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Appleからカナル型ワイヤレスイヤホンであるAirPods Proが発売

10月に発売され、いまだに品薄状態が続いている左右分離型ノイズキャンセリング機能付きのAppleのワイヤレスイヤホン「AirPods Pro」ですが、今回はその特徴についてご紹介していきます。

この記事でわかること
・歴代のAirPodsの特徴と違い
・カナル型イヤホンとは
・AirPods Proの特徴

歴代のAirPodsについて

これまで発売されたAirPodsは大きく3世代に分かれます。世代ごとに多少の差異のあるセットはありますが、この記事では世代ごとの特徴について簡単にまとめてみましょう。

2016年10月 AirPods(第一世代)発表、同年12月発売開始
2019年3月  AirPods(第二世代)発売
2019年10月 AirPods Pro(第三世代)発売

初代AirPodsの大成功

初代のAirPodsは、技術的な問題から発売が一時延期されたりしましたが、発売直後から入手困難な時期がしばらく続くなど、当時市場を席巻する人気を得るほどの大成功を果たしました。「耳からうどん」と言われた特徴的な形状が話題にもなりましたね。
多くの有名人が利用する様子がSNSなどを通じて拡散されたのも、人気を集めた理由になっています。
当時Apple CEOであるティム・クックも、このAirPodsの爆発的な人気について”a run away success”(素晴らしい成功)と表現しています。(CNBCのインタビューに答えて)(*1)

それまでiPhoneに付属していたEarPodsは有線接続のイヤホンでしたが、AirPodsは左右独立型のワイヤレスイヤホンです。耳からでる部分がやや太い特徴のある形状で、そのことから「耳からうどん」と評されました。見方を変えれば他にはない特徴のあるデザインであり、AirPodsユーザーとしてのステイタスともなりました。

プロダクトのデザインについては定評のあるAppleの製品ですが、正直なところ発表直後には「?」という感じで見ていたのを覚えています。しかし、発表から発売まで若干の間が空いたこともユーザーの「飢餓感」を煽ったのか、すぐに入手困難となるほどの大成功を納めた製品となりました。

これは3つの世代に共通する特徴ですが、何といっても多くのユーザーを持つiPhoneとの親和性の高さが他の類似製品に比べた場合の優位性となっており、多くのユーザの満足度を高めています。メーカーごとのスマホシェアではなく、単一機種でのシェアを見た場合、いまだに高い人気を持ち続けているiPhoneですから、母体となるユーザー数も多く当然ながら付属・関連製品も大きなマーケットを形成しています。

特にiPhone7からはイヤホンジャックがなくなったので、Lightningに対応したイヤホンかワイヤレスタイプを選択するしかなくなりました。このAppleの戦略によってiPhoneユーザーは選択肢を絞られた訳ですが、うまく誘導に乗って多くのユーザーがAirPodsを選んだということなのでしょう。

第二世代AirPods

第二世代のAirPodsは2019年3月に発売されました。「Hey Siri」に対応し、音声での操作が可能となったことでより一層iPhoneとの親和性が高くなり、ユーザーインターフェースの一つとして機能することになりました。これは予想された進化の一つであり、デザインなどに大きな変化はありません。

大きく進化したAirPods Pro(第三世代)

2019年10月になって、デザイン・機能を一新した「AirPods Pro」が発売されました。これまでのインナーイヤー型イヤホンからカナル型となり、デザインも大きく変化しました。耳から外に出る部分が小さくなったため、「うどん」の形状に違和感を持っていた方も手を出しやすくなっています。見た目上でのデザインはおとなしくなりましたが、機能的な「プロダクトデザイン」は大幅に進化しています。

イヤホンの形状について

ここで、AirPods Proの大きな特徴の一つであるカナル型イヤホンについて少し解説してみましょう。イヤホンは耳に装着する方式で大きく3つの異なるタイプがあります。カナル型、インナーイヤー型、耳掛け型の3種類です。

カナル型イヤホン

カナル型とは耳の奥に差し込むタイプであり、耳栓と同様の働きをするものです。しっかりとした装着感があるため遮音性に高いという特徴がある一方、人によっては長時間使用すると疲労感や違和感を感じる場合があることがデメリットとされています。外部の音を遮断するので場面によっては使用が向かないこともあります。

インナーイヤー型イヤホン

耳の縁である耳介に引っ掛けるタイプのイヤホンです。カナル型に比べて密着感が薄いため負担になりにくいですが、外れやすく音漏れもしやすいという性質があります。外部の音を完全に遮音することができませんので、音楽再生など没入感が欲しい用途ではあまり向いていません。

耳掛け型

耳にフックで引っ掛けるタイプのものです。3タイプの中でもっとも負担にはなりにくいですが、現在の製品では種類もあまり多くなく選択肢が狭い状態です。インナーイヤー型に比べて外れにくい点と負担が小さい点が優位点ではあります。装着時の見た目にスキ・キライが出ますし、音漏れも発生するので現在では主流とはなっていません。

ちなみに、AirPods第二世代まではインナーイヤー型、AirPods Proがカナル型イヤホンに分類されます。

カナル型イヤホンの特徴

一般的なカナル型イヤホンのメリットとしては次のような点が挙げられます。

・耳栓のような形状をしている
・耳の奥に装着するためフィット感が良く、遮音性が高い
・音が耳にダイレクトに届くためクリアでダイナミックな音を楽しめる
・低音の再生音質が良い特徴がある
・外れにくい
・細かい音の描写が聞き取りやすい

カナル型イヤホンは、耳の奥に差し込むという形状から、フィット感があり外れにくいという構造上のメリットがあります。その一方、圧迫感を感じたり長時間の使用で耳が疲れやすくなるなどのデメリットもありますが、これは人によってかなりの違いのある部分です。 もう一つの特徴として、耳栓のような構造からくる遮音性とダイレクトな音の伝達がカナル型のメリットとして挙げられます。

開放型と密閉型

低音の再生に定評があるという点については、もう少し詳しい説明が必要となります。イヤホンにしろヘッドホンにしろ、再生デバイスには大きく開放型と密閉型の二種類が存在します。
電気信号を音波に変換し音を出す部分を「ドライバーユニット」と言います。振動によって発生した音は、耳の方だけでなく外側にも伝わっていきますが、これを「ハウジング」というパーツで遮音するか開放するかによって種類が別れています。

ハウジングに遮音性の高い素材を使用し、外部への音を遮断するのが「密閉型」、音を遮断しない構造にしているものが「開放型」と呼ばれます。「密閉型」の場合、音漏れを防ぐことができると同時に外部の音も遮断するので、音楽視聴など没入感が欲しいシチュエーションに向いています。開放型は音漏れがあるので、公共の場での使用には向いていません。

実はこの「密閉型」と「開放型」には、構造の違いから音質についても特徴が分かれてきます。「密閉型」の場合、遮音性の高いハウジングが共鳴するので低音の再生に優れているという性質があります。カナル型イヤホンの場合、遮音性を持たせるため「密閉型」ですのえ、そのことから低音の再生に優れているということになります。

一方「開放型」は音がこもらず抜けが良いという性質があるため、高音の再生に向いているという特徴があり、音の広がりが感じられる(空間表現力)事がメリットになります。ただし、外部の音が入ってくるため室外の使用で音楽視聴には向いておらず、室内で音楽を楽しむ際に限定されるのがデメリットといえるでしょう。

どのタイプを選択するか

現在のスマホと連携するイヤホンユーザーの多くは、室外での移動中の使用が多いと思われますので、基本的に「密閉型」を選択することになりそうです。その上でカナル型かインナーイヤー型か、またワイヤレスかコードタイプかを選ぶ必要があります。ワイヤレスにしても左右分離型、一体型、肩掛け型など多くの種類がありますので、自分の主な利用するシチュエーション(通勤かフィットネスかなど)に合わせながら、デザイン・機能・価格など製品は多岐にわたりますので、実に悩ましいところです。

【まとめ】
新発売されたAirPods Proは、Apple初のカナル型、左右独立のノイズキャンセリング機能付きワイヤレスイヤホンです。AirPodsでApple自身が大きく成長させたワイヤレスイヤホン市場において、現在主流となりつつあるノイズキャンセリング機能を搭載した製品であり、競合他社に対抗してきた意欲作です。
デザインも一新され、この分野でのAppleの存在感を一層際立たせるプロダクトとなっています。

世界中で圧倒的なユーザー数を誇るiPhoneを中心としたエコシステムの一翼であり、大成功を納めた製品の一つとして記録されるのは間違いないでしょう。
ジョブズが築いてきたiMac・iPhone・iPadというメインストリームを中心としたAppleは、ティム・クックの世代になっても、iWatch・AirPodsといったiPhoneを中心とした関連製品群を世に送り出し、新たな市場においてもプランドイメージを確立し、大きな成功を納めていると言えるのではないでしょうか。

【引用】
*1
CNBC NOW
https://twitter.com/CNBCnow/status/814154469877239808?s=20


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