拡大するサブスクリプションサービスとAppleの展開
インターネット産業の拡大で、様々なサービスをプラットフォームやアプリケーションを通して利用できるようになりました。最近では、サブスクリプションと呼ばれる課金体系のものが増えており、各社サブスクリプションサービスをリリースしています。この流れを受けてIT業界の巨人、Appleもサブスクリプションサービスを展開しています。
サブスクリプションサービス市場の拡大
サブスクリプションサービスとは、月額や年額の一定額の利用料を継続的に課金するサービス体系のことを指します。サービスを提供する企業側には、安定したキャッシュフローを計算できる、ある程度のユーザー数を確保することができる、サーバーの負荷などを予測しやすいなどのメリットがあります。一方、利用者側にも、多くのコンテンツにアクセスできることや、支払いの手間が省ける、売り切りのサービスと比べて毎月少ない負担額で利用できるなどのメリットがあります。このような背景を受け、2000年以降、サブスクリプションサービスは日本市場はもとより、海外の市場でも伸び続けています。サブスクリプションサービスは、動画ストリーミングサービス、ニュースサイト、ブジネス向けサービス、ゲーミングサービスの提供など多岐にわたる分野での利用が期待されています。
Appleが音楽マーケットへサブスクリプションサービスを展開
AppleのiPodやiPhoneの成功は、iTunesという音楽ダウンロードプラットフォームの成功による部分が大きいとも言われています。iTunesの登場によりユーザーは、音楽をデジタルデータで持ち歩くだけではなく、無数のダウンロードコンテンツにアクセスするという選択肢を得ることができました。しかし、ここにきてAppleは、音楽分野においてダウンロード販売からサブスクリプションサービスに本格的に移行するという方向性を示してきています。Appleは、2015年より音楽聴き放題のストリーミングサービス、Apple Musicをリリースしています。Apple Musicの特徴は、なんといってもその価格です。1ヶ月1000円程度で膨大な楽曲にアクセスすることができます。ダウンロードコンテンツの1曲100円程度の価格を考えると、月にアルバム1枚分の負担で加入できるのでヘビーユーザーにとってはお得感のあるものとなります。もちろんApple Musicの売り上げは、既存のiTunesでのダウンロード販売を侵食する形になり、2013年には日本だけで5000億円以上あった市場を放棄する結果となりました。しかし、音楽業界各社は次々とサブスクリプションサービスを展開しており、Appleもその流れに乗った形となります。コアな音楽ファンにとってはたまらないサービスですが、今後の拡大はどのようにライトユーザーを取り込んでいけるかというところになるかもしれません。
全てのサービスをサブスクリプション化を目指すApple
大手ビジネス系ニュースサイトのブルームバーグは、2018年4月にAppleがTextureというニュースサイトを買収し、新たなサブスクリプションサービスを構築していると報じました。Textureは、英語圏のニュースサービスで、100人ほどの社員を抱えており、その中のコアメンバーを雇用しAppleのプロジェクトメンバーとして正式に迎え入れたことがわかっています。そのプロジェクトとは、アメリカなどで公開されているApple News Appのプレミアムサービスとして有料会員向けのニュース配信サービスの展開だと言われています。時期は定かではないですが、2019年ごろのリリースなのではないかと予測されています。このようにAppleは、サブスクリプションサービスのリリースに力を入れており、一部では全てのサービスをサブスクリプションサービス化するのではないかと噂されています。インターネットサービスのサブスクリプションサービスへの移行状況やトレンドを見ると適切な判断といえるかもしれません。数々の革新を起こしてきたAppleだけに今後のサブスクリプションサービス分野での活躍を期待せざるを得ません。
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