1. TOP
  2. ブログ
  3. GoogleがFitbitを買収?Apple Watchに対抗できるか

GoogleがFitbitを買収?Apple Watchに対抗できるか

スマートフォンが高性能化する中で、健康を管理できるウェアラブルデバイスが人気を集めています。AppleやHUAWEI、GARMINなど複数の会社が参入し、ユーザーを獲得しつつあります。そんな中、2019年の11月に突如FitbitがGoogleに買収されるというニュースが話題 となりました。12正確には、これから正式な買収手続きに入るということが発表だったのですが、あまりにも唐突な発表にFitbitの株価も上昇した*3とのこと。Fitbitといえばウェアラブルデバイスの先駆けともいえる企業です。なぜこのタイミングで買収の話が出てきたのでしょうか。また、Googleはどんな将来を思い描いて買収をするのでしょうか。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①GoogleによるFitbit買収騒動の概要
②海外におけるGoogleのヘルスケアに対する取り組み
③Fitbit×Googleによる今後の可能性

Fitbitの買収の全貌

はじめに、GoogleによるFitbitの買収についてそれぞれの公式発表から読み解いていきます。

そもそもFitbitとは?

Googleは知っているが、Fitbitについてはあまり詳しく知らないという方のために、Fitbitについて簡単に紹介します。Fitbitは、2007年にアメリカのサンフランシスコで設立された会社4です。さまざまなセンサーやワイヤレス関連の技術を健康管理に活用することを目的に製品作りをしています。日本で利用者の多いApple Watchは、2015年から発売開始になった5ことを考えると、ずいぶん早くからウェアラブルデバイスの開発に取り組んでいたといえます。それに加えてFitbitは、これまでに1億台以上の販売実績があり、アクティブユーザーは100万人以上*2。まさにウェアラブルデバイス業界のパイオニアとも呼べる存在です。

Fitbit側の公式発表から見る売却の意図

ここからは、そんなFitbitがGoogleへ身売りをすることになったのはなぜかを見ていきましょう。Fitbitの公式発表からは、Googleの世界的なプラットフォームや技術を活用して、さらにFitbitの質を高めていきたいことが語られています2。Fitbitは、センサーを活用したデータの収集に関しては強みがあるものの、そのデータの活用やユーザーの獲得には苦戦を強いられる場面もあったのでしょう。Apple Watchのようにスマートフォンと一体化したシステムがない分、利便性が低下する場面もあります。また、ユーザーの長期的な囲い込みも難しくなるでしょう。これまでは、FitbitはOSに依存しないことを強みとしていました。しかし、Fitbitの売り上げは2016年をピークに低迷を続けています6。 このことも、今回売却をすることになった一つの要因と考えられるでしょう。

Google側の公式発表から見る買収の意図

一方のGoogleにとってはどのようなメリットがあるのでしょうか。それは、公式発表の以下の言葉から明らかにできます。

By working closely with Fitbit’s team of experts, and bringing together the best AI, software and hardware, we can help spur innovation in wearables and build products to benefit even more people around the world.

引用元:Google to acquire Fitbit|https://blog.google/products/hardware/agreement-with-fitbit?_ga=2.109995341.918473813.1572613323-1996097189.1566566630

要約すると、「FitbitとGoogleが綿密に連携することで、ウェアラブルに革新を起こせるだろう」ということになります。Googleといえば、Androidや検索システムなどのソフト面に強みがあります。一方のハード面は、NexusやPixelなどがありますが、そこまで強みがあるともいえません。実はPixelの開発の際にも、HTCのスマートフォン部門を買収*7 しています。今回もそのような流れと同じとは断言できませんが、少なくともFitbitのハードウェア開発に魅力を感じていたとはいえるでしょう。

また、Googleといえばさまざまなデータを収集して活用することに強みがあります。Fitbitのデータをうまく活用することで、ヘルスケア市場でも主導権を握りたいという考えもあるのかもしれません。

Googleのヘルスケア関連の取り組み事例

Googleといえば検索やスマートフォン、広告のイメージが強いですが、ヘルスケア関連にも力をいれています。どんなことを行ってきたのかを紹介していきます。

Android WearからWear OSへ

以前は、Android Wearとしてウェアラブルデバイス向けのOSを開発していました。ただし、このAndroid Wearはそこまで流行したとはいえません。その当時はまだウェアラブルデバイスについての認知度も高くなかったからでしょう。その後GoogleはAndroid WearからWear OSへと名前を変えて再度開発を進めています。Androidという名前がなくなったように、iOSでも使えるウェアラブルデバイス*8 を目指して開発がされているようです。

端末よりもシステム構築に注力

Googleは、Fitbitの買収の話が出るまではシステムの構築に注力していました。やはりGoogleはソフト面が強いため、得意分野から強化していったのでしょう。Androidと同じように、さまざまなメーカーがWear OSを取り入れはじめています。また、ウェアラブルデバイスのシステムだけでなく、医療機関との連携システムなども開発していきました。

実は2018年からFitbitと提携していた

実は、GoogleとFitbitは、医療機関とのデータ連携を行うために提携をしています。2018年の5月からは、Fitbitで記録した情報と病院の電子カルテをつなぐためにGoogleとFitbitが連携をはじめており、より効果的な治療ができるよう研究をすすめています。910やはりFitbitデバイスの測定技術はGoogleも目をつけていたのでしょう。

GoogleのFitbit買収による今後や世間の反応

ここでは、買収の話題を受けて、今後GoogleやFitbitがどのような将来像を描いているのかということや、世間の反応についてまとめていきます。

Fitbitのノウハウを利用したウェアラブルデバイスの開発

一番に期待されるのが、FitbitのデバイスがGoogleのソフトウェアと組み合わさることです。それぞれの強みを生かしたウェアラブルデバイスは、多くの人の心を惹きつけることになるでしょう。今までFitbitの端末は独自のOSを用いていましたが、今後はWear OSに統一されていくのかもしれません。最新端末ではAmazonの音声認識サービスであるAlexaが搭載されています*11が、それもGoogleアシスタントに変わっていく可能性が高いでしょう。

Fitbit会員データを使用したより網羅的なデータ収集

FitbitがGoogleのエコシステムに取り入れられると、さらに網羅的なデータ収集がされることになるでしょう。検索データやYouTubeなどの検索履歴や睡眠時間などの健康データまでGoogleがすべて把握できるようになるのです。しかし、データ収集と個人情報の保護についてはFitbitが以前から大切にしていたところでもあります12 。そのため、データを削除できる仕組みを整えるとGoogleは発表していますが、実際に買収後にはどうなるのか未知数といえるでしょう。

一部Fitbitユーザーからは反対が出るほど注視されている*1216

Fitbitが大切にしていたプライバシー保護の姿勢から、Fitbitを利用していたユーザーも多くいるようです。Googleから買収されることが発表されてからは、Fitbitの使用を控えようとする動きも加速しています。
一部ユーザーはApple Watchに買い換えようとしているとのこと。Googleの今後の動き次第では、Fitbit離れが加速する可能性もあるでしょう。

◆まとめ
ウェアラブルデバイスを身につけている方には、今回のニュースはとても大きなものであったでしょう。また、ウェアラブルデバイスのデータ管理についても考えさせられる機会になったのではないでしょうか。正式な手続きを踏めば、来年以降に正式な買収が決定するとのこと。そのため、これからもGoogleの動きに目が離せません。

◆参考URL
*1)https://blog.google/products/hardware/agreement-with-fitbit?_ga=2.109995341.918473813.1572613323-1996097189.1566566630

*2)https://investor.fitbit.com/press/press-releases/press-release-details/2019/Fitbit-to-Be-Acquired-by-Google/

*3)https://investor.fitbit.com/press/press-releases/press-release-details/2018/Fitbit-and-Google-Announce-Collaboration-to-Accelerate-Innovation-in-Digital-Health-and-Wearables/default.aspx

*4)/https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/profile/FIT

*5)https://gori.me/apple-watch/72488

*6)https://www.nasdaq.com/articles/will-fitbit-be-better-off-with-google-2019-11-04

*7)https://blog.google/inside-google/company-announcements/welcoming-new-teammates-from-htc

*8)https://wearos.google.com/intl/ja_jp/#hands-free-help

*9)https://investor.fitbit.com/press/press-releases/press-release-details/2018/Fitbit-and-Google-Announce-Collaboration-to-Accelerate-Innovation-in-Digital-Health-and-Wearables/default.aspx

*10)https://cloud.google.com/blog/topics/inside-google-cloud/new-collaboration-fitbit-drive-positive-health-outcomes

*11)https://www.fitbit.com/jp/versa

12)https://www.cnbc.com/2019/11/17/people-getting-rid-of-fitbits-after-google.html?__source=twitter


▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP