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AppleのA14 Bionicチップの特長|省電力と高性能を両立

Appleでは、新型のiPhone 12シリーズやiPad Airに、A14というチップを採用しました。
このA14チップは、Appleが独自に開発したもので、台湾のTSMCが製造を委託されています。
「A14チップって何がすごいの?」
「Appleっていつから独自のチップを開発しているの?」
という方に向けて、本記事ではA14の特長やAppleのチップの歴史などを紹介します。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①AppleのA14チップの特長
②Appleの独自チップの歴史
③Macでも独自チップを採用したAppleの今後

最後には新しく発表された「Appleシリコン」についても紹介しているので、参考にしてください。

AppleのA14 Bionicチップとは*1~*6

出典:Apple

はじめに、A14チップの概要と特長を紹介していきます。

新型iPad Air・iPhone 12シリーズに搭載のチップ

A14 Bionicチップとは、iPad Airの2020年モデルと、iPhone 12シリーズに搭載されたチップのことです。
Appleが作っている独自のチップで、毎年新しい世代のものへとバージョンアップしています。

特長①:毎秒11兆回の演算が可能になり機械学習が2倍高速化

A14チップの一番の特長は、毎秒11兆回にも及ぶ演算が可能な点です。
高速演算が可能になったことで、機械学習が2倍高速化されました。
チップの高速化により、機械学習を画像処理などにも利用することが可能となったため、iPhone 12シリーズでは「スマートHDR 3」が搭載されています。

出典:Apple

スマートHDR 3では、写真の撮影時に光と影や、写り込んでいるものの輪郭を自動で調整してくれます。
そのため、写真のように木陰の中でも男性の輪郭がはっきりしていることがわかります。
写真を撮った後、瞬時に処理ができるのは、機械学習が高速化したA14チップだからこそのものであると言えるでしょう。

出典:Apple

もう一つの作例も見てみましょう。
スマートHDR 3では、このように被写体の色合いが複雑なものであっても、目で見ているものに近い写真が撮影可能です。

特長②:GPUも強化されグラフィック性能が向上

出典:Apple

A14チップではGPUも強化されています。
そのため、より動画編集などの高速化が実現しました。
以前のチップに比べると、4Kなど高画質の動画編集もスムーズに進むでしょう。

特長③:トランジスタの小型化で電力効率が向上

出典:Apple

そのほか、A14チップは業界初の5ナノメートルという小ささです。
トランジスタ同士の間隔をできるだけ近くすることで、電気のロスを防いでいます。
電気のロスが小さいことは、効率よく電気を使うことにつながります。
そのため、これまで以上に省電力なチップになったのです。

もちろん、チップの省電力化と引き換えに性能が落ちることはありません。
ここまで紹介したように、CPU・GPUともに性能をアップさせており、iPhoneでもiPadでもスムーズで高速な操作を実現しています。

Appleと独自チップの歴史*6~*10

出典:Apple

Appleには、A14のような高性能なチップができるまで、コツコツとチップをアップデートしてきた歴史があります。
ここからは、Appleの独自チップの歴史を簡単に紹介します。

初代iPad・iPhone 4で初めて採用

Appleが独自のチップを採用したのは、初代のiPadとiPhone 4です。
それまでのiPhoneでは、他社製のチップを採用していました。
しかし、2010年より独自開発したチップ「Aシリーズ」を採用し始めます。

ここから、少しずつ改良されながら2020年のA14 Bionicへと進化していきます。

以降すべてのiPad・iPhoneで独自のチップを採用

Appleは、A4を皮切りに、毎年新しい世代のチップを発表しています。
現在では、台湾の台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング・カンパニー(TSMC)が、Appleの開発したチップを製造しています。
TSMCという会社名は、あまり馴染みがない方も多いでしょう。
実はTSMCは、ほかにもAMDやQualcomm製のチップの製造も委託されるなど、チップの製造に特化している会社です。

製造に特化したTSMCの技術と、Appleの開発力によって、毎年チップに改良が加えられ続けています。

ついにMacでも独自チップ「M1」が登場

出典:Apple

そして、これまでのチップ開発を生かして、Macでも独自チップが採用されました。
それが、「M1」です。
Appleシリコンとも呼ばれる「M1」は、これまでMacで採用されてきたIntel製のチップに代わり、今後発売するMacに搭載されていきます。
これまでAシリーズのチップで培ってきたノウハウや技術をもとに、ついにMacに最適化したチップが実装されたのです。

出典:Apple

その第一弾として、2020年11月10日には、M1が搭載された初めてのラインナップが発表されました。
MacBook Airと13インチのMacBook Pro、そしてMac miniの3機種で搭載された後、今後2年間ですべてのラインナップがApple製のチップM1へと移行します。

出典:Apple

M1は、ワット当たりのCPU性能が世界最高であり、特にラップトップPCにおいて強みを発揮します。
Appleシリコン(M1)について詳しく知りたい方は、以下のサイトを確認してみてください。

Appleの新しいチップ「Appleシリコン」とは
Apple M1チップ

A14の進化・Macの独自チップ採用など進化が続くApple

Appleでは、これまで順調に進化させてきたAシリーズのチップの開発技術を活かしながら、A14を発表しました。
さらには、Mac向けのAppleシリコン「M1」も開発し、Appleのハードウェアの全てのチップが自社開発のものになる見通しです。
これによって、iOS・iPad OS・macOSの親和性がより高くなるといえるでしょう。

出典:Apple

今後は、アプリの開発はもちろん、OS自体も似通ったものになっていくのかもしれません。
Macの新しいOSであるBig Surでは、デザインがこれまでのものから一新され、iPad OSやiOSに近いものになっています。

出典:Apple

試しにiPad OSとmac OSを比較してみると、違いが少なくなってきたことがわかるでしょう。

◆まとめ
今回は、新しいiPhoneやiPadに搭載されているA14チップを中心に紹介しました。
A14チップは、業界でも最も大きさが小さいチップとなっています。
省電力で高性能なチップとして、他社との差別化がなされているといえるでしょう。
また、これまで積み重ねてきたAシリーズの技術・ノウハウは、Macのチップ「Appleシリコン」にも活かされています。
今後は、Aシリーズに加えてMシリーズの進化にも注目です。

 

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◆参考URL
*1 iPad Air
*2 最も先進的なA14 Bionicチップを搭載した最新のiPad Air、本日より注文受付を開始
*3 iPhone 12とiPhone 12 mini
*4 Apple、iPhone 12とiPhone 12 miniを発表:新時代の幕開けとなる5G対応iPhone
*5 iPhone 12 ProとiPhone 12 Pro Max
*6 Appleのイベント – 2020年10月
*7 Keynote – WWDC 2020 – Videos
*8 Apple M1 Chip
*9 M1チップを発表 – Apple (日本)
*10 次世代のMacを発表

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