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AutoCAD 2023で追加されたマークアップ読み込み機能とは?使い方のポイントを紹介

世界で最もポピュラーなCADソフトの一つでもあるAutoCADは、毎年のアップデートでさまざまな機能改善や機能の追加が行われています。最新版であるAutoCAD 2023でも、便利な追加機能が登場したということで、多くのユーザーの注目を集めています。

今回は、そんなAutoCAD2023で追加されたマークアップ読み込み機能の詳細について紹介しながら、使い方のポイントを解説します。

目次:

  1. マークアップ読み込み機能とは
  2. マークアップアシスト機能とは
  3. マークアップ読み込みの活用ポイント
  4. マークアップアシストの活用ポイント

マークアップ読み込み機能とは

マークアップ読み込み機能は、機械学習によって各データのマークアップ部分を自動で読み込み、トレースとして活用できる効率化ツールです。マークアップの把握や識別は、これまで人間が手作業で行っていましたが、AutoCAD2023を利用することで、コンピュータが自動で識別の上、業務負担を削減してくれます。

マークアップ読み込み機能を使うと、図面の元のバージョンの上に重ねるような形でマークアップされた図面をかぶせ、元の図面に対する変更箇所などを把握できるようになります。図面のどの部分が改訂されているのか、などを把握して、作業の効率化やケアレスミスを回避するのに役立ちます。

マークアップはPDFやJPG、PNGといった形式で読み込まれるので、汎用性も高いのが強みです。

マークアップアシスト機能とは

マークアップ読み込み機能と合わせて活用したいのが、マークアップアシスト機能です。マークアップアシスト機能は、マークアップを雲マークや文字として識別し、図面の修正をサポートする機能です。テキストやオブジェクトを、クリック操作で自動的に図面の上に追加してくれるので、こちらも業務効率化に役立ちます。

挿入前には文字を編集したり、クリップボードにコピーしたりもできるため、痒いところに手が届く機能です。

マークアップ読み込みの活用ポイント

マークアップ読み込み機能を活用する上では、以下の点に注意しながら利用することが公式サイトでは紹介されています*1。

WEBアプリやモバイルアプリでも利用できる

マークアップ読み込み機能ですが、通常のソフトではもちろんのこと、Webアプリやモバイルアプリでも利用できるのが特徴です。

ソフトをインストールしていないPCやスマホ、タブレットから利用できるということなので、多様な業務形態でも普段の作業環境同様に業務を遂行できます。

2D図面で最も効果を発揮する

マークアップ読み込み機能が最も活躍するのは、2D図面です。3D図面や、ワイヤフレーム以外の表示形式の図面では読み込み機能が上手く使えない点に注意しましょう。

読み込み画像の解像度は4K以下になる

マークアップ読み込みを行った画像の解像度は、4K以下の解像度となってしまいます。それ以上の解像度の画像、あるいは高解像度でなければならない図面などを用意した場合、その品質が低下し、業務に支障をきたす場合がある点に注意しましょう。

また、モニタを4K解像度に対応し、正しい表示画面を閲覧できるよう備えておく必要があるでしょう。

紙図面は明るく均一な照明を用いる

紙の図面をスキャンしてマークアップ読み込みを行う場合、その環境は明るく、均一に照明が照らされている状態が理想です。

照明が不均一であったり、紙にシワなどが入っていて影ができている場合、正しい識別が行えない場合があります。

紙図面は対象ページだけを読み込ませる

紙の図面を読み込ませる場合、対象のページ以外のオブジェクトが誤って読み込まれないよう注意しておきましょう。

図面への位置合わせを実行する場合、余計な情報が少ない方が高い精度かつスピーディに行えます。

紙図面は斜めから読み込まない

読み込みを実行する場合には、常に真上からの図面を用意する必要があります。角度がついていると、そのイメージに歪みが発生してしまい、正しい図面の位置合わせが行われなくなってしまいます。

マークアップアシストの活用ポイント

マークアップアシストを実行する際も、適切な活用ポイントを覚えておくことで、そのポテンシャルを最大限に引き出せます*2。

モノクロ・グレースケールの図面にのみ適用できる

マークアップアシスト機能は、基本的にモノクロか、グレースケールの図面にのみ適用できる機能です。色のついた線や領域が含まれていると、パフォーマンスが低下する場合があります。

不透明な色彩にのみ対応する

また、透明度の高い色彩が含まれている場合も、適切なマークアップアシストが行われない場合があります。

読み込む図面の中にはあくまで不透明な色彩のみが使われていることを確認の上、実行することが大切です。

解像度の低いイメージでは運用できない

読み込んだ画像の解像度が低い場合も、マークアップアシストが正しく機能を発揮できない場合があります。この機能を使いたい場合には、高解像度の写真や、スキャンした図面をあらかじめ用意しなければなりません。

WEBアプリやモバイルアプリでは利用できない

マークアップ読み込み機能はWebアプリ、およびモバイルアプリで利用が可能ですが、マークアップアシスト機能についてはWebアプリとモバイルアプリでの利用ができません。

マークアップアシスト機能を使いたい場合には、AutoCAD2023が利用できる環境をあらかじめ用意しておきましょう。

まとめ

AutoCAD 2023はさまざまな改善が行われた最新バージョンですが、中でもマークアップ読み込み機能とマークアップアシスト機能は、機械学習による最新の業務効率化が受けられるということで、非常に注目されています。

マークアップ読み込みもマークアップアシストも、有効活用できれば心強い作業の見方となりますが、最大限そのパフォーマンスを高めるためにはある程度運用条件を整える必要もあります。

マークアップ読み込みについてはWebアプリやモバイルアプリでも利用できるため、その汎用性の高さも覚えておくことが大切です。

これらの機能を有効活用したい場合には、その条件に合わせて業務の進め方や図面の管理方法を見直してみることも必要になるでしょう。

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参考:

*1 Autodesk「概要 – マークアップ読み込みとマークアップ アシスト」

https://knowledge.autodesk.com/ja/support/autocad/learn-explore/caas/CloudHelp/cloudhelp/2023/JPN/AutoCAD-Platform/files/GUID-0CD6B2CE-EAF0-478B-B39B-F4821F9DC91D-htm.html

*2 上に同じ

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