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「Macってよく落ちるんでしょ。」伝説の真相

「Macってよく落ちるんでしょ。」

 

このフレーズに反応したあなた!

アラフォー世代でしょう。

そう、今から20年ほど前、まことしやかにし語られていた「Macってよく落ちるんでしょ。」

 

これは本当でもあり、嘘でもあります。

 

***

 

私が初めてMacに出会ったのは大学時代1995年頃です。

当時は、まだiMacはリリースされておらず、一般消費者向けPerformaシリーズ、プロ向けPower Macintoshシリーズが販売されていました。

当時パソコンは「パーソナルコンピューター」と理想を謳いながらも、せいぜい一家に一台あればいい方で、基本的には、学校や職場などで数台購入されているパソコンを必要がある時に使うのが最も一般的な使い方でした。

 

そんな時代に、私は大学ではじめて「情報処理」と呼ばれるパソコンの授業を受けたのでした。

それは必修科目となっていましたが、大学生全員がパソコンなんて持っているはずがなく、ましてやインターネットも出始めの頃でしたので、それらの授業は情報処理実習室という、パソコンがずらりと並んだ部屋で授業をすることになります。

さらに、授業時以外でもインターネットに接続したパソコンを使えるようにと、図書館同様に運営されているパソコンルームがありました。

 

私はそこではじめてMacを見たのでした。

Windows 95が発売された後の話で、その部屋の8割以上はWindowsでしたが、その片隅に端っこの方にAppleのMacintosh(当時、製品名はMacではなかった)はありました。

 

実は、その時あのスティーブジョブズはAppleにはいませんでした。よく知られているように、ジョブズはAppleをクビになった時期があり、それが1985年から1996年の間のことです。

 

それは今から考えれば、Appleの失われた10年とも言うべき時期で、もちろん創業者のジョブズを追い出すという決断はその時に於いては最良の決断だったのかも知れませんが、結局その後の経営陣は明確なビジョンを示すことのないまま、業績は落ちて行き、CEOが3人交代するなど、社内は混乱を極めていくのです。ジョブズ復帰前の1996年頃には、多くの人がAppleは買収されるだろうと予測していました。

 

さて、そのような期間にリリースされていたのが、上記のPerformaやPower Macintoshと呼ばれるシリーズなのです。そして、実は「Macってよく落ちるんでしょ」の元凶となったのが、それらに搭載されたSystem 7と呼ばれる、現在のmacOS(通称:OSX)の3世代前のOSです。

とにかく、とても評判が悪かったのです。その片鱗は、wikipediaでも確認できます。

System 7.5

コードネーム:Mozart, Capone。ウインドウシェードやメニューバーの時計、コントロールバーなどサードパーティーのアクセサリで実現されていた機能が標準で付属するようになった。

〜略〜

システムは肥大化した。680×0からPowerPCへの橋渡しの役目を担う System 7.5.2は、改良されたコード変換機構を搭載し 68kコードの実行性能が向上した半面、新機能の Open Transport をはじめとしてバグが多くシステムが不安定であった(その後のSystem 7.5.3、System 7.5.3 Release 2とSystem 7.5.5[4]にて不具合の多くは解消される)。

 

日本では漢字Talkと呼ばれてましたが、このSystem 7こそ「Macって、よく落ちるんでしょ」のはじまりなのです。

さらに当時のパソコンの利用状況もそれに拍車をかけます。

Windowsがワードやエクセルなど実務的で軽めソフトウェアが中心にシェアを拡大していく一方、Macはクリエイティブ系と呼ばれているイラストレーターやフォトショップなどの重いソフトウェアの利用用途が多く、その対比としても、Macがフリーズする確率は非常に高かったのです。

Macにはフリーズした時に通称「爆弾マーク」と呼ばれる有名なアイコンまでありました。これはMacのオフィシャルなアイコンです。

 

その後、スティーブ・ジョブズが復帰すると同時にMac OS 8,9と徐々にOSの不安定さは改善されていき、2001年のOS Xの採用で劇的に改善されたのでした。

そもそもスティーブ・ジョブズがAppleに復活した第一の理由は、ジョブズ自身が立ち上げたNeXT社のunixベースのOSであるNeXT StepをMacに採用するためでした。Appleは、ジョブズ率いるNeXT社を丸ごと買収したのです。

 

つまり、Macが実際に頻繁にフリーズしていたのは事実ではあるのですが、それは主に95年頃のSystem 7時代のことなのです。

しかし、その噂だけは根強く残り少なくとも2000年代前半までは常識のように語られていたのでした。

 

筆者は2001年にはじめてiBook(MacBookの前身)購入し、友人に「Macってよく落ちるんでしょ。」何度となく言われてきました。

それを乗り越え、今は立派なApple信者となっているのでした。

 

 

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