互換性、Fusion 360とのやり取りのポイント、SolidWorksとの中間フォーマットを介した連携、そしてInventorとのDWG共有について詳しく紹介します。実務で注意すべき点も交えて解説するため、実際にデータ交換を行う際のガイドとして役立つでしょう。
互換性の精度やデータの正確さは、利用するフォーマットや各ソフトのバージョンに影響されます。とはいえ、ARESと主要CADの「行き来の流れ」を大まかに把握しておくだけで、読み込みや書き出しのトラブルを大幅に減らすことができます。
4.1. ARES × AutoCAD(3D)との互換性
ARESとAutoCADは、2Dに関しては非常に高い互換性があることで知られています。3Dについても、AutoCADがDWG形式をベースとしているため、標準的なソリッド形状やビュースタイルは大きく崩れることなく受け渡しできます。
たとえば、直方体・円柱などの基本的な3Dソリッドは、ARES上で問題なく表示・編集可能です。ただし、AutoCADのパラメトリック要素や高度なサーフェスモデリングについては、ARES側では履歴がなくなり固定化されたソリッドとして認識されるため、細かい再編集が難しくなる点に注意が必要です。また、UCS(ユーザー座標系)は比較的共有しやすい一方、一部のカスタムスタイルは正しく引き継がれない場合があります。
実務では、AutoCAD固有の機能(ダイナミックブロックなど)を多用している場合、事前にシンプルなソリッドへ変換してからARESに読み込ませると、互換性トラブルを避けやすくなります。こうしたひと手間が、結果的に作業効率を守る重要なポイントとなります。
4.2. ARES × Fusion 360 の連携ポイント
Fusion 360はクラウドベースの3DCADで、多様なファイル形式に対応しているのが特徴です。そのため、ARESとFusion 360間のデータ交換は比較的柔軟で、運用次第で多様なワークフローを構築できます。
たとえば、DWGをFusion 360で読み込み、2D図面を確認・修正したあと再度DWGで書き出す流れは一般的です。また、3DモデルをSATやSTEP(対応バージョンの場合)として書き出し、Fusion 360側でアセンブリ化したり形状調整したりする運用も可能です。
ただし注意点として、Fusion 360特有のマテリアル設定やレンダリング情報はARESに正しく反映されないケースがあります。また、複雑な曲面の場合、読み込み時に頂点が欠落したり、ファセット化(ポリゴン化)される可能性もあります。精度が求められるデータ交換では、STEPなど精度の高い中間形式を利用するなど、適切な形式選択が重要です。
4.3. ARES × SolidWorks の連携ポイント
SolidWorksは強力なパラメトリック3DCADで、部品・アセンブリ・図面といった明確な構造を持っています。一方、ARESは中間フォーマットを介した「軽めの3D閲覧・簡易編集」が得意なソフトであり、この差を理解したうえで連携形式を選ぶ必要があります。
単純な形状であればSAT形式をSolidWorksで読み込むことで、ある程度の面情報を維持しながら取り扱えます。しかし、複雑なフィーチャー(押し出し、スイープ、ロフトなど)を多数含むSolidWorksモデルを、ARESでそのまま再編集することは困難です。そのため、STEPファイルを中継し、可逆性のある運用を行うことも多くあります。
また、曲面が多いモデルや大規模なアセンブリは、ARESに読み込んだ際に形状崩れが起きるリスクが高くなります。データ破損を防ぐためには、事前にSolidWorks側で不要な形状を削除して簡略化しておくのが賢明です。さらに、書き出し前にバージョンを揃えておくことで、互換性トラブルを避けやすくなります。
4.4. ARES × Inventor の連携ポイント
InventorはAutoCADと同じAutodesk製で、製造系の3Dモデリングで広く利用されています。このため、ARESとInventorはDWGを介した相互連携が比較的スムーズに行えるというメリットがあります。Inventor独自のIDW形式も多くの場合DWGに変換できるため、2D/3D間の行き来をしやすい環境が整っています。
実務では、Inventorで作成した3Dモデルを2D図面化しDWGとして出力、ARES側で注釈追加や軽微な修正を行い、再びInventorに戻すといったワークフローがよく見られます。この際、パラメータや拘束条件は引き継がれず、単一のソリッドや輪郭として扱われるため、大規模な設計変更には向きません。
ただし、寸法線やレイヤー情報など2D図面に必要な情報はDWGで問題なく受け渡せるため、外形確認や説明図の作成を目的とする用途では非常に有効です。もし緻密な3Dソリッドデータを正確に受け渡したい場合には、SAT形式などを活用し、小さな部品単位でテストしながら読み込み・書き出しを行うのが安全な方法です。
5. ARESで3DCADデータ連携がうまくいかない時の対処法
複数のCADソフトを行き来する場合、「ファイルが開けない」「形状が欠ける」「保存時にエラーが出る」といった問題はどうしても発生しがちです。これは、CADごとのデータ構造の違い、バージョンの不一致、ソリッドとメッシュの混在など、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こります。
こうしたトラブルに対処するための基本は、
①中間フォーマットをむやみに増やさない、②利用するCADのバージョンを可能な限り揃える、③問題が起きたら形式を段階的に変えて再出力してみる
という3つに集約されます。本章では、読み込み時・表示/編集時・書き出し時の3つに分類して、それぞれの場面で有効な回避策や解決策を整理します。
これらのポイントを押さえておけば、現場でよく起こる3Dデータ連携の問題を最小限に抑え、ARESを含むCADワークフローをより滑らかに運用できるようになるでしょう。
5.1. 読み込み時のエラーとその対処
ファイルが読み込めない、または読み込めても操作できない場合、まず確認すべきはファイル形式とそのバージョンです。特にSATファイルでは、相手CADが最新のACISバージョンで書き出しており、ARESが対応できずにエラーになるケースがよくあります。このような場合は、一度SATのバージョンを下げて再出力してもらうことで問題が解決することが多いです。
STEPなどの汎用フォーマットでも、エクスポート時の設定次第で重要な幾何情報が欠落してしまうことがあります。その際は、別形式への切り替え、もしくはFusion 360など別のソフトを経由して再変換するなど、「別ルート」を試すと読み込める場合があります。
どうしても読み込みがうまくいかないときは、発想を変えて形状を簡略化する方法も有効です。たとえば、3Dソリッドを2D投影図に変換してDWGやDXFとして受け取れば、形状の概要を共有しながら最低限の作業を進めることができます。
5.2. 表示・編集できないケースの解決策
読み込み自体は成功しているのに、「形状がうまく表示されない」「編集コマンドが反応しない」といった不具合が発生することもあります。特に、サーフェスが多用されたモデルや、細かいファセット(ポリゴン)が大量に含まれるモデルに多い症状です。
まず試したいのは、ビュースタイルやUCS設定のリセットです。座標系が意図せずずれていると、モデルが画面外に飛んでしまい、存在しないように見えることがあります。また、複雑なサーフェスが原因で処理が重くなる場合には、ソリッド化できる部分だけを再度SATやSTEPへ変換し、メッシュ要素を減らすことで表示が安定するケースもあります。
それでも編集が難しい場合、無理にARESだけで完結させようとせず、「表示確認はARES、詳細編集は別の3DCAD」という役割分担に割り切るのも現実的な選択肢です。ARESは2D編集と軽微な3D確認に強みがあるため、作業の性質に応じて適切なCADを使い分けることが効率につながります。
5.3. 書き出し時の失敗と回避策
書き出し時の代表的なトラブルとしては、「ファイルが重すぎて処理が途中で止まる」「書き出したファイルを他ソフトが読み込めない」などがあります。特に、SolidWorksやInventorのように部品点数が多いアセンブリをそのまま一括で書き出すと、ファイルサイズが極端に大きくなり、書き出しに失敗することがあります。
まずは、不要なパーツやサーフェスを削除し、モデルを軽量化してから書き出すことが重要です。場合によっては、ソリッド化できる要素だけに絞り、履歴や拘束情報を削除して「ジオメトリだけの状態」にしたうえで書き出すことで、大幅に成功率が上がります。また、DWG形式で書き出す場合は、AutoCAD側でバージョンを下げて再保存することで、他ソフトでの互換性が高まる場合もあります。
書き出し設定を試す際は、まず小規模なテストモデルで検証してから本番作業に入ることが安心です。エラーが発生した際にはログを確認し、どの段階で失敗が起きているのかを把握しておくことで、同じ問題を繰り返さないための対策が立てやすくなります。
6. ARESを中心とした3DCAD運用のベストプラクティス
では、ARESを軸にしながら3DCAD運用を最適化するには、どのような取り組みが効果的なのでしょうか。ポイントとなるのは、DWGを中心に据えたワークフローを組み立てることです。2D図面の作成や既存データの更新作業はARESで行い、最終的に外部へ渡す成果物としてDWGやPDFを用意しておくことで、社内外との情報共有が格段にスムーズになります。
一方、本格的な3Dモデリングや高度な解析、複雑なアセンブリ管理といった工程は、AutoCADやFusion 360、SolidWorks、Inventorなどの専用3DCADに任せるのが合理的です。ARESは2D編集と軽微な3Dソリッド操作に強みを持つため、「役割分担」を明確にすることで、各ツールが本来の能力を発揮しやすくなり、結果として作業効率が大きく向上します。また、クラウド連携機能やモバイル対応を活用すれば、現場や会議室といったオフィス外でも図面修正が行える点も大きなメリットと言えるでしょう。
実践的なベストプラクティスとしては、複数のCADを使い分けるプロジェクトチームが、共通フォーマットであるDWGやSATを共有基盤として扱い、その中間ハブとしてARESを運用するケースが多く見られます。低コストでライセンスを確保しやすいこともあり、部署ごとに異なるツールを使用していても、全体として一貫したデータフローを維持しやすくなります。
たとえば、製造部門ではInventorを使って詳細モデルを構築し、設計管理部門ではARESでDWG図面を微修正し、最終的な3D調整はFusion 360やSolidWorksで行う、といった運用が挙げられます。このように、用途に応じて各CADの強みを活かしつつARESを核として連携させる方法は、まさに「CAD運用のベストプラクティス」と呼べるアプローチです。
7. まとめ|ARESの3DCAD互換性は実務で十分使える
ここまで、ARESが対応できる3D関連フォーマットや主要CADソフトとの互換性、さらに連携時に発生しがちなエラーの対処法について詳しく解説してきました。総合的に見ると、ARESは本格的なパラメトリック3Dモデリングこそ得意ではありませんが、DWGを中心に据えたデータ互換性の高さは業務レベルでも非常に実用的です。
つまり、これまで蓄積してきた2D図面資産を生かしつつ、必要に応じてSATやSTEPの3Dモデルを読み込んだり、簡易的な3Dソリッド編集を行うといった用途であれば、ARESは十分な戦力になります。実際、多くの企業が2D図面作成のメインツールとしてARESを採用し、コストと操作性のバランスの良さをワークフロー全体の最適化に活かしています。
さらに、CADユーザーレビューや価格比較でも指摘されるように、AutoCADと比べて導入コストを大幅に抑えられる点は、業務での汎用CADとして選ばれる大きな理由のひとつです。3D機能をそれほど使わない部署でも、「必要なときに最低限の3Dデータを開いて確認できる」という柔軟性は、想像以上に大きな価値をもたらします。より高度な3Dモデリングが必要になった段階で専門ソフトへ引き継ぐ運用もスムーズに行えます。
結論として、ARESの3DCAD互換性は日常業務に十分耐えうるレベルにあり、複数CADが混在する現場でも確かな役割を果たします。プロジェクトの性質に合わせてソフトを使い分けることで、設計工程全体の効率を高めることができるでしょう。これから3D設計に移行する方にとっても、2Dから3Dへ段階的にステップアップできる実用的な選択肢として、ARESは大いに活躍してくれるはずです。
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<参考文献>
CADソフトウエア、ARES Commanderをダウンロードする
https://www.graebert.com/ja/cad-software/download/ares-commander/





