約4年ぶりにMacBook Proがリニューアル。でもそれ以外のMacBookシリーズも買い時が来てる
待ちに待ったMacBook Proの新製品が発表されました。
なんと4年4ヶ月ぶりのメジャーアップデートでした。今回発表されたMacBook Proは、ほぼ事前の予想通りTouch Barと呼ばれるタッチパネル式のツールバーが搭載されました。また昨年登場した最新のMacBook(←AirもProもつかないモデル)と同様にUSBポートと電源ポートを完全になくなくし、すべてUSB-Cに統一されました。
大きく変わったのは多分それくらいです。
そう、たったそれくらいしか変化しなかった。
本体が薄くなったり、スペースグレイカラーが加わったり、いちおう時代に即した形でスペックが上がったりしてますが、よく言って「改善」されたという程度の話です。
あーあ、今回こそ買い換えようと思っていたのに…
というMacファンの方、ちょっと視野を広げてみましょう。
Macのノートは、MacBook Proだけではない。MacBookもあるしMacBook Airという超大ヒットモデルもあります。
MacBook Proがアップデートした今こそ、それ以外のMacBookシリーズと比べてみてどれを買うかを決めてみてはどうでしょうか。
では、始めます。
今MacBookの中で一番高いモデルではどれでしょう。
もちろん、コイツ。今回発表された最新型の15インチMacBook Proです。
当然ながら全てのMacBookシリーズの中で最高スペックです。価格は278,800円です。
ノートでその値段は高いなー。そもそも15インチだと持ち歩かないし。
だったらデスクトップ型でいいんじゃない?
と思ったアナタ、それ正解です。
最新型の15インチMacBook Proを遥かに凌ぐスペックのMacは簡単に見つけることができます。
ご存知iMacです。
MacBook Proのスペックを軽く凌ぐ27インチiMacが228,800円で販売されています。
ハイスペックモデルを求めて15インチMacBook Proを検討中で、持ち歩く必要のない人はこちらでいいんじゃないでしょうか。
ところでさらにそれを凌ぐ超ハイスペックモデルといえばMac Proです。
こちらは、ディスプレイやキーボードなしの本体だけで298,800円〜です。さらに最高モデルをBTOで全部盛りしてみると、
878,800円です。誰向けなんでしょうか?さすがに一般ユーザーには過剰スペックでしょう。動画のレンダリングを頻繁に行う映画とかゲーム制作者など、ごく一部のプロのためのMacです。
ちなみにMacBook Pro型落ちモデルも同時に販売しています。
完全なる旧モデルなんですがたったの1万円だけ安い価格でしれっとオフィシャルサイトで販売されてます。
さて、次にMacBookシリーズのエースと言っても過言ではない13インチMacBook Proを見てみましょう。
今回新モデルは3種類が販売されてます。価格も148,800円〜198,800円と、アップルの歴代ノートの標準的な価格です。
アップルは1990年後半から本格的に使えるノートブックを出してます。13インチサイズの中核モデルは大体15万〜20万円で販売し続けていて、多くの他メーカーのノートPCの単価を下げていく中、常に付加価値を保ち、20年以上も同価格帯を維持しているのは素直に凄いと思います。
ところで、よく見ると真ん中と右のモデルの違いはストレージ容量256GBと512GBの違いだけです。しかもたった256GBの違いに2万円の価格差ってボッてねーか?
実は深い理由があるそうです。ここでは詳しくは触れません。(興味ある方はこちらご参考に→MacBook Proのメモリー・ストレージのBTO価格が高い理由)
そして、一番左の148,000円のモデルですが今回数少ない売りの一つTouch Barがついてません。
必要最低限の装備ってことなんんでしょうか。アップルの割には中途半端なことしてるなって思いますが、たぶん何か意図があるんでしょう。学校などに納入する場合とかでしょうか。私にはわかりません。
と、ツッコミどころは多々ありますが、凄いポイントもなければ大きな欠点もなく、だからこそ今までのMacBookユーザーはおそらく色々な理由をひねり出し自分を納得させ、今回のこの13インチモデルを買うことでしょう。
なんせ4年も待たされてましたから。何はともあれプロが買うには最適なモデルですね。
ちなみに、こちらも旧モデル販売してます。
だから、なんえでオフィシャルサイトの同じページに堂々と型落ちを売ってんだよ?
さて、ここからが本題です。MacBook Proっていうのは、その名の通りプロ向けですし、価格もちょっとお高いし、ブランド力があることをいいことに付加価値というかお布施を含めてんじゃないの?
俺はただただスタバでドヤりたいだけなんだ!
そう、そんな冷静なあなたに向けて、ここからがガチに読んで欲しいとこです。
金持ってるアップル信者の言うことことは決して聞いてはいけません。彼らは、お金持っているが故に心に余裕があります。
無邪気に製品の本質だけを語ろうとするからかえって危険です。世の中そんな純粋な思いで成り立ってないのです。ドヤするだけで買いたい輩もいるのです。
と言うわけで、他のMacBookシリーズを見てみましょう。
まずはMacBook Airから。
ほらね。最安が98,800円です。
スタバでドヤドヤできるモデルがこの価格です。個人的にもこのMacBook Airのデザインは普遍的にカッコいいと思ってます。私がよく行く六本木のスタバで一番よく見るマックはこのMacBook Airです。
これぞ買い時です。
ここまでスペックのことをほとんど語りませんでしたが、今時のパソコンでは、例えば学生が普通に使う分にはスペックってほとんど気にしなくていいです。ほぼ全てのことがストレスなくできます。
じゃあプロ向けは何がいいのと言われれば、Mac Proの紹介でも話しましたが動画処理が激速ってだけです。はっきり言って普通の人にはスペック過剰です。動画ばっかり扱わないでしょう。
ところでMacBook Air 11インチモデルはどこ行った?
消滅しました!
そう、今回の MacBook Proのアップデートとともに、11インチのMacBook Airはなくなりました。
でも安心してください。
これはアップルにとってもユーザーにとっても合理的な判断です。
なぜならば、今はAirでもProでもないMacBookがあるからです。
このMacBookのサイズは12インチのみ。でも実は11インチMacBook Airより筐体そももののサイズは小さく、ラインナップ上矛盾が生じていたのです。
今回思い切って11インチサイズを無くしたことで、製品ラインナップがすっきりしました。こういうところが、アップルのアップルらしいところです。
ただしこのMacBookは価格が148,800〜158,800円とちょっと高めです。
このスペックの割には高くないか?
そう、MacBookって他のMacBook ProとかAirと比べるとスペックの割には高いのです。
しかしそれ以外が凄いのです。
キーボードは極限まで薄いし、USB-Cポートはたった1個(デフォルトでは電源とUSBを同時に使用できない)。ディスプレイはRetina。カラーは4色から選べる。
スペックなどに左右されないそこから何かを感じことができる人のみ買うことが許される製品です。
このMacBookこそまさに信者向け仕様の製品なのです。
その洗練され具合は行き過ぎのあまり、一般人に無視され発売当初全く話題になりませんでした。その証拠に今ここでこの製品のことを初めて知った人も多いのではないでしょうか。
Apple信者がオススメするベストMacはこのMacBookだと断言します!
というわけで、ざっと価格を中心に現在のMacBookシリーズを見てみました。
改めて見ると、ここ数年かけてMacBookがプロにも、Mac初心者にも、普通のユーザーにも、そして口うるさいコアなMac信者にも届くような製品ラインナップになっていて、只々驚くばかりです。
ジョブズの時は、凄い製品も出しましたが、思いつきで出したような製品もあり、失敗した製品も多かったです(例:G4 CubeやiPod Hi-Fiなど)。
でもティムクックCEOになってからは、売上を伸ばすということにおいて、失敗はほぼしてないんじゃないかと思います。
例えば、今回、旧モデルをしれっと新製品と同じページで販売してますが、それだって「潔くなくす」と言う虚勢をはるくらいだったら、必要な人だけに気づいてもらって在庫を整理した方がいい、と言う判断なんでしょう。
そう言う意味で、クックのマーケティングの実務能力はジョブズを遥かに超えた天才なんじゃないかと思います。
今回のMacBook Proの新製品発表、ちょっと視点を変えて見るとはなかなか味のある発表会でした。
最後にアップルのノート25年の歴史を振り返る動画を紹介しておきます。
以上
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