作業時間が10分の1に!成功事例から考えるRPA


RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)をほかの企業に先駆けて導入したのは金融機関です。金融機関の事例から業務効率化について考えてみましょう。

まずRPAがどんな業務に向いているかをご紹介いたします。
事務作業にかかるコストを削減したいという要望を叶える「繰り返し型の定型業務」や「システムの転記・入力・情報照会」などといった人間がPC上で行う単純作業の自動化をRPAは得意としています。

国内の金融機関は、少子高齢化による国内市場の縮小、マイナス金利など、厳しい経営環境にさらされています。コスト削減に向けて様々な対策を講じる中で、特に問題になったのが事務作業でした。金融機関はほかの業種に比べて事務作業の割合が高いのです。金融機関はRPAを導入して、従業員を単純な事務作業から解放し、営業や商品企画など生産性や付加価値の高い業務にシフトさせました。事務コストの低減と収益向上につながる働き方改革を実現させたのです。RPAの導入によって作業時間を10分の1に減らすことに成功し、従業員の残業時間削減も同時に実現しました。

作業時間を10分の1にしたRPA

金融機関では比較的リスクの低い業務からRPAを導入する場合が多いです。
預金・為替などの顧客業務ではなく、まずは報告業務などの社内作業を対象として導入に取り組んでいます。作業ボリュームが多く、繰り返し型の定型業務であり、PCで完結している業務から着手していきました。複数システムからのデータ照会・転記などは金融機関における典型的な業務のひとつで、RPAで自動化するのに最適な業務です。また、リストや帳票の作成も金融機関で多く発生する業務です。
金融機関では各支店から実績データを集めて、本部で管理用の帳票を作成していることが多いです。本部の担当者は支店が送ってきたExcelファイルを開いて、該当部分をコピーし、集約用のシートの該当部分にペーストするという作業を、支店の数だけ繰り返していたのです。
そのほかにも本部の担当者は数々の報告書を受け取り、コピー&ペーストで帳票を作成する業務を手作業で進めていたので、こういった業務が大得意なRPAが効果を発揮しました。
単純作業の繰り返し業務ではありますが、人間の手作業となると、ミスが発生する可能性があります。しかし金融機関では数字を間違えてはならないので、目視による慎重な確認作業も発生していました。この確認作業も含めてRPAに任せることができたので、担当者が月次報告用の帳票作成に10時間かけていたところを、RPAで代替することによって1時間程度に短縮ができたのです。この1時間は作業時間ではなくて、RPAの実行時間なので、担当者がPCに張り付きになる必要もなく、10時間もの時間を捻出できた上に、ミスがない帳票を手に入れることができたのです。

次にPCで完結する作業ではなく、顧客向けの業務にRPAを導入した人材サービス会社の事例をご紹介いたします。

この人材サービス会社では、顧客企業の採用活動代行業務を行っており、顧客企業の採用活動における応募受付から、面接日の設定までの業務を代行していました。採用業務はスピード感が非常に重要です。応募者は複数社へ同時エントリーをしますので、レスポンスが早い企業から優先していくことが多いです。採用難の時代に、貴重な人材を逃さないためには、スピード感をもって多くの案件に対応する必要があります。

人間にしかできない業務に集中して質の高いサービスを提供

人材サービス会社でRPAに任せた業務を時給換算すると約25万円分の働きを代行してもらうことに成功しました。(時給1250円×200時間で算出)
RPA化した業務は、応募者がエントリーしてきてから、メールを送信して、説明会への参加を誘導し、応募者に来社してもらう日時を確定する作業までをすべて自動化しました。この作業には一定の時間がかかるため、応募量に比例して、作業人員が必要となっていたのですが、実行ボタンをクリックするだけで、コンスタントに処理をしてくれるRPAは、「処理件数を増やす」ことに最適なツールでした。採用業務に重要なスピード感をもって、ミスなく処理をしてくれるので、1日の処理件数の予測があらかじめ立てられるため、次のアクションの予定が立てやすくなったのです。人材サービスにありがちな、流動的で時期によって業務量を左右されていた状態から、計画的に予定を立てることができるようになりました。このため、空き時間を予測できるようになった結果、新サービスの企画が生まれるなど事業の可能性を広げることにも成功しました。

このように人間が必ずしも対応しなくていい業務から、人手を開放したことによって、人間にしかできない業務に集中することができます。人材サービスで最も大事なのは「人」と「人」をつなぐこと。時間の余裕ができたことで、応募者との信頼関係を構築したり、ヒアリング時間を充実させたり、人間にしかできない人間らしい業務に集中して、質の高いサービスを提供することができるようになったのです。

こちらの会社ではクラウド型のRPAを導入して、誰でもロボットを作成できるタイプにしましたので、スピード感を上げたいという課題にマッチしました。業務フローを変更すると、エンジニアにロボットの修正依頼をする必要があるタイプのRPAの場合だと、この会社ではスピード感をもって対応することができなかったので、導入の際には業務の課題に合わせたRPAの型を選ぶようにしないといけません。

スモールスタートから大きな成果を得る

成果を出している企業の共通点は「シンプルな作業を優先してロボット化する」ということを、RPA化する業務の選定基準としていることが多いように思われます。小さいプロジェクトを素早く成功させて、改善・改良を行っていき、大きな成功につなげるのです。
RPAは業務改善のために長いおつきあいになるケースが多いので、失敗やミスマッチを避けるために「RPA化しやすい業務」「成功しやすい業務」からはじめて、大きな成果を出すことが大切になります。


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