音声検索に対する意識を性別世代で比較する
音声検索は、これまでのパソコンの検索そのものを根本から変えてしまう印象があります。iPhoneのSiriをはじめとしてGoogleアシスタントなど、スマートフォン端末の機能のひとつですが、一種のパートナー的な存在です。
人間にとって「声で尋ねる」ことは自然な行為ではないでしょうか。音声検索になれると、キーボードを使ってテキストで検索することが不自然のように感じられます。知りたいことがあったとき、「あのさ、あの店どこだっけ?」と家族や友人に尋ねることは物事を知る基本であり、音声検索はそのコミュニケーションに近いといえます。ただ、従来に比べるとなめらかな発話になりましたが、まだ合成音声の印象は否めません。
KDDIでは、音声検索に関する調査を行っています。調査は全国の15歳から69歳の男女に対して、2017年9月7日〜9月8日に行われたものです。有効回答数は1,000件で、男性、女性、世代で均等になるように割り付けられています。この調査をもとに考察しました。
音声検索は「恥ずかしい」
調査結果から、外出先など人前で音声検索を行うのは「恥ずかしい」回答が全体で71.1%(「非常にそう思う」「ややそう思う」の合計)となりました。「非常にそう思う」という解答は33.6%です。3割強の人々は音声検索に恥ずかしさを感じています。
男女別では、男性(n=500)の回答が67.6%に対して、女性は74.6%で、女性の方が音声検索を恥ずかしいと感じて抵抗があるようです。特に30代女性(n=83)は81.9%で、あらゆる世代の中で唯一8割を超えました。逆に、あまり恥ずかしいと感じないのは50代男性(n=84)です。老眼が始まる世代でもあり、画面が見えにくくなるため、テキストで検索するより音声で検索した方が早いのかもしれません。
女性はハンズフリー通話に対しても、71.0%が「恥ずかしい(「非常にそう思う」「ややそう思う」の合計)」と回答しています。外出先のスマートフォンによる通話にためらいがあるようです。したがって音声検索をする場所は、回答者全体のうち30.4%が自宅で、外出先の22.1%よりも多くなっています。
「近くのトイレはどこ?」という緊急事態の音声検索は聞かれたくないものですよね。そんな恥ずかしさに対する改良の必要性を先取りしたのか、AppleではSiriがささやき声を理解し、ささやき返す特許を出願しています。ユーザーの声の大きさ、周波数からトーンを区別し、そのトーンに合わせてささやき返すようです。
ささやき声のSiriも魅力的だと思いませんか?
参考(英語):
Apple Patent: WHISPERED SPEECH
主に「インターネット検索」で利用、忖度してほしい10代
自宅で音声で検索する内容は「インターネット検索」14.2%、「地図の検索」10.7%、「天気予報の確認」9.8%でした。パソコンでも可能なことですが、スマートフォンを用いているようです。
ただ、検索結果を文字で読むことが面倒と感じている回答が33.2%あります。確かに音声で検索して結果が文字で表示されるより、音声で回答してもらった方が楽です。検索よりも人に聞いた方が楽という回答も37.2%ありました。
特に20代男性(n=83)は、文字情報で読むのが面倒、人に聞く方が楽という回答が、ともに43.4%。KDDIのレポートでは、20代男性は「”検索する”というよりも”自然に問い掛ける”という感覚を好む人が多い」と分析しています。
音声アシスタントに求めることは、10代では「私の好みを学習して」「忖度して」「聞き上手になって」と人工知能に学習を求める声が多くありました。年齢の高い世代が検索という機能重視であるのに対して、10代は検索を含めて友達感覚で音声アシスタントとの会話を楽しみたいようです。
そんな人工知能の教師として、会話のセンスを学んでほしい人物のトップはマツコ・デラックスさんが19.8%。毒舌でありながら信念を曲げず、時折みせるやさしさに魅力を感じるのでしょう。
ボイスは福山雅治さん、新垣結衣さん、ドラえもんで
音声アシスタントのボイスを変えられるとしたら、誰がいいかという設問に対しては、回答数が少数とはいえ、男性有名人は福山雅治さん、女性有名人は新垣結衣さん、キャラクターはドラえもんでした。
ドラえもんにトイレの場所を教えてもらうのはいかがなものか、という気がしますが(というより、音声検索はトイレを検索するためだけのものではありませんが)、キャラクターを変更できれば音声検索も楽しそうです。
株式会社キャパでは、アプリの企画・開発についてご相談を承っています。
アプリを作りたいので、具体的な提案が欲しい。頭の中にあるアイデアを本当に実現できるのか知りたい。予算内に収まるのか?
などのお客様のご相談に、親身に応じます。
アプリ開発:実績のご紹介