Apple PayとFeliCa、どう違う?


iPhone 7は、おサイフケータイの技術FeliCaに対応しました。日本独自の仕様であり、海外のiPhone 7には搭載されていません。ちょっと得した気分になりますね。Android端末に対して不便と感じていたiPhoneユーザーには、うれしい機能追加ではないでしょうか。活用の幅が広がりそうです。

ところで、「Apple Payは日本のFeliCa」という認識を持っている方もいらっしゃるようです。しかし、これは間違いです。一般の消費者であれば仕方がないかもしれませんが、スマートフォンやIoTの開発に携わるならば、きちんと技術や活用場面の違いを理解しておく必要があります。

そこで、Apple PayとFeliCaの違いを解説しましょう。

FeliCaは非接触ICカードのプラットフォーム

FeliCaを利用した代表的なサービスに「Suica」があります。2001年からJRで導入されました。いまでは紙の切符が珍しく感じるほどに普及しています。モバイルSuicaの場合、スマートフォンでタッチして改札を通過できるため便利です。コンビニエンスストアでもWAONやnanacoなどのカードにFeliCaの技術が使われています。小銭を出さずにスムーズな買い物ができます(ただし、さまざまな使い方をすると、スマートフォンを紛失したときのショックも倍増ですが)。

おサイフケータイの名前が印象にあり、決済システムのように思われがちですが、FeliCaは決済システムの名称ではありません。ソニーによって開発された非接触型ICカードの通信技術の名称です。このチップをモバイル専用に小型化したものが、いわゆるおサイフケータイのモバイルFeliCaです。

したがって、FeliCaの技術を活用したサービスはおサイフケータイに限りません。たとえば、社員証としてオフィスの入退出時の認証管理にも使われます。あるいはイベントやスポーツ観戦のチケットにも使われています。さらに健康機器や家電と連携させて、IoTツールの一部として利用する可能性もあります。

つまり、非接触ICカードのプラットフォームと考えてよいかもしれません。さまざまな活用方法のひとつとして、おサイフケータイという決済手段がある位置付けです。

またNFC(近距離無線通信)には、世界標準としてType A/Bがありますが、 FeliCaのチップはType Fと呼ばれる日本独自の仕様です。いわば「ガラパゴス規格」といってよいでしょう。通勤ラッシュの自動改札を通過するときに、素早く正確に読み取ることを優先して高速化したことが理由です。しかし、日本独自の事情であるがゆえに、世界標準からは浮いてしまいました。

Apple Payは決済システム

一方、Apple Payは「決済システム」です。クレジットカードを登録して、お店の端末にiPhoneをかざして指紋認証を行うと、簡単に決済ができます。FeliCaは搭載されていませんでしたが、2014年のiPhone 6から利用可能でした。

Apple Payの実用化が日本で遅れた原因は、日本独自のFeliCaの技術が普及していたからです。2000年頃からEdy(現在の楽天Edy)を皮切りに、WAONやnanacoなどが利用されていました。最も大きな理由は、利用頻度の高い鉄道にモバイルFeliCaが使われていたことでしょう。したがって、どんなに世界標準であってもそれ以外の規格は参入が困難でした。

ところが、Apple Payが日本国内で浸透しているFeliCaの技術を採用したことによって、逆に日本の電子決済事情を変える可能性もあります。現状では、NFCによる電子決済のインフラはあまり整備されていませんが、急速に整うようになるかもしれません。

いま日本では、インバウンド需要の獲得が大きな経済の課題となっています。インバウンドとは、日本を訪れる外国人のことです。FeliCa(Type F)はもちろんType A/Bによる決済のインフラが整えば、電子決済に慣れ親しんでいる訪日外国人が商品やサービスを購入しやすくなります。東京オリンピックなどの国際的なイベントに向けて、経済的な効果が見込めます。

フィンテックとともにビジネスチャンスの到来

最近、金融業界とIT業界で盛んに使われている言葉にフィンテック(FinTech)があります。テクノロジによって新たな金融サービスを生み出す動向です。具体的には、電子決済はもちろん、ITによる資産の運用や管理のサポート、仮想通貨の流通などがあります。

Apple Payの上陸もまた、フィンテックの一端を担うことになることは確実です。IT業界においては決済システムの構築など、さまざまな需要と契機が考えられます。日本で爆発的に活用された場合、iPhoneに搭載された日本のガラパゴスの技術FeliCaが逆に世界標準の座を奪うかもしれません。

iPhoneの販売不振のために、日本のおサイフケータイ機能を取り込んで日本のファンに媚びたという見解もあります。しかし、大きなビジネスチャンスとしてとらえてはいかがでしょう。

ビジネスにおいて変化は絶好の機会です。

 

 

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