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Google のVRヘッドセット Daydream Viewの実力派か

GoogleのVRヘッドセットであるDaydream Viewが2017年12月に国内販売されました。今回はこのヘッドセットの機能・背景となる技術やライバル機器について検討し、その実力を探って見ましょう。

 

 

Daydream Viewが国内でもリリース

 

DaydreamはAndoroidのために開発されたVRプラットフォームで2016年5月に発表され、11月に米国でヘッドセットとしてDaydream Viewが発売されました。IHS Markitの予測では2016年に12万台、2017年に223万台の発売とされています。スマートフォンをセットし、付属するモーションセンサー付きのリモコンで操作する仕様になっています。国内では1年遅れの昨年末に12,000円で発売されました。

 

ライバルとなる製品は?

 

同様の製品にはSamsungが先行して発売しているGear VRや、Google自身が提供しているCardboadという製品があります。同じようにスマートフォンをセットしてVR映像を視聴することができますが、機種の対応状況が異なりますので注意が必要です。基本的にGear VRはSamsungの発売するGalaxyシリーズでしか利用することができません。iPhoneや国内メーカーの生産するスマートフォンには未対応です。

Google Cardboadは正確にいうと、特定のヘッドセット製品を表す言葉ではないので、Gear VRなどとの直接比較はできないかもしれません。基本的にはヘッドセットの規格を表したものですので、図面を無料でダウンロードして自作することが可能です。また、その規格に準拠した市販品も多く発売されており、1,000円?3,000円程度の価格帯で入手することが可能です。スマートフォンについてはWeb GLに対応した機種であれば利用可能です。

 

3DCGをブラウザで表示する国際規格「Web GL」

 

Web GLはブラウザ上で3DCGを表示させるための国際規格であり、端末側のGPSにアクセスすることができます。JavaScriptを使用したコンテンツ制作が可能ですから、従来のWeb技術で3Dを実現することができます。現在は国内スマートフォンのほとんどが対応していますので、スマートフォンアプリがCardboadに合わせた画像を出力すれば簡単にVR環境を実現できます。価格といい、汎用性といい、もっとも手軽にVRコンテンツが楽しめる手段といえます。

 

Daydream対応のスマートフォン

 

DaydreamはAndroidにOSレベルで組み込まれている実行環境です。対応するスマートフォンをセッティングするとNFSを通してDaydreamホームというアプリが起動することで、リモコンと連動した操作が可能になります。GoogleのHPで対応機種一覧が掲載されていますが、現時点では高スペックモデルのみとなっています。

<対応機種一覧>
・Google Pixel2、Pixel
・Samsung Galaxy S8 / S8+、Galaxy Note8
・LG LG V30
・Motorola Moto Z / Z2
・ASUS ZenFone AR
・HUAWEI Mate 9 Pro

スマートフォンのNFSをOFFにしてDaydream Viewにセッティングすれば、上記の対応機種でなくともVR映像を見ることは可能です。ただし、リモコンでの操作はできませんので映像を視聴するだけといった限定された目的だけに使用できます。

 

 

iPhoneでDaydream対応アプリは利用できる?

 

iPhoneでの利用を考えた場合、Daydream ViewやGear VRの本来の機能を活かすことは残念ながら現時点では無理です。3DCGに対応したYoutubeなどの動画を視聴する目的に限られてしまいます。それであれば価格的に考えて、Cardboadに対応したヘッドセットでも良いでしょう。SamsungとAppleはハードウエアで、GoogleとAppleはOSにおいてスマートフォン市場でのライバル同士です。今後、例えばGear VRがiOSに対応するかどうかは微妙ではないかと思われます。

 

Apple製VRヘッドセットの発売は?

 

余談ですが、よく知られているようにSamsungはAppleにiPhoneの部品を供給するサプライヤーでもあります。iPhoneが売れれば、それだけSamsungの収益にもつながるという不思議な関係を続けています。これまで見てきたようにAppleはVR対応機器について、他のメーカーから一歩遅れているようです。後発の強みを活かし、何らかの製品を2020年には投入してくるのではないかという噂も流れているようですので、今後の動向を注目したいところです。

 

 

Daydream Viewの実力は?今後普及する?

 

さて、ここで肝心のDaydream Viewの実力について考えてみましょう。先行するGear VRが2018年には累計1,000万台の販売を超えると予測されています。やや遅れてリリースされたDaydream Viewについて、現時点での販売台数はまだ追いついていないようですが、例えば国内ではDocomoがキャンペーンとして、特定機種を購入したユーザー全員にDaydream Viewを配布するなど、販売台数については十分に追い上げる勢いを持っています。

しかし、まだ対応するアプリが少ないなどの点で弱く、せっかくのモーションセンサー付きのリモコンを活かすようなVR体験を実現する場面が少ないようです。また、ハイエンドの一部のスマートフォンしか対応してないという点についてもネックとなっています。

これらのことを総合すると、対応するスマートフォンとアプリが増えてくれば、比較的低価格でVRを体験できるユーザーも増加し、それに比例して販売台数も増加すると考えれば、このクラスのヘッドセット市場で優位なポジションを築くだけのポテンシャルは持っている、といったところでしょうか。

プラットフォームとしてのDaydreamを考えると、スタンドアローンで使えるヘッドセットのリリースが予定されています。Lenovo製のMirage Soloという製品でCES2018で発表されました。ケーブル、スマートフォン、PCなどから解放され、ユーザーが稼動できる領域の制約がなくなります。Oculus Riftなどのハイエンドヘッドセットや、このようなスタンドアローンタイプなどとの住み分けがどうなるかなど、ここ数年は目を離せなくなりそうです。

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