その認識、合ってます?自社「サービス」を再確認せよ
サービスは製品とは違って、売買した後にモノとして何も残らないものの、効用や満足を提供する形のない財、あるいは役割を言います。
▼サービス・マーケティング
最近ではネット上で完結するサービスも数多く存在し、サービスと商品の境界があいまいになりつつあります。
そうした中でサービスを消費していくユーザーたちは、受けることのできるサービスの量と質を求め、サービスを提供している会社やブランドに集まっていきます。
サービスの充実は集客力に影響してくるのが現実ともいえる世の中で、自社サービスについて常に問い直しを行っていく。これはとても大切なマーケティングプロセスの一つです。
それゆえ自社サービスに関する認識がズレていれば、サービスを良くしていくことはできませんし、売上を拡大させることにもつながりません。
その上で、「どう自社サービスを差別化していくか」が大切です。
目に見えて他社と異なる優良なサービスを提供していれば、それだけで競争優位になれるのです。
これが時代に乗り遅れず、マーケティングを継続させていくための手立てではないでしょうか。
▼サービスの特性を理解する
まずは根本的なところから理解していきましょう。
サービスには5つの要素が存在します。
・不可分性
サービスとサービス提供者を切り離せない
・変動性
サービスの内容や質は変動する
・無形性/非有形性
触ることができない、形あるものとして見ることができない
・消滅性
サービスを保存して、後で販売できない
・非汎用性
サービスの満足とその基準は人それぞれで変わる
これらの要素以外にも、ビジネスごと特殊な要素がサービスとして提供される場合があります。
たとえば演劇やスポーツなどを生で観戦した場合の「同時性」がそれです。
逆にここにあげた「消滅性」は、ことインターネットなどで展開される情報産業においてはサービスが在庫として存在する場合があります。
が、主なものはこの5要素と考えて良いでしょう。とはいえ、すべてのサービス要素が同時に構成されるわけではありませんので、その点忘れてはいけません。
▼良いサービスについて認識する
サービスのもつ特性を理解したら、次は自社を取り巻く市場環境を見てみましょう。
ここで考えるべきは以下の通りです。
・現状喜ばれている自社サービスは何か
・良いサービスとは何か
・他社が行っているサービスでウケのよいものは何か
サービスは先ほども言った通り、無形物です。
その良し悪しの判断は、言い方は悪いですが個人の感覚にゆだねられます。ただ、突き詰めて考えるとサービスの良し悪しが決まる要素としては、以下の5つの指標で見ていくのが良いでしょう。
・信頼性
・対応
・安心
・共感
・有形物
信頼性とは、約束しているサービスを正確に提供する技量・技術です。これはサービスがしっかりとマニュアル化されているかが重要です。
対応は顧客への対応力ですね。対応の良さともいえます。これは教育のたまものです。
安心は顧客の信用を獲得する知識力や誠実性、態度など精神的な満足に直結します。これも教育のたまものです。
共感はそのまま、共感力です。困りごとを掘り下げ、顧客目線でのサービスを展開する力、親身になって対応する力のことです。
有形物とは無料で配るカタログ、従業員の見た目、建物や設備などにかかわる部分です。
客観的に見て、これらの要素に優れていれば、サービス力がある、良いサービスを提供していると判断できます。
▼どうやって差別化していくか
いろいろな意味で「他と違う良い商品」に人が集まるのと同様に、サービスも差別化してナンボです。
しかし差別化するとはいっても、その前にまず安定してサービスを提供する土台が必要となります。
その土台となるのは、接客業であればサービスに関するマニュアルの整備や教育が重要になります。デスクワークに共通するのは業務に関する定型化、ロボットやコンピューターによる制御が可能な部分についてはシステム化が、サービスの土台と質を追求するための手立てとなるでしょう。
まとめ
より良いサービス・マーケティングを展開していくために。
まずは現在提供している自社サービスの洗い直しから始めてはいかがでしょうか。
サービス特性を理解し、自社サービスのクオリティを見える化、他社のサービスと比較。自社の良いサービス、悪いサービスを切り分けて、良い物は伸ばし、悪い物は良くする、あるいは切り捨てていく。そういったプロセスを経て、競合とは一味違ったサービスを展開できるようになるのではないでしょうか。