1. TOP
  2. ブログ
  3. 知ってると差がつく!AutoCAD“進む”コマンドを活用した便利テクニック5選

知ってると差がつく!AutoCAD“進む”コマンドを活用した便利テクニック5選

1. はじめに

AutoCADで図面作成や編集作業をしていると、「ひとつ前の操作に戻したい」「さっきの作業をもう一度やり直したい」と感じる場面がよくあります。そんなときに活躍するのが、「元に戻す(UNDO)」と「進む(REDO)」という2つのコマンドです。

UNDOはよく使われている一方で、「REDOってなに?」「使ったことがないかも…」という方も少なくありません。しかし、REDOをうまく活用すれば、作業のやり直しがもっとスムーズになり、編集効率がぐんとアップします。

たとえば、Ctrl + Yのショートカットキーや、コマンドラインを使って素早く操作できるようになると、ちょっとした修正も安心して試せるようになります。「戻す」と「進む」を自由に使い分けられるようになることで、作業スピードが上がるだけでなく、図面編集のストレスも軽減されるのです。

この記事では、「進む(REDO)」コマンドの基本的な仕組みや使い方を、初心者にもわかりやすく解説します。また、作図作業で役立つ便利なテクニックも5つご紹介します。
ショートカットの活用法や、UNDOとの組み合わせ方、「進む」が使えないときの対処法まで、AutoCAD操作をより効率的にするヒントをお届けします。

CAD操作に慣れてきた方も、これから覚えたいという初心者の方も、この記事を読めば「REDO」の使い方に自信が持てるようになります。ぜひ最後までご覧ください。

2. 「進む」コマンドの基本

「進む(REDO)」コマンドは、「元に戻す(UNDO)」で取り消した操作を、もう一度やり直すための機能です。たとえば、「図形を回転」→「図形を移動」→「UNDOで移動を取り消す」といった操作をしたあとに、「進む」を使えば、元の「移動」操作を再び実行できます。つまり、間違えて取り消した操作を簡単に復活させることができるのです。

REDOを使う方法はいくつかありますが、最も手軽なのがショートカットキーの「Ctrl + Y」です。このキー操作を覚えておくと、作業中に素早くREDOを実行できるようになります。もちろん、メニューバーの「編集」から「進む」を選択する方法でも同じ操作が可能です。また、コマンドラインに REDO と直接入力して呼び出すこともできます。

作業のスピードを上げたい場合や、CAD操作に慣れてきた方には、キーボードでの操作が特におすすめです。AutoCADには「エイリアス設定」や「マクロ機能」も用意されているため、REDOコマンドに慣れてきたら、さらに自分好みにカスタマイズして操作効率を高めることもできます。

ただし、REDOが使えるのは、UNDOを実行した直後に限られます。たとえば、一度図面を保存してAutoCADを閉じた場合や、操作履歴が消去されている状態では、「進む」コマンドは無効になります。AutoCADは作業の履歴(操作の記録)をもとにREDOやUNDOを動作させているため、その履歴が保持されていることが前提になります。

このように、「進む(REDO)」は、元に戻す操作と対になって活躍するコマンドです。操作履歴をうまく管理し、UNDOとREDOを使い分けることができれば、図面作成の効率や正確さが大きく向上します。また、「やり直しができる」という安心感があることで、思い切った操作も試しやすくなり、結果として作業の自由度も広がります。

3. REDO活用テクニック5選

ここからは、「進む(REDO)」コマンドを活用して図面作業を効率化できるテクニックを5つご紹介します。初心者の方はもちろん、すでにAutoCADに慣れている方にも役立つ内容になっています。「そんな使い方があったのか!」と新しい発見があるかもしれません。

各テクニックでは、実際の操作例やどんな場面で使えるかといった実践的なポイントを交えながら解説します。UNDOとの組み合わせ方やショートカットの活用方法、さらには複数ステップにまたがる編集のやり直し方まで幅広くカバーしています。毎日の作図作業に取り入れて、ぜひ試してみてください。

それでは、さっそく5つのテクニックを順番に見ていきましょう。作業ミスからの回復や、AutoCAD操作の質の向上にきっと役立つはずです。

3.1. テクニック1:連続編集でのやり直しに活用

AutoCADでは、図形の位置を何度も変えたり、寸法を少しずつ調整したりと、細かい修正を連続して行う場面がよくあります。そんなときは、UNDOとREDOを組み合わせて使うことで、比較しながら編集作業をスムーズに進めることができます。

たとえば、何段階か操作を戻したあとに「やっぱりあの操作だけは残しておきたい」と思ったとき、REDOを使えば元の状態を簡単に復活できます。こうした使い方を覚えておくと、やり直しのたびに一から操作を繰り返す必要がなくなり、無駄な手間を省くことができます。

操作の流れとしては、複数の編集を行ったあと、Ctrl + Zで必要なところまで戻り、次にCtrl + Yで戻したい操作だけを再実行します。こうすることで、意図した通りの部分だけを効率よく再適用できるようになります。編集の自由度が広がり、気持ちにも余裕が生まれます。

3.2. テクニック2:複数ステップの操作を効率的に再実行

AutoCADでの作業では、ひとつの操作でも複数のステップにまたがることがよくあります。たとえば、図面レイアウトの調整や、複数のオブジェクトを連続的に移動・回転・オフセットするような操作などがその一例です。

こうした作業の途中で「やっぱりやり直したい」と思ってUNDOで戻りすぎてしまっても、REDOを使えば必要なところまで簡単に操作を復元することができます。特に、工程が多い編集をまとめてやり直したいときにREDOは大きな力を発揮します。

ただし、REDOの復元はAutoCADの操作履歴に依存しているため、履歴の記録が浅い場合や、大規模な作業を行っている場合には途中で記録が切れてしまうこともあります。そのため、履歴の深さを確認し、UNDOレベルを必要に応じて設定しておくと安心です。

また、スクリプトやマクロを利用して作業している方であれば、処理のテスト中に操作を戻して再実行する流れにREDOが活用できます。特にLISPなどの自動化ツールを使う場面では、こうしたテクニックを知っておくとデバッグ作業がより効率的になります。

3.3. テクニック3:作図ミスの不安を軽減して“試行錯誤しやすい”環境に

AutoCADを使い始めたばかりの方は、「失敗したらどうしよう」と不安を感じて、思い切った操作ができないこともあります。でも、UNDOとREDOの機能を正しく理解し活用すれば、そうした不安を軽減し、自由に試行錯誤できるようになります。

たとえば、ある図形の角度を思い切って変えてみたいと思ったとき、「もし変えて失敗したら戻せばいい」と思えるだけで、操作へのハードルが下がります。そして、もし変更後に「やっぱり前の状態が良かった」と感じたら、REDOで復元すれば簡単に再現できます。

この「やり直しがきく」という安心感は、CAD作業における大きな強みです。操作を恐れずに試すことができれば、作図スピードはもちろん、完成する図面の品質にも良い影響を与えます。REDOとUNDOをうまく活用することは、作業効率だけでなく、自信を持って操作するための心の支えにもなります。

3.4. テクニック4:ショートカットと組み合わせて操作スピードUP

日常的にAutoCADを使うなら、ショートカットキーの活用は欠かせません。特に、UNDO(Ctrl + Z)とREDO(Ctrl + Y)を指先でスムーズに使えるようになるだけで、作業スピードは大きく変わります。マウスに手を置いたまま、リズムよく操作できるのが最大のメリットです。

作業中は、右手でマウスを操作しながら、左手でショートカットキーを押すと効率的です。さらに、自分の使いやすいようにエイリアス設定でキーをカスタマイズすれば、より快適な操作環境を整えることができます。たとえば、「R」でREDOを実行するよう設定すれば、さらにスピーディーな作業が可能になります。

ズームやパン、3Dモデルの操作が頻繁な場面では、こうしたキーボードショートカットが大きな力を発揮します。細かな図面修正が多い作業では、こうした“指先の時短”が積み重なって、1日あたりの作業時間を大きく削減できるようになります。

3.5. テクニック5:「進む」無効時のリカバリ術を知っておく

「進む(REDO)」コマンドは便利ですが、すべての場面で使えるわけではありません。たとえば、図面を保存した直後や、AutoCADを一度閉じた後に再度開いた場合など、操作履歴が消えてしまった状態ではREDOが無効になります。こうした場面では、別の方法でリカバリを行う必要があります。

まず、AutoCADには自動保存機能があり、一定時間ごとにバックアップファイル(.sv$ファイル)を作成しています。これを活用すれば、作業ミスやREDOが使えないときでも、直前の状態に近いファイルを復元できる可能性があります。また、作業前に元のファイルをコピーしておく習慣をつけておけば、復旧の選択肢が広がります。

さらに、万が一図面ファイル自体にトラブルが起きた場合に備えて、AutoCADの「図面修復(RECOVER)」コマンドなども覚えておくと安心です。こうしたトラブルシューティングの知識を持っておくことで、REDOが使えない非常時にも落ち着いて対応することができ、作業の中断を最小限に抑えることができます。

4. よくあるQ&A・トラブル対処

ここでは、「進む(REDO)」コマンドに関して、ユーザーからよく寄せられる疑問や、実際に発生しやすいトラブルについて解説します。うまく動作しない理由がわからず困ってしまう前に、基本的なポイントを知っておくだけでも、安心して作業を進めることができるようになります。よくあるケースとその対処法を順に見ていきましょう。

Q1:「進む」コマンドが使えないのはなぜ?

A1:
「進む(REDO)」が機能しない原因としてもっとも多いのは、操作履歴がすでにリセットされていることです。たとえば、図面を保存した直後や、AutoCADを一度閉じて再度開いた場合、操作履歴(UNDO/REDOの記録)は自動的に消去されてしまいます。

また、AutoCADの設定によっては、操作履歴の保存数が少なかったり、特定の操作内容が履歴に残らないようになっていたりする場合もあります。たとえば、連続的にコマンドライン操作を行った際に、履歴の上限を超えてしまったことで古い履歴が失われていることも考えられます。

このような場合、REDOが無効になっていても不具合ではなく仕様に基づく動作であるため、まずは現在の操作履歴の状態を確認することが大切です。

Q2:REDOで戻せる操作の数に制限はある?

A2:
基本的にREDOの実行回数に明確な上限はありませんが、操作履歴の保存状況に左右されます。AutoCADでは、どれだけ多くの操作を記録できるかは、内部の履歴管理システムや環境設定に依存しています。そのため、連続して多数のコマンドを実行すると、古い履歴から順に消去されていくことがあります。

また、REDOは「UNDOで戻した操作」しか再実行できないという性質があるため、操作の合間に新しいコマンドが実行された場合、その時点でREDOの履歴は消えてしまいます。これにより、「思ったように戻れない」と感じるケースが出てくることもあります。

履歴の保存数を増やしたい場合は、環境設定やカスタムシステム変数(たとえば UNDOCTL)の確認・調整を行うことで、履歴の記録範囲を広げることが可能です。

Q3:カスタムコマンドに「進む」を組み込める?

A3:
はい、AutoCADではマクロやスクリプト、LISPなどのカスタム機能に「進む(REDO)」を組み込むことが可能です。特定の操作を自動化したいときに、REDOを組み込んでおけば、途中でUNDOを使って戻した処理を自動的に復元させるような処理の流れも構築できます。

たとえば、複雑な一連の作業をマクロでまとめて実行している場合、その最後にREDOコマンドを入れることで、一部の試行的な操作を再適用し、再検証することができます。これは、特にスクリプトのデバッグ作業や、仮想操作環境の再現を行いたいときに便利です。

なお、こうした応用はやや上級者向けとなりますが、REDOの基本的な仕組みを理解していれば十分に活用可能です。カスタム設定の中でREDOを組み合わせることで、より柔軟な作業フローを構築できるようになります。

5. まとめ

今回は、AutoCADで使える「進む(REDO)」コマンドについて、その基本的な仕組みから実践的な活用法まで詳しくご紹介しました。

「元に戻す(UNDO)」は多くの方が日常的に活用している一方で、「進む(REDO)」は意外と見落とされがちな機能です。しかし、この2つのコマンドをセットで活用できるようになると、作図の自由度が大きく広がり、操作ミスからの復旧もスムーズになります。

特に、Ctrl + Yといったショートカットキーを使いこなすことで、無駄な手戻りを最小限に抑えることができ、結果として作業時間の短縮にもつながります。また、複数ステップにまたがる編集作業でも、UNDOとREDOをうまく組み合わせることで、試行錯誤しながら最適な形を探ることが可能になります。

さらに、「REDOが使えない場面」や「操作履歴が消えてしまう状況」についてもあらかじめ理解しておくことで、万が一のトラブルにも落ち着いて対応できるようになります。バックアップファイルや図面修復コマンドなど、いざという時の備えを知っておくことも大切です。

CAD操作の上達には日々の積み重ねが欠かせませんが、こうした基本機能を正しく理解し、上手に活用できるようになるだけでも、作業の効率や成果物の質に大きな違いが生まれます。

「進む」コマンドは、小さな機能に見えて、実は図面作業全体を支える大事な存在です。ぜひ、日々のAutoCAD操作に取り入れて、あなただけの快適なワークフローを築いていってください。

建築・土木業向け BIM/CIMの導入方法から活用までがトータルで理解できる ホワイトペーパー配布中!

❶BIM/CIMの概要と重要性
❷BIM/CIM導入までの流れ
❸BIM/CIM導入でよくある失敗と課題
❹BIM活用を進めるためのポイント
についてまとめたホワイトペーパーを配布中

<参考文献>

AutoCAD 2025 ヘルプ | REDO[やり直し] (コマンド) | Autodesk

https://help.autodesk.com/view//ACD/2025/JPN/?guid=GUID-BA4CEE11-D8AD-4644-8488-7CEBCA50AFFE

AutoCAD 2023 ヘルプ | 概要 – 誤りを修正する | Autodesk

https://help.autodesk.com/view//ACD/2023/JPN/?guid=GUID-58926D42-665C-4F68-AC5D-B29E0A2A746F

AutoCAD ショートカットキー ガイド | コマンド一覧 | Autodesk

https://www.autodesk.com/jp/shortcuts/autocad

破損した AutoCAD ファイルを修復するには

https://www.autodesk.com/jp/support/technical/article/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/AutoCAD-File-Corruption.html

AutoCAD 2025 ヘルプ | RECOVER[修復] (コマンド) | Autodesk

https://help.autodesk.com/view/ACD/2025/JPN/?guid=GUID-78F5B1AB-583F-410F-85DA-6D03768832C8

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP