VR市場を成長させる3つのキーワード


VR元年と呼ばれた2016年から2017年にかけて、相次いでVR関連のハードウェアが発売されました。コンテンツも拡充しています。AR(拡張現実)の市場も伸びつつあります。IT専門の調査会社IDC Japan株式会社によると、VRとARの世界市場の規模は、2021年には約23兆6500億円になるという予測です。

また、VR市場を成長させるキーワードとして「ハードウェア」「プラットフォーム」「コンテンツ」の3つが重要であることが指摘されています。そこで、IDC Japan株式会社のAR/VR市場動向に関する調査に基づいて、3つの観点からVR市場の現状と今後どのように拡大していくのか探ります。

参考:ARは市場のゲームチェンジャー、日本市場は成長性に懸念

 

 

ハードウェア:ケーブル型が増加、今後はスタンドアロン型へ

 

2017年第2四半期時点では、VRのハードウェア種別として、スマートフォンをHMDにはめ込む「スクリーンレス型」が全体の54%、PCとケーブルで接続する「ケーブル型」が全体の42%、残りが「スタンドアロン型」という市場シェアです。前四半期と比べてスクリーンレス型の市場規模が9%縮小した一方、ケーブル型のシェアが増加しました。

スクリーンレス型のトップシェアはサムスン電子で50%を占めています。「Gear VR」はコントローラーが付属し、トリガーボタンやタッチパッドでゲームのリモコン操作が可能な製品です。シェア2位は中国に本社を置くTCLの「Alcatel」、3位は「Cardboar」のGoogle社となっています。

ケーブル型では、ソニーの「PlayStation VR(PS VR)」が58%で王座を獲得。2位はFacebook傘下Oculus社の「Oculus Rift」が28%、3位はHTC社の「HTC Vive」が11%です。Oculus Riftは価格を下げることによってシェアを拡大しました。

スタンドアロン型は、現状ではシェアがほとんどない状態ですが、これから2021年に向けて急成長すると予測されています。HTCでは11月14日(米国時間)にスタンドアロン型の「Vive Focus」を発表しました。トラッキング用の外部カメラを設置せずにVRを体験できます。

当初VRはスマートフォンを使った手軽に楽しめる入門編がメインでしたが、最近ではPCと接続して楽しめる製品が増加し、今後はさらに単独で機能するガジェットに進化するロードマップが描けそうです。

 

 

プラットフォーム:Google Daydreamにも期待

 

VRのプラットフォームのうちコンテンツを販売・配信するストアとしては、PCのWindows Store、Android用のスマートフォンやタブレットとしてGooglePlay、ゲーム機のPS4としてPlayStation Storeがあります。

ほかにもOculus社によるOculus Store、HTCによるVive専用のVive Portなどが開設されています。世界最大のPCのゲーム用オンラインストアもSteamVRによって、VR専用のソフトを取り扱っています。

2016年にGoogle社は、AndroidのためのVRプラットフォーム「Daydream」を開発しました。Daydream 対応のヘッドセットやスマートフォンを使うと、高品質なVRを体験できます。新型のHMD「Daydream View」の発売が期待されています。HTCからもDaydreamに対応したスタンドアロン型HMDが発売される予定でしたが、現時点ではその計画はないことが報道されました。

WebブラウザのFirefoxを開発しているMozilla社では、11月20日にブラウザ上で動作するVRソーシャルコンテンツの開発環境を発表しました。HMDに依存するVR開発環境と比較すると、費用を抑えてクロスプラットフォームで展開できるコンテンツの開発が可能になります。

参考:Enabling the Social 3D Web(英語)

ハードウェアが増えても、さまざまなコンテンツを開発し、提供するプラットフォームが充実しなければ市場は拡大しません。プラットフォームの充実もVR市場の成長には欠かせないものといえます。

 

 

増加し続けるVRコンテンツと広告展開

 

VRのコンテンツ開発が注目され、特にマルチプラットフォーム対応のUnityによるコンテンツが増加しています。現状はゲームコンテンツが主流ですが、今後はビジネス分野でも活用されることでしょう。

たとえば、スーパーハイビジョンテレビと同等の8K(7680×4320ピクセル)のVR動画によって、360度の映像を精細に再生できます。ゲームだけでなく、旅行業界、不動産業界、イベント業界などにおける可能性が考えられます。3D CADをVRに取り込むことで、建築や自動車などの設計で実寸による体験をしながら、デザインすることも可能になります。

VRコンテンツに広告を配信する試みも始まっています。Google社では社内インキュベーションから「Advr」というプロジェクトを立ち上げました。VR環境で動画を再生するUnityによるプラグインを開発し、VR内の立方体をタップしたり見つめたりすると動画再生プレイヤーが表示される仕組みです。

VR市場が成長するためには、ハードウェアとソフトウェアの両面から投資と開発が重要になります。加えて新しもの好きのイノベーターだけでなく、一般的な消費者にも普及する「キャズム(溝)」を超える必要があるかもしれません。


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