ワイヤーフレーム、3D-CADにおける必要性


Webデザイナーにとって、ワイヤーフレームは馴染みの深い言葉でしょう。Webサイトの設計図として重要です。

このワイヤーフレームという用語は、もともとCADや3Dコンピュータグラフィックスの分野で使われていました。ディスプレイ上のアプリケーションで線を結んで、立体的な造形物を設計したものがワイヤーフレームでした。

3Dグラフィックスの黎明期には、現在とは雲泥の差があるほどマシンの性能は低く、処理に時間がかかりました。そこで設計の処理速度を上げるために、針金細工のようにフレームを作り、最後にレンダリングしてプレビューすることが一般的だったのです。当時は簡単な造形物であっても、レンダリングには、とてつもない時間を必要としました。

現在では、CADや3Dグラフィックスの現場で用いられているマシンは高性能です。クアッドコアだけでなくオクタコアのCPUも登場し、大容量のメモリーを搭載、GPUもNVIDIA社のQuadroなど高性能のグラフィック処理が可能なマシンが使われています。

ハードウェアとソフトウェアの進化により、ワイヤーフレームとレンダリング後の立体造形の表示はスムーズに切り換えられるようになりました。それではワイヤーフレームが必要ないか?といえば、そんなことはありません。その必要性を解説します。

3Dモデリングの種類

3D-CADと3D-CGは立体を造形する点では同じですが、厳密にいえば異なります。

多くの場合、3D-CADは設計した造形物を工業製品や建築物として完成させます。一方、3D-CGは立体的なイラスト作成や映画のVFXなどに用いるため、2次元のディスプレイ上で完結します。リアルな製品や建築を目的とした「モノづくり」と「仮想空間のクリエイティブ」という目的の違いがあります。

3Dデータを作成することを「3Dモデリング」といいますが、作成と表示の方法にはワイヤーフレームを含めて以下の4つがあります。

■ワイヤーフレーム
線の情報で表示します。データの処理速度が速いことがメリットですが、立体では見えない面で隠れている線も表示されるため、立体感をつかみにくいことがデメリットです。

■ポリゴン
初期のゲームにも採用されていましたが、三角形や四角形など多角形の集合体で表現します。細分化することによって、滑らかな曲面を表現できます。

■サーフェイス
NURBSという面の情報で表現します。球体や円柱、自由曲線などの作図に優れています。デザイン性の高い3Dデータが作成できますが、工業製品や部品などの設計には向きません。

■ソリッド
点、線、面の幾何情報と、距離や角度など位相の情報で表現されます。正確なデータを作成できるため3D-CADで採用されています。しかし、ポリゴンのような滑らかな表現には向いていません。

これらの4つの作成と表示の方法を切り替えながら、3Dデータを完成させます。

ざっくり違いをまとめてしまうと、ポリゴンは別として、ワイヤーフレームとサーフェイスの違いは「サーフェイスには面の情報がある」ことです。また、サーフェイスとソリッドの違いは「ソリッドには体積の情報もある」ことになります。

ワイヤーフレームで全体を設計、ソリッドなどで細部を詰める

Webサイト制作のワイヤーフレームと同様に、CADの設計においても、まず全体の基本設計をワイヤーフレームで描き、その後、サーフェイスやソリッドで細部を詰めていくことが基本です。曲線の多い部品を設計する場合は、基準となる線や軸をワイヤーフレームで決めて、その軸からの距離を数値で入力して造形することもあります。

また、製品や部品の設計においては、3Dモデルの干渉チェックも重要です。干渉とは、ソリッドで図形と図形を組み合わせたときの重なっている部分のことをいいます。

最近では、プロトタイピングの手法を取り入れて3Dプリンタで試作品を出力することも多くなりました。プロトタイプとはいえ、オブジェクトが干渉している場合、エラーとして出力されないことがあります。また、ソリッドでモデリングしたときには、面に厚みを付ける必要があります。厚みのないオブジェクトは3Dプリンタで出力することは不可能です。

3D-CGクリエイター出身者の中には、画面上で立体に見えれば3Dプリントできると考えるひともいます。しかし、「クラインの壺」のように、現実にはあり得ないデータの作り方になっていると、出力できません。

3D-CADはさまざまな分野で活用されています。しかし、3D-CGのクリエイティブとは異なり、正確なデータを設計することが必要になります。製品自体を3Dプリントする事例も増えましたが、ワイヤーフレームでエッジやコーナーの確認が重要です。

 
 

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