一体誰が必要としているのか?iMac Proという謎の最強Mac。


今から約20年ほど前。

 

アップルに復帰したばかりのスティーブジョブズは、ある会議でその後のアップルの戦略を決定づけるとても重要なことを指示しました。

 

「もういい!」

全社的な製品戦略のセッションだった。

「あまりにバカげている」

マーカーを手にするとホワイトボードのところへゆき、大きく「田」の字を描く。

「我々が必要とするのはこれだけだ」

そう言いながら、升目の上には「消費者」「プロ」、左側には「デスクトップ」「ポータブル」と書き込む。各分野ごとにひとつずつ、合計4種類のすごい製品を作れ、それが君たちの仕事だとジョブズは宣言した。

 

参照:ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズⅡ』

 

ジョブズが描いた表は、通称(2×2)マトリックスと呼ばれる、一種の思考法のようなものです。

2つの異なる要素を縦軸と横軸に設定することで、一見ごちゃごちゃしている事象が4パターンに分けられ、見通しがつけやすくなります。

 

ジョブズが復帰したばかりのアップルは、10年間で3人のCEOが次々に変わったことからもわかるように混乱を極めていました。ブランド力こそあったものの、内部では方向性を見失い商品ラインナップがめちゃくちゃなっていたのです。

財務状況もほぼ瀕死状態で、ジョブズ復帰前の経営陣はどこに身売りをするかを真剣に考えていたそうです。

 

そこに、やる気満々のジョブズが復帰し、最初に指示したのが上記の製品ライナップの整理でした。

 

いま一度、ジョブズが考えたマトリックスを図でみてみましょう。

 

①プロ向けデスクトップ Power Mac(現 Mac Pro)

②プロ向けポータブル Power Book(現 MacBook Pro)

③一般向けポータブル iBook(現 MacBookおよびAir)

④一般向けデスクトップ iMac

 

驚くべきは、20年前にジョブズが考えたこのマトリックスの製品ラインナップを「完璧」にリリースしただけにとどまらず、その全てのカテゴリーで大成功を収めことです。

 

 

まず最初に成功したのは、「一般向けデスクトップ」カテゴリーのiMacです。

1997年に初披露されたボンダイブルーの半透明ケースに包まれたモニタ一体型のiMacは、それまで「おしゃれ」とはほど遠かったパソコンのデザインに衝撃を与えました。

また、その外観のおしゃれさだけでなく、アップルらしい操作の簡素さを備え、大ヒットモデルとなりました。

そして、それは瀕死だったAppleを救うことになったのでした。

(写真:初代iMac wikipedia

 

半透明ケースのデザインは「一般消費者向けノートブック」カテゴリーのiBookにも引き継がれました。

(写真:初代iBook wikipedia

iMacほどのヒットにはなりませんでしたが、やがてそれはMacBookシリーズへと進化し、特に2008年にリリースされたMacBook Airは大ヒットモデルとなりました。それはノートパソコン業界の標準を作ってしまうほどのインパクトがありました。

 

ここ数年でアップル製品を使い始めた人は、その存在すら知らないかもしれないですが冒頭に紹介したジョブズが描いたマトリックスで、当時最も需要があったのは「プロ向けデスクトップ」カテゴリーでした。

なぜならば、ジョブズが復帰した頃のDTP、映像、音楽業界などクリエイティブ業界では、ほぼMacで占められていたからです。そのような業界のオフィスには、30万〜50万円ほどのするPower Macintoshと呼ばれるデスクトップが導入されていました。

ジョブズ復帰後に、Power Macintosh G3さらにPower Mac G4が続々とリリースされ、それらはその業界の人たちに売れまくったのです。

(写真:Power Macintosh G3 wikipedia

 

 

最後に紹介するのは「プロ向けノートブック」カテゴリーです。このカテゴリーに属すPowerBookは、当時スペックの低さからプロからは敬遠されていました。用途としては、良く言ってデスクトップ型のサブマシンとしての位置付けでした。

(写真:PowerBook G4 wikipedia

ノートがプロ向けに耐えられるようになったのは、Power Bookシリーズ最後期のPower BookG4からMacBook Proへと移行した10年ほど前からです。

しかし、逆に言うとそれ以来プロ向けデスクトップは需要が大幅に減ってきていて、現在その存在意義そのものが急激に低くなっているのです。

現在では、プロでも、デスクトップ型のMac Proよりも、ノートブックのMacBook Proを選択する人の方が圧倒的に多いです。

 

そもそも、現プロ向けデスクトップマシンであるMac Proを知っている人って少ないんじゃないかなって思います。

 

 

まあ、しょうがないかなって思ってたのですが、なななんとここに来て、アップルは斜め上からの製品をリリースしました。

 

その名も「iMac Pro」

 

iMacは、上記の一般消費者向けの象徴のような製品でした。それが今回、iMacにプロ向けスペックをフル装備でのっけてきたのです。

これにはびっくりです。

なんせ、そもそもプロが敢えてデスクトップ型(Mac Pro)を選ぶ最大の理由は、使用用途に合わせてカスタマイズができることなのです。でも、iMacはビルトイン方式なので注文後のカスマイズ不可で拡張性はありません。

 

とはいえ、現段階ではiMac ProはMac史上最強スペックです。

アップル新型iMac Proが達成した巨大な進化、動画編集も爆速(フォーブスジャパン)

 

Apple HPより参照)

 

とりあえずは、なりふりかまわずとにかくハイスペックなMacが欲しかった人には、大変満足できるスペックにはなっています。

 

でも、これ本当に必要な製品だったのか?

ほとんどの人が現状の製品にMacに満足しているのも事実で、一体どのような人たちが必要としているのか?

 

こんな人です

お前ただの金持ちやんけ!

 

 

 

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