VRとは「仮想」、ARとは「拡張」、新たな現実の可能性


「仮想現実」のVR、「拡張現実」のAR。これらの言葉は、一般に普及しつつあります。家電量販店にもVR用のゴーグルコーナーができるようになりました。しかしながら、2つの用語を混乱して使っている人も多いのではないでしょうか。

もちろん、用語の定義にこだわることは不毛かもしれません。なぜなら技術は進化し、進化に合わせてテクニカルターム(技術用語)やトレンドは変わっていくからです。

しかし、あえて「仮想とは何か?」「拡張とは何か?」ということにこだわると、その先に拡がる産業の可能性も明確になります。あらためてVRとARの違いについて考えてみました。

 

 

仮想とは何か

 

「仮想」は英語で「virtual」です。これに現実(reality)が付加されたものが仮想現実、つまりバーチャル・リアリティ(virtual reality)になります。

最近、IT関連では、仮想という言葉を使う技術が増えました。たとえば注目されているビットコインなど「仮想通貨」もそのひとつ。仮想通貨は紙幣や硬貨のように手で触ることができませんが、経済価値として将来性が期待されています。

物理的なサーバーを使わない「サーバー仮想化」もクラウドでは欠かせない技術です。仮想ゆえに物理的なスペースを占有しません。必要に合わせてフレキシブルにインスタンスを増減できます。

実体のある「物体」に対して「実体がないもの」を指しているのが仮想です。実体といってもビットとしてデジタルの世界には存在しているのですが、アトム(原子)ではないということです。VR用触覚グローブも開発され、擬似的に仮想世界を触れられるような研究開発が進んでいます。

 

 

VR(仮想現実)が生み出す産業的機会

 

VRは基本的に「デジタルで閉ざされた世界」と考えるとよいでしょう。RPG(ロールプレイングゲーム)は仮想現実です。ただ、その仮想現実内でプレイヤーとコミュニケーションすることは可能で、その世界で通用する通貨があり、アバターによる自分はレベルアップや成長をしていきます。

かつて、2003年以降に「セカンドライフ」という仮想現実の3D-CGで構築された世界が注目されたことがありました。仮想的に構築された世界で土地を買い、自分のアバターを作り、アバター同士はテキストだけでなくボイスチャットでコミュニケーションすることが可能でした。

この仮想現実に注目した一流企業が土地を買い占めてイベントを行ったり、広告代理店が参入して仮想空間に広告を出したり、クリエイターがプログラムを組んだりデザインしたりコンテンツを制作して販売したり、仮想空間のビジネスが生まれました。

驚くべきことに現在もセカンドライフは存続しているようですが、やや時代を先取りし過ぎた印象は否めません。今後は、さまざまなVRが登場する可能性があります。また視覚だけでなく、VR用触覚グローブによる触感、聴覚、嗅覚など、五感を再現したエンターテイメントとしての発展性が考えられます。

 

 

拡張とは何か

 

拡張現実は英語で「Augmented Reality」ですが、シンプルに考えてしまえば「現実+仮想現実あるいは現実に付帯する情報の可視化」といえるのではないでしょうか。そして現実に続く後半部分が「拡張」される部分です。

たとえば、目の前にレモンがあったとします。視覚的にレモンは見えますが、その果物のカロリーがどれぐらいで産地はどこか、ということは分かりません。このような付帯情報を現実に重ね合わせて視覚的に見せることが、現実を「拡張」することです。

デヴィッド・フィンチャー監督に『ファイト・クラブ』という映画があります。その中でエドワート・ノートン演じる主人公が通販カタログで購入した家具に、すべて引出線が出て、説明が表示されるシーンがあります。これは拡張現実的な演出といえるでしょう。

『ポケモンGO』もVRというよりARのゲームです。カメラで撮影した現実に「そこに在るはずのない仮想的なフィクションや情報」を加えることで、現実を拡張します。

 

 

AR(拡張現実)が生み出す産業的機会

 

VRが閉じた世界に対して、ARは現実に重ね合わせる開かれた世界です。2020年に東京オリンピックが行われますが、カメラをかざすと観光情報が表示されるARアプリがあれば、インバウンド需要の獲得に重要な役目を果たすでしょう。

また、医療の現場では3Dでモデリングした患部やリアルタイムによる病状の変化を眼鏡に投影することで、手術がしやすくなるかもしれません。流通業界では、家具を購入する前に部屋にテーブルや椅子を原寸で配置して確認できれば、サイズが合わなくて返品するようなことはなくなります。

 

 

市場はARに推移、しかしVRにも商機はあるのでは

 

調査会社IDCの予測によると、2021年にはARがVRを上回ると言われています。というのは、ARは製造業をはじめ産業分野の利用価値が高いからです。しかし、際限のない仮想空間を使ったVRにも、エンターテイメントとしてのビジネスチャンスが考えられそうです。


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