Appleのマイフォトストリームが終了！データのバックアップは済んでいますか？

2024.01.25

投稿者: chiebo

iPhone以外にAppleのデバイスを持っている方であれば、非常に便利だったマイフォトストリーム。利用していた方も多いのではないでしょうか。しかし残念なことに2023年7月26日にそのサービスは停止されてしまいました。
皆さんはマイフォトストリームの写真のバックアップは済ませましたか？今回はこの話題について取り上げていきましょう。

この記事でわかること
　・マイフォトストリームのサービスについて
　・バックアップを忘れても大丈夫なのか
　・マイフォトストリームに変わるサービス

マイフォトストリームとはどんなサービスだったのか

Appleのデバイスで写真を保存すると、自動的にクラウド上にアップロードされ、同じApple IDを登録している他のAppleデバイスでも共有できる。簡単にいうとそれがマイフォトストリームの機能です。

無料で利用できることは大変ありがたいのですが、若干の制約が付けられていました。
アップロードできる画像は約1,000枚。さらにアップロード後、30日でクラウド上から自動で削除されてしまいます。

このため、恒常的に使えるストックサービスではなく、他のデバイスと共有するための一時的なストレージと捉えた方が良いサービスです。しかし、iCloudストレージとは別に運用しているため、容量を圧迫することはありませんでした。

また、時間ごとや日数ごとにもアップロード制限があります。

　・1時間ごとにアップロードできる枚数：1000枚
　・1日ごとにアップロードできる枚数：　1万枚
　・1カ月ごとにアップロードできる枚数：2万5000枚

最初に説明した「1,000枚」の制限を超えた部分については、過去の画像から順番に削除され、入れ替えるような運用です。そのため、1ヶ月で2万5000枚をアップロードした場合でも、クラウド上に残るのは直近の約1,000枚だけです。

マイフォトストリームは、iPhoneで撮影した画像をMacで編集したいと思ったとき、「あまり意識せず、自動で使える共有サービス」としてとても便利でした。
しかしAppleは、2023年7月にこのサービスを完全に停止させました。以前は各デバイスの写真アプリからマイフォトストリームにアクセスできていましたが、現在（2023年12月時点）では表示すらされなくなっています。さらに、iCoud上からも写真は削除されています。

私はiPhoneとMacユーザーですが、実を言うとマイフォトストリームはあまり活用していませんでした。必要があれば、AirDropを使っています。
手動で共有する画像を選択するのはやや手間がかかりますが、共有したいデータが写真だけとは限らないため、自由度が高いのはAirDropの方です。

画像と動画で複数のサービスを使い分けるよりは、心理的な負担が少なくて良いと感じていましたので、AirDropを使っていました。
ただしこのような感覚は人によって異なるでしょうから、マイフォトストリームの停止でショックを受けている方も多いのではないかと思います。*注1

「バックアップを忘れてた！」でも、多分大丈夫

あまりマイフォトストリームを使っていなかったため、終了のお知らせは知っていたものの、気がついたらアクセスできなくなっていた。。。この記事の読者の中にも、そんな方がいるのではないでしょうか？

すでにiCloud上のデータは失われていますので、今更どうこうすることはできません。
しかし、心配は不要です。マイフォトストリームでiCloud上にあった画像データは、最低ひとつのデバイスと同期しています。そのためiCloud上のデータは失われても、同期していたデバイスにはデータが残っていることになります。
データが永遠に紛失してしまい、二度と手に入らなくなった。そんな事態になることはありません。
　
マイフォトストリームのサービス停止で困ることはひとつだけです。「簡単に複数のAppleデバイスで画像データを共有する方法が失われた」ことです。

しかし、前述したようにAirDropを使うなど、他にも方法はあります。現在、Appleが推しているのはiCloudを活用する方法です。iCloudは無料でも利用できますが、日常的に増加する写真データに対応するには、ある程度の容量が必要となります。
iCloudを安心して使うためには、有料サブスクを選択せざるを得ない、というのが実情でしょう。

マイフォトストリームに変わるサービス「iCloud」

iCloudの料金体系は次のようになっています。

　・50GB 130円/月
　・200GB 400円/月
　・2TB 1300円/月

Google Driveの時もそうでしたが、今までマイフォトストリームを使って、無料で出来ていたことが、iCloudで有料に変わるとちょっと損した気分になります。
サブスクとは言ってもいろいろと契約していくと、月の支払いがどんどん積み上がりますので、よく考えて取捨選択しなくてはいけません。

Appleがマイフォトストリームを終了させたのは、ユーザーをiCloudに誘導するのが目的では無いかと考えられます。クラウドの便利さを無料で体験させ、最終的には課金へ導いていく。私たちはできるだけ賢く、多くのサービスの中から選択していく必要があります。

iCloudはマイフォトストリームとどんな違いがあるのでしょうか。

まずiCloudに保存できるデータは、画像だけに限定されず幅広い形式に対応しています。HEIF・JPEG・RAW・PNG・GIF・TIFF・HEVC・MP4をはじめとして、スローモーション、タイムラプス、4K解像度の動画などの形式もサポートされており、使い勝手はかなり向上しています。

しかも撮影した時の解像度のままで保存されるため、高解像度データをデバイス間で共有することが可能です。さらに「1,000枚まで」や「30日で削除」などの制約もありません。契約している容量の範囲であれば、ずっとクラウド上にデータが保管されます。
マイフォトストリームがあくまでも一時保管だったのに比較して、ずっと使えるストレージという位置付けです。

悩ましいのは契約をどうするかでしょう。

iCloudは画像以外のデータ保管用にも使われているため、写真や動画だけで容量を圧迫すると、不便になるのは間違いありません。
しかし、iPhoneのようなデバイスとiCloudを同期すると、日々撮影した写真が自動的にアップロードされてしまうため、気がついたら容量がオーバーしてしまう、ということにもなりかねません。
　
また、iCloud上のデータを削除すると、同期したデバイス上からもデータが削除されてしまうため注意が必要です。一定期間（30日間）であれば復旧することもできますが、うっかりすると永遠にデータが失われてしまいます。

　私のように、個別の画像データをiPhoneとMacで共有するだけなら、AirDropでも十分です。手動で選択する必要はありますが、データの紛失などを気にしないで良いため、気楽に利用できます。
しかし趣味だけでなく、仕事でも画像を共有する必要があるような方は、何かしらの有料ストレージサービスを選択せざるを得ないでしょう。Google Driveも、一定の容量までは無料でデータ共有ができますが、iCloudと比較して特に優劣はありません。
　
日々増加する画像データをどうするかについては、常に頭の痛いところです。
実際個人ユースであれば、一番手っ取り早いのは「できるだけストレージの大きいデバイスを購入すること」ではないでしょうか。

デジタル写真が一般に普及する黎明期から、Apple製品と付き合っている私は、ローカルやクラウドなど、あれこれ保管場所を試してきましたが。しかし最終的には「容量の大きいスマホが正義」という、非常につまらない結論に辿り着きました。

近年では、CDやDVDなどは再生環境すらなくなりつつあり、選択肢から外れます。さらにクラウドは無料サービスが修了していくため、永遠に月額課金を負担することになってしまいます。気軽に写真や動画が撮れる時代になりましたが、その保存と共有方法については、利便性とコストを考えながら選択しなければいけません。

【まとめ】
日々増加するデータをどうやって保管するか。異なるデバイス間でのデータ共有をどうするか。このことは、デジタル社会の初期から続く永遠のテーマではないでしょうか。
私が随分昔に、カシオのQV-10で撮影した海外旅行の写真は、いつの間にかどこかで失われてしまいました。多分、どこかの時点でCD化してたのを無くしてしまったのでしょう。
今も昔も大切な写真の保管方法には気を遣いたいものです。