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国宝 松江城においてVR技術を用いた疑似体験とは

皆さんは、島根県松江市殿町にある松江城をご存じでしょうか。松江城は、国宝に認定されており、国宝5城の一つです。そんな松江城が、VRを利用した取り組みを行なっています。今回は、その松江城とVRの取り組みを紹介していきます。

この記事を読んででわかること

・VRとは

・松江城について

・松江城でのVRの取り組みについて

VR(仮想現実)

デジタル技術が発展し、AIや自動運転、VRなど様々な用語を聞く機会が多くなってきていると思います。ここでは、VRの紹介をしていきます。

 VRは「Virtual Reality」の略で、日本語で仮想現実という意味です。専用のゴーグルを使用し、360度映像を映し出すことで、あたかもその空間にいるという感覚を得られるものです。また、VRは視聴するだけではなく、仮想空間を自由に歩き回ることや物を掴むことなども可能です。

VRは、これらの技術を用いて医療や教育、エンターテインメント、ビジネスと様々な場面で活用されています。

ARとの違い

ARは、よくVRと混同してしまう技術の一つです。ARとは「Augmented Reality」の略で、日本語で拡張現実という意味です。実在する風景に、バーチャルの視覚情報を重ねて表示することで、目の前の世界に仮想の空間を拡張します。最近では、スマートフォン向けサービスに活用されているものが増加しており、例としてあげると「ポケモンGO」があります。

VR、ARの違いは、機器を通じて仮想空間の中に利用者がいる感覚ものか、現実世界に仮想のものがあるように見えるかという違いとなる。

松江城とVR

ここから、本題である松江城のVRを活用した取り組みについて紹介していきます。

松江城とは

まずは、国宝 松江城についてです。

松江城は、島根県松江市殿町に築かれた江戸時代の城であり、別名「千鳥城」と呼ばれています。島根県の観光名所であり、松江城の天守は国宝に選ばれています。日本で、天守が国宝に選ばれている城は5つ(姫路城・彦根城・犬山城・松本城・松江城)あり、国宝5城と呼ばれています。

松江城は、全国に12城しか残っていない中の、一つの現存天守であり、慶長16年(1611年)に完成したことがわかっています。そこから壊れることなく現代まで残っていること、特徴的な柱構造などから2015年に国宝に認定されました。

松江城の観光において、おすすめの歩くコースは松江城のホームページに掲載されています。下記のMAPが松江城とその周辺のMAPです。

松江城:https://www.matsue-castle.jp/course/index

松江城 VRの取り組み

松江城では現在、松江歴史館にて2022年11月27日までの期間「国宝松江城天守への登閣を疑似体験!」を行なっています。松江歴史館の場所は上記のMAPの右側の北惣門橋を出たところにあります。

内容は、松江城天守の内部をVR技術で再現しVR専用ゴーグルを装着して見ることが可能というものです。このVRの取り組みは同志社大文化遺産情報科学調査研究センターと市が連携をし制作したものです。地上5階地下1階の天守のうち、1階部分を除いたフロアを全14場面で再現しています。天井付近や地下部分の普段立ち入り出来ないスペースなどの、実際には見ることの出来ない視点から松江城を見ることが可能となります。例えば、天守の最上階から宍道湖の景色を見ることが可能となることや普段は金網が張られており中まで見ることができない地下の井戸を、VRでは見ることが可能となります。*1*2

多くの方に松江城を堪能していただくため

VRを導入するきっかけとなった課題が天守にあります。それは、急な階段があり高齢者や車椅子を利用されている方には登ることが難しい状況となっていることです。また、国宝であることからエレベーターやスロープの設置などのバリアフリー化と、容易に手を加えることができないため、高齢者などの登るのが困難な方でも松江城を堪能していただく事を目的として、VRを導入することとなりました。

このVR導入について、松江市の上定市長は、「VRの技術を用いて、どんな人でものぼることができるので、市にとって大きなステップになる」と期待を示しました。*2

VR導入により、高齢者や車椅子を利用される方、それ以外の多くの方にも実際に行くだけではなく、VRを通して松江城の体験を提供しています。また、車椅子の方は普段見れないような景色や覗き込めないような場所もVRであれば、コントローラーで移動が可能となり、体験することが可能となりました。よって、「体の不自由により松江城を堪能することが難しい」という課題をVR導入によって解決することが出来ています。

NHK NEWS WEBにて、実際にVRを体験している様子と感想を話している動画が公開されており、体験者の中には車椅子の方もおり、動画内で「実際に登ることはできないですけど、車椅子に乗ったままでも楽しめました。」感想を述べています。

下記のリンクが、動画のあるNHK NEWS WEBの記事ですので、ぜひご覧になってください。*2

体の不自由な人でも VRで松江城の天守を疑似体験

今後の展望としては、松江城だけではなく市内の史跡などでも導入できるようにしていくとしています。

ストリートミュージアム®による松江城VR/AR

実は、以前にも松江城ではVR/ARが導入されていました。凸版印刷株式会社と山陰中央テレビジョン株式会社、株式会社山陰中央新報社の3社共同で「国宝松江城・城下町AR・VR」を製作され、凸版印刷株式会社が2016年より展開している体験型VR観光アプリ「ストリートミュージアム®」にて2020年3月27日より公開されました。

コンテンツとしては、松江城の「大手門」と天守最上階「天狗の間」からみた江戸末期の「水都 松江」の姿を楽しめるVRコンテンツと、スマートフォンなどのタブレットを用いて、松江城にかざすことで内部構造を鑑賞できるARコンテンツがあります。他にも、「鷹の爪」の作者であるFROGMANが松江市の観光大使に就任したことをきっかけに誕生した「松江の吉田くん」が多言語解説してくれるコンテンツがあります。*3*4

「国宝松江城・城下町AR・VR」を製作した理由として、松江城は建築的特徴や歴史的価値について、正しく深い情報を来訪者に伝えることで、文化財として、国宝としての保存と観光における活用の両立を進めていくために、VR/AR技術を用いたコンテンツの提供をすることとしています。

まとめ

今回は、松江城でVR/AR技術を用いて取り組まれていることについて紹介しました。メインで紹介したVR技術を用いて松江城天守を体験というものと、以前に行われていたとされるストリートミュージアム®によるVR/ARコンテンツでは、内容もきっかけも違っていることがわかると思います。しかし、どちらにも共通していることとして、VR/AR技術を通して松江城の魅力を幅広く多くの方に感じてもらいたいということです。

今回メインで紹介した松江歴史館で行われている、松江城のVR体験は2022年11月27日まで開催されていますので、ぜひ体験してみてください。

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参考:
松江城, https://www.matsue-castle.jp/highlight/index
松江城, https://www.matsue-castle.jp/course/index
*1:読売新聞オンライン, https://www.yomiuri.co.jp/local/shimane/news/20220828-OYTNT50065/
*2:NHK NEWS WEB, https://www3.nhk.or.jp/lnews/matsue/20220809/4030013466.html
*3:TOPPAN, https://www.toppan.co.jp/news/2020/06/newsrelease200616.html
*4:吉田の松江大作戦, https://xn--u9j429qiq1a.jp/matsue/about/

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