イギリスのRPA「Blue Prism」を解説
この記事ではRPA製品「Blue Prism」について紹介します。
Blue Prismについて次のことが分かるようになっていますので、是非最後までお目通しください。
・Blue Prismとは?
・Blue Prismの価格
・Blue Prismの目指す「インテリジェント オートメーション」
・Blue Prismの特徴
Blue Prismとは?
RPAマーケットの市場リーダーである英国のBluePrism社擁するエンタープライズRPA「Blue Prism」。
世界52か国42業種で1,000社以上の導入実績を誇り、PRA「Robotics Process Automation」という言葉を生み出したと言われているRPA業界の最古参です。
2017年から日本語対応がなされており、日本での展開にも力を入れています。
Blue Prismの価格
1ライセンス:1,200,000円/年(税別)
※ライセンス = サーバー上で実行するロボットが同時に実行する数
※金額に開発環境等のライセンス料金を含む
※別途Microsoft SQL Serverが必要(ExpresでもOK)
インテリジェントオートメーション
BluePrismでは単なる業務の自動化だけでなく、より高度なデジタルワーカーの活用を目指し
次の6つの技術(インテリジェントオートメーション)に取り組んでいます。
1. 知識と知見
まざまな情報源からのデータを取り入れ、それを理解し、有用な知見を得る能力。
具体的には次の3つの機能が使えるようになります。
● 翻訳
自動的に言語を特定して別の言語に翻訳する機能。
● エンティティの抽出と分類
テキストのブロックから「エンティティ」またはキーフレーズを検索して、
人の名前、場所、組織などの一般的なカテゴリに分類する機能。もっと高度な機能では、テキストに含まれる「意図」を検索することもできます。
● 感情分析
文やテキストのブロックから感情を特定する機能。
2. プランニングと優先順位付け
仕事量を最適化し、事業成果を高めるための機会を見いだす能力
デジタルワーカーのリソース割当を最適化することができるようになります。
また自動化された意思決定プロセスの監査証跡を管理し、GDPR準拠を支援します。
3. 視覚認識
視覚情報をデジタルで読み出し、理解し、説明する能力
機械学習の技術を用いて画像を認識(OCR)できるようになります。
4. 問題解決
論理的課題、業務上やシステム上の課題を、人間の介在なしに解決する能力
機械学習により学んだ決定論により、人間が不在でも課題を効率的に解決できるようになります。
5. コラボレーション
事業プロセスをシームレスに実行するために、同じシステム内で人間と一緒に働く能力
チャットボットなどの技術を用いて人間とより効率的に連携、また他システムとも連携することにより、
より最適化されたオートメーションを実現します。
6. 学習
進化するプロセス パターンに適応し、データセットから文脈の意味を読み取る能力
デジタルワーカーが収集したデータを高度なアナリティクスプラットフォームに統合でき、機械学習へとつなげることができます。
BluePrismはこうした高度な技術を用いてさらなるDX(デジタルトランスフォーメーション)を推し進めようとしています。
Blue Prismの特徴
RPAとしての基本的な機能はもちろん搭載しているが次の特徴的な機能も搭載しており、よりビジネスを広範囲に深くサポートしようとする姿勢が伺えます。
内部統制(コンプライアンス)機能
シナリオの変更管理機能によりトレーサビリティを確保できるようになっています。
また監査証跡・認証情報を管理し、利用アカウントの詳細な権限設定により不正なロボット利用を防止します。
さらにHIPAA、PCIDSS、SOXに準拠しています。
※HIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)、直訳すると「医療保険の携行と責任に関する法律」というアメリカの医療情報の電子化、プライバシー保護等に定めた法律
※PCIDSS(Payment Card Industry Data Security Standard)、カード情報の保護を目的とする国際統一基準
※SOX 企業会計や財務会計の信頼性を向上させることを目的とする法律
ロボット運用モデル(ROM)
18年以上に渡って培ってきた独自のロボットの開発、運用の方法論を用いてクライアントをサポートします。
単なるツールを提供するだけでなく、カスタマーサクセスを本気で実現しようという意気込みが感じられます。
パートナー企業とのエコシステム「テクノロジ アライアンス プログラム」
「テクノロジ アライアンス プログラム」通称TAPです。
特にAI技術を持つ大手企業(Google、AWS、IBM、Microsoft)と提携することで、より高度で戦略的なシナリオを簡単に作成できます。
例えば次のような機能を簡単にドラッグアンドドロップでシナリオに組み込むことができます。
● 1. Google Cloud Platform
Cloud Natural Language API – 構文解析、エンティティ認識、感情分析、コンテンツ分類
Cloud Translation API:言語検出、翻訳
Cloud Vision API:オブジェクト検出、不適切なコンテンツ、テキスト抽出(OCR)、ラベル検出、ログ検出、ランドマーク検出、画像属性
● 2.Amazon Web Services
Rekognition Service:動画と画像の分析、オブジェクト、顔、人物、安全でないコンテンツの検出、テキスト抽出(OCR)
Comprehend:金融、医療、メディア、通信、教育、官公庁など、複数の分野のキー フレーズ、感情、トピックを抽出
● 3.IBM Watson
Natural Language Understanding API – 概念、エンティティ、キーワード、カテゴリ、関係、および意味役割の検出、感情分析、多言語サポート
Language Translator API – テキストの検出と翻訳、独自の用語集と言語を使用した翻訳のカスタマイズ
Visual Recognition API:画像分析による情景、オブジェクト、顔、色、不適切なコンテンツの検出、テキスト抽出(OCR)、独自のユース ケースに合わせたWatsonのカスタマイズ
● 4. Microsoft Cognitive Services
Text Analytics API – 感情分析、キー フレーズ抽出、言語検出
Computer Vision API:テキスト抽出(OCR)、手書き認識(英語のみ)、ランドマーク認識
Translator Text API:言語検出、翻訳
まとめ
ハイエンド製品と見られがちなBlue Prismですが、その通り機能は非常に充実しています。
一方、コスト面においては今年から1ライセンスごとの導入が可能になり、スモールスタートしやすい環境を整えつつあります。またライセンス料に開発のためのライセンス等も含むため、トータルコストで見ると意外と抑えられるかもしれません。
日本ではまだ始まったばかりのRPAですが、すでに欧州を中心に20年近い実績があるBluePrismを使えば一足飛びに恩恵を受けられるかもしれません。
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