Google playの審査はアップルに比べて本当にユルいのか
スマホアプリを作って最終的にユーザーに使ってもらうためには、アプリの審査を通過する必要があります。この審査はAndroidアプリであればグーグルの審査、iPhoneアプリであればアップルの審査が必要となりますが、判断の基準は一般的にはグーグルの審査のほうがユルイと言われています。
はたして実情はどうなのでしょうか?
AndroidアプリもiPhoneアプリも審査の本質的な部分は共通
アプリ審査の本質的な部分ではAndroidアプリの審査もiPhoneアプリの審査も共通しています。まず両方のアプリに欠かせない審査基準を見てみましょう。
Android/iPhoneアプリ共通のリジェクト理由
■アプリを操作する上で障害となるクラッシュやバグがある
■画像やリンクに不備がある
■18禁的な過激な性的要素が含まれている
■暴力的・反社会的な行動、感情を煽るような要素が含まれている
■アプリそのものに欠陥はないがアプリ説明に問題がある
こうした場合には、ユルイと言われるAndroidでもリジェクトになりますので、あらかじめ念頭に置いて開発をすすめることが大切です。
Androidアプリも審査が年々厳しくなってきている
今見てきたような、いわば公序良俗を遵守した常識的な線を越えなければ、Androidアプリの審査は確かにユルイという印象がありました。
しかし、若年層やネットに詳しくないユーザーに対して好ましくないアプリについてはAndroidも審査を厳格に行うようになってきています。
まず2011年に「Bouncer」という自動マルウェア対策システムを導入しています。「Bouncer」はAndroid マーケットを自動的にスキャンして悪意を持ったウイルスなどが仕組まれたアプリを自動的に排除します。このシステムの導入によって40%のアプリが公開前に自動的に排除されています。
またあまり公に実態は知られていませんが、技術的な審査面だけでなくアップル同様、人的な監視によって問題のあるアプリをリジェクトする体制を持っています。先程あげた公序良俗に違反するようなアプリがリジェクト対象になることは、Google Playのデベロッパー ポリシー センターにある「デベロッパー プログラム ポリシー」 に記載されています。
通常、Androidのアプリ審査がユルイと言われるのは、「デベロッパー プログラム ポリシー」に合致しているかを審査するシステムを実際にGoogleが稼働させていることがあまり知られていないことによります。実際には、グーグルは審査に数日間や数週間掛かるApp Store以上に迅速に(約数時間)審査するチームを動かしています。
We value the rapid innovation and iteration that is unique to Google Play, and will continue to help developers get their products to market within a matter of hours after submission, rather than days or weeks.
Android Developers Blog https://goo.gl/kYXMRW
【日本語訳】
グーグルは、Google Playの持ち味であるスピード感のある技術革新の反復を大切にしているので、審査にかかる期間を数日とか数週間といった単位ではなく、提出後数時間以内に製品を市場に投入できるようずっとサポートしています。
Androidの開発者公式ブログにこのように記載されていることは、英語ということもあり日本人にはあまり知られていません。しかし、明確に数時間以内に審査しているということをアナウンスしていることからも分かるように、「Androidアプリの審査はユルイ」というのはまったくの誤解だと言えるでしょう。
また、性的な表現や暴力表現に関してもAndroidアプリはiPhoneアプリほど厳しくない、というのも誤解、もしくは過去の話だと思ったほうが良いでしょう。グーグルはアプリ上のそうした好ましくない表現について国際的な評価の適切さを判断するシステムを導入しています。
ある国にとっては性的な対象としてあまり意識されないものも、他の国では非常にデリケートな問題である、ということについてもグーグルはきちんと審査をしていく方針を明確に打ち出していますので、日本の基準では問題とならない性的なジョークでも、リジェクトされてしまうということは十分にありえます。
審査がゆるいからとりあえずAndroidで出しておこう・・・という思い込みはもはや過去の話になっていることを、スマホアプリ開発者は念頭に置いておく必要があります。
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