IoTで進化する最近のコインランドリー事情
たくさんの洗濯機が並び、24時間いつでも利用できるコインランドリー。以前はどことなく入りにくいイメージがありましたが、もはやそれは過去の話。最近は主婦や会社勤めの人が気軽に利用するほど身近な存在になっています。コインランドリーを営む企業は、利用者へのサービスを向上させようと、コインランドリーのIT化を進めています。
ライフスタイルに合わせたコインランドリーの活用が需要を後押し
どの家庭でも、自宅に洗濯機は置いてあるはずです。わざわざコインランドリーを使う必要などないと思う人もいるでしょう。ところが今では必要に応じてコインランドリーを利用する人が増えています。たとえば主婦の場合、中型程度の洗濯機では毛布を洗うのには不便です。めったに洗うことのない大きめの衣料品を洗いたいときは、自宅の洗濯機を使わずにコインランドリーを利用しているのです。また、昼間は会社勤めをしているマンション住まいの独身者の場合、夜間に洗濯機を動かすと騒音が大きく、隣室の住民に迷惑を欠けてしまいます。そこで、平日の洗濯は自宅の洗濯機を使わず、コインランドリーを利用しているのです。
こうした背景から、コインランドリーの店舗数は年々増加し、コインランドリーを運営する企業はサービスの向上を推し進めています。
コインランドリーのIT化で利便性を向上
店舗の増加で競争が激化するコインランドリー業界では、顧客へのサービスを高める一環として、コインランドリーのIT化に力を入れています。
コインランドリーを利用する際に不便と感じるのは、店舗の洗濯機がすべて稼働していて、空きが出るまで待たなければならないときです。利用者にとって、事前に稼働状況がわかれば無駄な待ち時間を過ごさずに済みます。こうした不便さを解決するため、全国に店舗を構えるコインランドリーの運営会社では、店舗ごとに洗濯機の稼働状況を確認できる専用のスマートフォンアプリを開発・提供しています。コインランドリーへ出かける前に、専用アプリを起動して洗濯機の空き状況を確認することで混み具合を把握できるため、利用者は無駄な待ち時間なしに店内で洗濯に取りかかることができます。
また、コインランドリーで使用している洗濯機がすべての動作を完了する数分前になると、メールで連絡してくれる機能を提供してくれるサービスもあります。これを利用すれば、洗濯機を動かした後にコインランドリーを離れて、買い物など別の用事を済ませることができます。メールで完了数分前の連絡が届いたら、再びコインランドリーに戻って洗濯物を取り出せば、時間を有効に使うことができます。
ITを駆使したコインランドリーのサービス向上は、利用者に無駄な時間をなくす効率化を提供することができるのです。
IoTシステムの導入でさらなる発展が期待
コインランドリーは、洗濯機をネットにつないで稼働情報をもとにしたサービスの提供から、店内に備え付けのあらゆる機器をネットにつないだIoTシステムを構築することで、より高度なサービスの提供が見込めます。
たとえば、洗濯機のほかに大型の乾燥機もネットに接続して、稼働している時間帯や洗濯モードの種類も収集すれば、店舗ごとにどんな衣類が多く洗濯されているかといった利用状況を分析するための情報を得ることができます。会員登録サービスを実施しているコインランドリーでは、メンバーカードを挿入して機器を動かすシステムを導入すれば、登録情報と使用機器を紐付けすることもできます。これらの情報はビッグデータ解析に用いることができ、今後のマーケティング戦略に活用できるでしょう。
ネットに接続した洗濯機や乾燥機は情報収集以外にも、遠隔操作もできるようすると、利用者に新たなサービスを提供することが可能です。たとえば、本社のサポートセンターから担当者が顧客に代わって最適な洗濯条件を遠隔設定して稼働させれば、満足度の高い洗濯をサポートすることができます。
需要の増加でIT化が進むコインランドリー、店内に設置の機器をネットにつないでIoT化させていけば利便性がさらに高まるでしょう。コインランドリーのさらなる進化は目を離せません。