Googleが量子コンピュータ開発に成功?IBMとの熾烈な競争からコンピューターの未来を読む


21世紀も間もなく1/4が過ぎようとしている現在、私達の生活にはコンピューターが欠かせない存在となっています。
通勤や通学で使う電車が安全かつ定刻通りに走っているのも、出張で使う飛行機のチケットを簡単に予約出来るのも、ボタン1つで指定した時刻にお風呂を暖かいお湯で満たせるのも、皆多かれ少なかれコンピューターの恩恵を受けていますよね。
そんなコンピューターの世界で革命児として期待されているのが、今回取り上げる量子コンピューターです。
果たして量子コンピューターとは何者なのか、私達にどのような恩恵があるのか、最新情報も交えつつご紹介していきましょう。

この記事では以下のことがわかります
・量子コンピューターとは?
・量子コンピューター開発の現状
・GoogleとIBMの目指す量子コンピューターとは?

量子コンピュータとは?

まず初めに、量子コンピューターとは一体何なのかを解説していきましょう。
ただし、細かく説明すると本が書ける量になってしまうので、ここでは大まかな解説に留めたいと思います。

量子コンピューターは桁違いに高性能なコンピューター

量子コンピューターを一言で表すと、現在のコンピューターと異なる計算方法を採用することで、圧倒的な高性能(高い計算能力)を獲得したコンピューターと言うことができます。
どの程度の性能差があるかは表現がなかなか難しいのですが、例えば現在最高性能のスーパーコンピューターで何年もかかるような計算が、量子コンピューターならほんの数分で出来るようになるとされています。
従来のコンピューターが自転車だとすれば、量子コンピューターはジェット機のようなものですね。
自転車で東京から大阪へ行こうとすると、どれだけ頑張っても数日は掛かります。エンジンを載せたバイクを使い、高速道路を駆使しても、早くて6時間といったところでしょう。
一方、飛行機で空を飛んでしまえば、1時間ちょっとで大阪まで行けてしまいます。
現在のコンピューターと量子コンピューターの間には、例えるならこれだけの性能差があるということです。
今、量子コンピューターが注目されている理由が、何となくおわかり頂けたのではないでしょうか?

2つの量子コンピューターと開発の現状

一口に量子コンピューターと言っても、実は大きく分けて2つの種類があります。
ここでは、この2種類を簡単にご紹介しましょう。

量子アニーリング方式

こちらは日本で開発された方式で、実行できる処理内容やハードウェアの運用面で制約が多いものの、比較的制作しやすいタイプの量子コンピューターです。
後述する量子ゲート方式と同様まだ実験段階ではありますが、一部では実用化も行われていることから、私達ユーザーが先に接することになるのはこちらのタイプになるでしょう。

量子ゲート方式

GoogleやIBMなどが開発を進めている方式で、万能型とも呼ばれています。
万能の名の通り用途が限定されない事が強みですが、その分開発が難しく、実用化にはかなりの時間が掛かると見られています。
今回この記事で取り上げる話題も、基本的にはこちらのタイプです。

量子コンピューター開発で凌ぎを削るGoogleとIBM

量子コンピューターの開発には、世界中のさまざまな企業や団体が関わっています。
その中でも話題に上ることが多いのが、米国を代表するIT企業でもあるGoogleとIBMです。
両社は以前から量子ゲート方式の量子コンピューター開発を進めていましたが、そのライバル心は凄まじく、時には論文やブログなどを通してライバルに技術的な論争を仕掛ける事もあります1(※ 競争相手に技術的な論争を仕掛けるのは、別に両社に限ったことではなく、過去にはGoogleと中国アリババの間で論争となったことがありました2)。
このように、世界のトップ企業がかなりの予算と時間を割いて開発を進める量子コンピューターですが、一方で読者のみなさんの中にはこんな疑問を持たれた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「単に高性能なコンピューターというだけで、何故これほどまで開発に力を入れるのか?」
その疑問の鍵を握るのが、量子ゲート方式のもつ可能性です。

量子ゲートを制する者が世界を制する

先に触れたように、量子コンピューターは既存のコンピューターとは比較にならない高性能を誇ります。
特に万能型の量子ゲート方式が実用化されれば、コンピューターを取り巻く環境は大きく変わっていくことでしょう。
なかでも今注目される問題の1つが、暗号化に関するものです。

既存の暗号を無力化できるほどの高性能

現在、私達がネット越しにパスワードなど重要なデータをやり取りする場合、通信内容を第三者に盗み見られないよう通信を暗号化する事が当たり前に行われています。
Wi-Fiの接続にパスワードが必要だったり、HTTPS通信に非対応のWebサイトを開くとブラウザに警告が出る事があるのも、この暗号化が関係しているのです。
では、こうした暗号通信はどうやってセキュリティを確保しているのでしょうか。
答えは簡単。既存のコンピューターでは解読に途方もない時間が掛かる暗号を使う事で、そもそも解読する気すら起きないようにしている訳です。
しかし、量子ゲート方式が実用化されるとこの状態が解消されてしまい、既存の暗号が全く無意味になる可能性があります。
もちろん、こうした状況に対応する新たな暗号規格も開発が進められているのですが、実際に量子ゲート方式のコンピューターが実用化された時、きちんとそれに対応した暗号システムの準備が整っていなければ大問題に発展してしまうでしょう。

量子ゲート方式を実用化できれば大きな収益を得られる

量子ゲート方式は2019年末現在、まだ実用化までの道は長いと言えます。
しかし、簡単に作れないということは、一番最初に開発に成功した者が当面の間技術を独占出来るということです。
もちろん、ある程度の時間が経てばライバル会社も追いついてくるでしょうが、そうなるまでは自社でシェアを独占出来ますし、上手く立ち回れば自社規格のパーツやソフトウェアなどをデファクトスタンダードにすることも難しくないでしょう。
商業的な面を考えると、これはなかなか魅力的です。

AIをさらに高性能化できる可能性

量子コンピューターの処理能力の高さを活かせば、最近話題のAIの性能も飛躍的に向上させることが出来ます。
現在普及しているAIは機械学習で多くのデータを記憶させ、それを元に解を導き出す仕組みになっているので、ハードウェアの処理能力が上がればAI側の性能が上がるペースもこれまで以上に早くなっていくはずです。

まとめ

今回は「Googleが量子コンピュータ開発に成功?IBMとの熾烈な競争からコンピューターの未来を読む」と題して、話題の量子コンピューターについて、その現状や可能性をご紹介しました。
まだまだ身近な存在とは言いがたい量子コンピューターですが、量子アニーリング方式も量子ゲート方式も、今よりさらに便利で面白い未来を実現出来る大きな可能性を秘めています。
しかし、その性能を誤った方向に使ってしまうと、現在のコンピューター以上に危険な存在にもなり得る諸刃の剣でもあるのです。
夢のテクノロジーをどう使うかは、私達次第。
技術そのものに加え、それをどう活用していくかという面も含め、量子コンピューターは今後も要注目のテクノロジーと言えるでしょう。

参考

*1 https://wired.jp/2019/10/24/ibm-googles-quantum-leap-quantum-flop/
*2 https://wired.jp/2018/06/05/google-alibaba-quantum-supremacy/

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