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Jw_cad図面をBricsCADで開く!JWW変換の手順と注意点を徹底解説

1. はじめに

Jw_cad は、無償で導入できる 2D CAD として普及し、ネイティブ形式の JWW(.jww/.jwc) で図面を管理するのが特徴です。
一方、近年は BricsCAD による運用も増えています。AutoCAD に近い操作感と DWG/DXF の標準対応、そして比較的低コストという点が評価され、マルチCAD環境での受け渡しにも適しています。

ただし、BricsCAD は JWW をそのまま開けません。 このため、変換の過程で文字化け・線種の崩れ・寸法のズレといった不具合が起きやすく、適切な手順と確認が欠かせません。

本記事では、Jw_cad → BricsCAD の移行で押さえるべき実務ポイントを、

  • DXF を介した王道の変換手順
  • 専用ツールを使う高精度な方法
  • PDF インポートによる簡易取り込み

の三つのアプローチで整理します。加えて、文字化け・レイヤ/線種・寸法/単位のチェック項目と、トラブルを未然に防ぐコツを具体的に解説します。最短経路で安定した変換を実現したい方に向けたガイドです。

2. Jw_cadとBricsCADの基本情報

まずは、Jw_cadとBricsCADがどのようなCADソフトウェアなのかを整理しておきましょう。両者の特性を理解しておくことで、後の変換作業や運用方針がより明確になります。

Jw_cad は、日本の設計現場で長年利用されてきた2次元CADの定番ソフトです。無料で利用できるフリーソフトとして高い人気を誇り、独自形式の JWWファイル(.jww) を中心に図面を扱います。建築設計・土木設計・設備設計など、幅広い分野で実務レベルの作図に使われており、軽快な動作と扱いやすさが支持されています。

一方、BricsCAD は、AutoCAD互換を掲げる有償CADソフトウェアです。DWGファイルをネイティブにサポートし、DXF形式による他ソフトとのデータ連携にも優れ ています。AutoCADに近い操作感を持ちながら、ライセンス費用を抑えられる点も大きな魅力で、CADデータの共有や管理の柔軟性が高いと評価されています。

このように、Jw_cadは軽快でシンプルな2D設計に強く、BricsCADは多機能かつ互換性の高い環境を提供します。
そのため、両者を連携させる際の課題は「JWWファイルをいかに正確に変換し、BricsCADで再現するか」にあります。次のセクションでは、その変換を円滑に行うための準備とステップを順を追って確認していきましょう。

2.1. Jw_cadの概要と主な使用シーン

Jw_cadは、国産の無料2次元CADとして非常に知名度が高く、教育機関から実務設計まで幅広く利用されています。扱うファイルは JWW形式 または旧バージョンの JWC形式 で、軽量かつ扱いやすい構造が特徴です。

日本語環境との相性が良く、文字化けなどのトラブルが少ない点や、低スペックPCでも動作しやすい点も大きな利点です。特別なライセンス契約が不要なため、個人設計者や小規模事務所でも導入しやすく、結果として国内での利用率が非常に高くなっています。

ただし、国際的に広く使われている DWG形式には非対応 です。代わりに、DXF形式による入出力機能 が備わっており、他CADソフトとデータを交換する際にはこのDXFを中間形式として利用するのが一般的です。

建築図面や設備図、確認申請用の平面図など、Jw_cadで作成された膨大なJWWファイルを社内に保有する企業も少なくありません。こうした既存資産を有効活用するためにも、他CADとの互換性確保は欠かせません。

2.2. BricsCADの特徴とメリット

BricsCADは、AutoCADに近い操作性を持ちながら、より柔軟でコスト効率の高いCAD環境を提供することを目指して開発されたソフトウェアです。AutoCADユーザーが違和感なく移行できるよう、類似したコマンド体系やインターフェースを採用しており、導入後すぐに実務へ適用できる点が評価されています。

さらに、2次元設計に加えて 3DモデリングやBIM機能にも対応 しているため、建築・土木・製造など幅広い分野で活用が可能です。DWGファイルやDXF形式との互換性が非常に高く、データ変換やファイル共有を効率的に行えるのも大きな強みです。

加えて、AutoCADと比べてライセンス費用が抑えられるため、企業単位での導入コスト削減にも寄与します。BricsCAD独自の拡張ツールや自動化機能も豊富で、設計業務の効率化やデータ管理体制の改善にもつなげやすい環境です。

このように、Jw_cadとのファイル変換を正しく行えば、BricsCADの導入によって 高度な設計やデータ管理をワンストップで実現 できるでしょう。

3. JWWファイルとは?

JWWファイル は、Jw_cadで使用される独自のCADファイル形式です。日本国内では最も広く流通しているCADデータ形式の一つであり、多くの設計事務所や建設会社で日常的に利用されています。そのため、他CADとのデータ互換が求められる場面では、この形式への対応が欠かせません。

JWWファイルは軽量でシンプルな構造を持ち、図面を素早く開いたり編集したりするのに適しています。一方で、国際的に普及しているDWG形式とは仕様が異なるため、DXFなどの中間フォーマットや変換ツールを介してやり取りするのが一般的です。

ここでは、JWWファイルの特徴と、なぜBricsCADで開けるようにする必要があるのかを詳しく見ていきます。Jw_cadからBricsCADへスムーズにデータを移行するためには、まずこのファイル形式の特性を理解することが重要です。
それでは、管理面や互換性の観点から、JWWファイルをどのように扱えばよいのかを順を追って確認していきましょう。

3.1. JWWファイル形式の特性

JWWファイルは、主に拡張子が .jww または .jwc の形式で保存され、Jw_cad独自のレイヤー構造・線種設定・文字コードを保持しています。

文字コードについては、Shift-JIS系の文字が含まれる場合があり、他のCADソフトで読み込む際に文字化けが発生する可能性があります。また、レイヤーや寸法設定の管理方法もJw_cad特有の構造に依存しているため、DWGやDXFへ変換する際には細心の注意が必要です。

一方で、JWWファイルは軽快に動作し、ファイルサイズが小さいという利点があります。数十枚から数百枚の図面を短時間で開いたり修正したりできるため、業務効率が求められる現場では非常に実用的です。
このように、Jw_cadを中心に作業を行う環境では、スピードと扱いやすさを両立できる便利な形式といえます。

3.2. なぜBricsCADでJWWファイルを開く必要があるのか

BricsCADを導入することで、高度なCAD設計・3Dモデリング・データ管理を一元的に行うことが可能になります。これにより、プロジェクト全体の生産性やチーム間の連携を大きく向上させることができます。

一方で、Jw_cadのJWWファイルのみで作業を進めていると、AutoCADやBricsCADといった他CADソフトを使用するメンバーとのデータ互換性に課題が生じることがあります。
この問題を解消するためには、DXF形式を介した変換や専用ツールを利用した変換プロセスを取り入れ、Jw_cadからBricsCADへ正確に図面を移行できるようにすることが重要です。

こうした対応を行うことで、データ受け渡しの選択肢が広がり、業務全体の柔軟性が向上します。特に、建築・設備・土木などの大規模プロジェクトでは、複数のCADソフトを併用するケースが一般的です。BricsCADでJWWファイルを扱える環境を整えておけば、外部の協力会社やクライアントとのデータ共有がスムーズになり、プロジェクトの品質と効率を同時に高めることができます。

4. JWWファイルをBricsCADで開くための準備

ここからは、JWWファイルをBricsCADで扱うための事前準備について解説します。円滑に作業を進めるには、ソフトウェアのバージョン確認や変換環境の整備が欠かせません。あわせて、導入しておくと便利な変換ツールや注意点についても確認しておきましょう。

まず、BricsCADのインストール状況を確認しましょう。BricsCADには複数のエディションがあり、2次元機能に特化したものから3次元設計やBIM対応まで幅広くラインアップされています。
長期的に利用する場合は、用途に合ったエディションを選び、ライセンス形態(永久/サブスクリプションなど)もあわせて検討しておくと安心です。

次に、Jw_cadのバージョンを最新に保つことも重要です。公式サイトまたは提供元から最新版をダウンロードし、常に最新の環境で作業するようにしましょう。特に、Jw_cadではバージョンによって DXF出力の安定性や互換性が異なる 場合があるため、更新を怠らないことがスムーズな変換の第一歩となります。

さらに、変換を支援する 専用のCADファイル変換ツールやオンラインサービス を活用するのも有効です。ただし、使用前には必ず セキュリティリスクや対応フォーマット、ソフトのバージョン互換 を確認しておきましょう。特に社外データを扱う場合は、クラウド変換サービスを利用する際に情報漏えいのリスクを考慮することが大切です。

これらの準備を整えておけば、後の変換工程をより効率的かつ安全に進めることができます。

5. JWWファイルの変換手順

ここでは、Jw_cadのJWWファイルをBricsCADで利用するための3つの変換方法を紹介します。
それぞれの特徴・メリット・注意点を踏まえて、自分の作業環境や目的に合わせた最適な方法を選びましょう。

まず紹介するのはDXF形式を利用する方法です。これは最も一般的で、CAD間の互換性を確保しやすい手法として広く使われています。DXF形式を介すことで、線種やレイヤー情報などを比較的正確に引き継ぐことができ、変換精度も安定しています。

次に、専用ツールを活用する方法があります。変換専用ソフトを利用すれば、DWGファイルへの直接変換や詳細な設定が可能で、精度と効率を両立できます。特に大量のJWWファイルをまとめて変換する場合に有効です。

最後に、PDFを経由する簡易的な変換方法もあります。正確な編集には向きませんが、背景図の参照や確認用途として使うには便利で、現場でも意外と多く採用されています。
それでは、各手順を具体的に見ていきましょう。

5.1. DXF形式を介した変換プロセス

最も基本的な方法は、Jw_cadでDXF形式に書き出してからBricsCADで読み込むという手順です。作業の流れは次の通りです。

  1. Jw_cadを起動し、変換したいJWWファイルを開きます。
  2. 「ファイル」メニューから「名前を付けて保存」または「DXF形式で保存」を選び、ファイル形式にDXFを指定します。
  3. DXFのバージョン選択画面が表示された場合は、R12形式を選ぶのがおすすめです。

R12形式は、Jw_cadとBricsCADを含む多くのCADソフトで高い互換性を保てるため、データ欠損や線種崩れを防ぎやすいとされています。
必要に応じて2000形式を選んでも構いませんが、環境によっては寸法スタイルや線種設定が変化する場合があるため、注意が必要です。

DXFファイルの書き出しが完了したら、BricsCADを起動し、「ファイルを開く」から生成されたDXFファイルを選択します。
読み込み後は、レイヤー設定や尺度の確認、文字化けの有無をチェックしてください。万一文字化けが発生した場合は、BricsCAD側で文字コードやフォントマッピングを調整しましょう。

また、線種や色設定が微妙にずれていないかも確認し、必要に応じて調整を行います。DXF形式を介する方法は汎用性が高い一方で、線の太さや寸法表示が若干変化することがあるため、変換後の仕上がりを必ず目視で確認することが重要です。

5.2. 専用ツールを使用した変換方法

次に紹介するのは、Jw_cad専用の変換ツールを使う方法です。代表的なツールには「BJ変換JW」「Jww2DXF」などがあり、ほかにもWeb上で利用できるCADファイル変換サービスがあります。

これらのツールを使用するメリットは、DXFバージョンやフォント設定などを細かく指定できること、そしてDWGファイルへの直接出力が可能な点です。
特に、変換精度を重視したい場合や多数のJWWファイルを一括で処理したい場合には有効な手段です。

操作手順はシンプルで、ツールを起動し、入力ファイルにJWWを指定してから、出力形式をDXFやDWGに設定し、変換ボタンを押すだけです。
ただし、オンラインツールを利用する場合はセキュリティ面に注意が必要です。アップロードした図面データが外部に保存される可能性があるため、機密情報を含むデータの利用は避けましょう。

また、無料版では変換できるファイル数や容量が制限されることが多く、業務で継続的に使う場合は、有料版ソフトの導入を検討するのがおすすめです。
専用ツールの中には、レイヤー照合機能や文字コード自動変換機能を備えたものもあり、変換後の調整作業を最小限に抑えられるのも魅力です。

定期的に変換作業が発生するプロジェクトや、チーム単位での運用を考えている場合は、こうした変換ツールを導入して標準化することで、作業の安定性と再現性を高められます。

5.3. PDF経由での簡易変換手順

最後に紹介するのは、PDFを経由する簡易的な変換方法です。これは、正確な編集を目的とするものではなく、図面を確認したり、背景として利用したりする用途に向いています。

手順としては、まずJw_cadでJWWファイルを開き、「PDF出力」機能や仮想プリンター(例:Bullzip PDF Printerなど)を使ってPDF形式にエクスポートします。
次に、BricsCADのPDFインポート機能を利用してPDFを読み込むと、図形として配置することが可能です。

ただし、この方法ではレイヤーや寸法情報が保持されないことが多く、正確な編集には不向きです。したがって、図面の構成を把握したり、下図として背景に配置したりする補助的な用途に限定するのがよいでしょう。

それでも、PDFはどの環境でも閲覧できるという大きな利点があります。関係者への一時的な共有や、プレゼン資料・提出用データとしての利用には非常に便利です。
図面を「確認・参照・共有」する目的であれば、最も手軽で柔軟な変換手段として活用できます。

6. 変換時の注意点とトラブルシューティング

ここからは、Jw_cadからBricsCADへファイル変換を行う際に発生しやすいトラブルと、その具体的な対処法について解説します。特に、文字化け・レイヤー情報の乱れ・寸法の不一致といった問題は多くの利用者が経験するポイントです。

こうしたトラブルを防ぐコツは、変換前の段階で図面データを整理しておくことにあります。不要なレイヤーを削除し、使用フォントを標準的な書体に統一しておくことで、変換後の修正作業を大幅に減らせます。

それでは、よくある3つのトラブルについて、発生原因と具体的な解決策を順に見ていきましょう。これらのポイントを押さえておけば、日常の設計作業をよりスムーズかつ安定的に進めることができるはずです。

6.1. 文字化けとフォントの問題

文字化けは、Jw_cadからBricsCADへのファイル変換で最も発生しやすい不具合の一つです。Jw_cad側がShift-JIS形式で文字情報を保存している場合、BricsCADがUnicodeなど別の文字コードを参照して読み込むと、文字が「□□」のように表示されてしまいます。

これを防ぐには、変換前に Jw_cadで使用しているフォントを汎用的なフォント(例:MS ゴシックやArial)に統一 しておくことが重要です。また、BricsCAD側で フォントマッピング設定(フォント置換表)を見直す ことで、異なる文字セットでも正しい書体で表示できる場合があります。

もし一部の文字のみ化けている場合は、変換後に 文字スタイル管理や置換コマンド を使って修正することも可能です。
さらに、変換ツールの中には 文字コードを自動検出して変換してくれる機能 を持つものもあるため、大量のファイルを扱う場合にはこうしたツールを利用すると効率的です。事前設定を適切に行えば、後工程での修正作業を最小限に抑えられます。

6.2. レイヤーと線種の調整

Jw_cadとBricsCADでは、レイヤー構造や線種管理の仕様が微妙に異なるため、変換時にレイヤー名が意図せず変更されたり、線種が太線や実線などに自動変換されてしまうことがあります。

この問題を防ぐには、まず変換前に レイヤーを整理し、命名規則を英数字中心に統一 しておくとよいでしょう。日本語レイヤー名を使う場合、環境によっては正しく読み取れないことがあるため注意が必要です。
また、BricsCAD側では 線種ファイル(.LINファイル) の設定を事前に確認し、日本語名の線種が正しくマッピングされるようにしておくことも有効です。

もし変換後にレイヤー名がずれていた場合は、一括置換ツールやレイヤー管理パレット を活用して修正します。最終的には、図面全体を見渡して複数のレイヤーをサンプリングし、線種・色・線幅が正しく引き継がれているか確認 することが大切です。これらを丁寧にチェックすることで、再編集や印刷時のトラブルを防げます。

6.3. 寸法と単位の一致確保

寸法や単位が正しく再現されないケースも少なくありません。特に、Jw_cadで設定したスケールや単位情報がBricsCADにうまく引き継がれないと、寸法値が変わってしまい、設計精度に影響を及ぼす可能性があります。

この問題を避けるには、まずJw_cadで扱う単位を ミリメートル(mm)などに統一 しておき、余計なスケール変更を加えないようにします。BricsCAD側でも、図面単位を メートル(m)またはミリメートル(mm)に設定 してから読み込むことで、誤差を最小限に抑えられます。

変換後には、主要な寸法線をいくつか選んで スケールや寸法値を実測確認 することがポイントです。もしズレが発生している場合は、拡大・縮小(SCALEコマンド)で比例調整 するか、単位設定を再確認して再変換を行います。
こうした確認を習慣化しておくことで、プロジェクト全体の精度維持と品質向上につながります。

7. 効率化のコツ:変換作業をスムーズに行う方法

ここまで解説してきたように、文字化けやレイヤー崩れなどのトラブル対処法を理解することは大切ですが、そもそも作業フローを最適化することで、変換自体を効率化することも可能です。特に、大量のJWWファイルをBricsCADへ移行する場合は、事前準備とルールづくりが大きな鍵となります。

まずおすすめしたいのが、テンプレートの活用です。Jw_cadからDXF形式で書き出す際に使う設定(線種・レイヤー構成・文字フォントなど)をあらかじめ標準化しておけば、都度調整する手間を減らせます。
また、BricsCAD側でもレイヤー命名規則や線種定義を統一したテンプレートを用意しておくことで、読み込み後の編集や再設定がスムーズになります。

さらに、チーム単位で変換ツールや作業環境をそろえておくことも重要です。同じバージョンのソフトウェアと統一された手順書を共有しておけば、担当者が変わっても変換精度が安定します。加えて、変換後の図面で発生したエラーを記録し、定期的にレビューする運用体制を整えることで、プロジェクト全体の品質を継続的に向上させることができます。

日常的にテスト変換を行い、フォント設定やレイヤー構成、中間ファイル(DXFなど)の扱いを確認しておくことも効果的です。こうした小さな積み重ねが、長期的な作業効率化とトラブル防止につながり、安定したデータ変換環境を実現します。

8. よくある質問(FAQ)

Q1. DXF形式とDWGファイル、どちらを使うべきですか?
基本的な目安としては、互換性を重視する場合はDXF形式、精度やAutoCAD互換性を重視する場合はDWG形式を選ぶとよいでしょう。
DXF形式は多くのCADソフトでサポートされており、環境を問わず安定してデータを受け渡しできます。
一方、DWGファイルで直接やり取りする場合は、専用の変換ツールを使用して変換精度を高める必要がありますが、AutoCADとの親和性を重視する業務ではより効果的です。

Q2. 変換後に文字が消えてしまう現象はどうすればいいですか?
文字化けではなく文字そのものが消える場合は、主にフォントファイルが見つからない、または文字サイズが極端に小さくなっている可能性があります。
まずはBricsCAD側のフォント置換設定や文字スタイルの指定を確認し、必要に応じて使用フォントを再設定してください。
再読み込み後に文字が正しく表示されることが多いため、変換直後にフォント関連の設定を見直す習慣をつけると安心です。

Q3. PDF変換でも完全にレイヤー情報を再現できますか?
残念ながら、PDF経由では完全なレイヤー情報の再現は難しいのが実情です。
PDFファイルにはベクター情報が残る場合もありますが、多くの場合はレイヤーや寸法要素がまとめて画像化されてしまいます。
そのため、PDF変換は厳密な編集を目的とするのではなく、図面確認・背景参照・資料配布など補助的な用途に限定して活用するのがおすすめです。

Q4. 変換ツールは有料と無料、どちらを選ぶべきですか?
選択の基準は、変換頻度と求める精度によって異なります。
少量の図面や試験的な用途であれば、無料のオンラインサービスでも十分対応できます。
ただし、業務で大量のJWWファイルを扱う場合や、図面精度を最優先する場合は、有料のCAD変換ソフトウェアを導入する方が安定性と再現性に優れています。
セキュリティ面やサポート体制も重視し、運用目的に合ったツールを選ぶとよいでしょう。

Q5. 変換作業をチームで共有したいときのポイントは?
チームで安定した変換精度を保つためには、統一ルールの明確化とマニュアル化が欠かせません。
具体的には、DXFのバージョン、フォント設定、線種のルールなどを文書化し、自社サーバーや共有フォルダに保管しておきます。
さらに、定期的にルールを見直して更新することで、誰が作業しても同じ品質・同じ結果が得られる環境を維持できます。
チーム全体で共通の変換フローを共有しておくことが、トラブルを減らし効率的なデータ管理につながります。

9. まとめ:変換プロセスを成功させるためのポイント

ここまで、Jw_cadからBricsCADへJWWファイルを移行する手順と注意点を解説してきました。
どの方法を選ぶ場合でも、まず重要なのは変換前の準備です。図面データを整理し、フォントやレイヤーを統一ルールでまとめておくことで、文字化けや線種崩れといったトラブルを大幅に減らすことができます。

最も一般的な方法は、DXF形式を中間ファイルとして利用する変換手順です。互換性が高く、特別なソフトを必要としないため、小規模な案件や短納期のプロジェクトに適しています。
一方で、大量の図面を正確に変換したい場合や、図面品質を維持したい場合には、専用のCAD変換ツールを使う方が安心です。自動マッピング機能やバッチ処理に対応しており、変換精度と効率を両立できます。

また、図面の正確な編集を必要としない場合には、PDFインポート機能による簡易的な取り込みも有効です。プレゼン資料や背景参照など、軽作業中心の用途であれば十分実用的な方法といえるでしょう。

最終的なゴールは、BricsCAD上で正確かつ快適に図面を編集・閲覧できる状態を実現することです。Jw_cadのデータを適切に変換できれば、建築・設備・土木など、どの分野でもチーム全体の生産性を高められます。
データ互換性の確保は、単なる変換作業にとどまらず、設計業務全体の効率化と品質向上を支える基盤となるでしょう。

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<参考文献>

Jw_cad公式サイト

https://www.jwcad.net/

CADソフトウェア – 2D/3D CAD – Bricsys®

https://www.bricsys.com/ja-jp

IMPORT [読み込み] – BricsCAD Lite & Pro | Bricsysヘルプセンター

https://help.bricsys.com/ja-jp/document/command-reference/i/import-command

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