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建築業界におけるデジタルトランスフォーメーションとは

建築業界というとどんなイメージをもつでしょうか。「アナログな作業」「ITとは無縁そう」と感じる方も多いはず。しかし、実は建築業界においてもデジタルトランスフォーメーションが注目されています。今回は、建築業界におけるデジタルトランスフォーメーションについて、おおまかに紹介していきます。デジタルトランスフォーメーションの意味についても確認しているので、参考にしてください。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①デジタルトランスフォーメーションの概要
②建築業界でデジタルトランスフォーメーションが注目されているわけ
③デジタルトランスフォーメーションを進める上での課題

デジタルトランスフォーメーションとは

以前当ブログでは、デジタルトランスフォーメーションについて紹介しました。そのため、本記事では簡単にデジタルトランスフォーメーションについてを確認していきます。詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

デジタルトランスフォーメーションとは?意味や背景について解説

デジタルが当たり前に存在する時代の到来

デジタルトランスフォーメーションとは、「デジタル技術が人間の生活のあらゆる側面に引き起こしたり影響したりする変化」*1のことです。これまでは、アナログな世界の中でデジタル技術を活用していくことが中心でした。しかし現在では、デジタルが当たり前にある時代です。それは、1人1台スマートフォンを持つようになっていることからも明らかでしょう。そのため、これからはデジタルが私たちの生活の中にある仕組みを根本から変えていくことになるのです。それを、デジタルトランスフォーメーションと呼んでいます。

たとえば、音楽のサブスクリプションなどがわかりやすい例です。今まではCDを借りたり、ダウンロードで1曲ごとに料金を支払って音楽を聴いていました。それが、SpotifyやApple Musicをはじめとしたサブスクリプションによって、「スマートフォンで気軽に音楽をストリーミングする」というスタイルに変化しました。このような変化が、私たちの日常生活やビジネスの中で起こってくるのです。

デジタルトランスフォーメーションとデジタル化(デジタライゼーション)

デジタルトランスフォーメーションの概要を読むと、「今までも行われていたことだ」と感じた方も多いかもしれません。実は、デジタルトランスフォーメーションと勘違いしてしまいがちな用語に「デジタル化(デジタライゼーション)」という言葉があります。こちらは、現状の環境の中にデジタルを組み込むもの。そのため、仕組みそのものの基盤としてデジタルが存在するデジタルトランスフォーメーションとは異なります。詳細はこちらの記事で触れていますので、参考にしてください。

世界中でデジタルトランスフォーメーションが進行中

デジタルトランスフォーメーションは、日本だけで注目されているわけではありません。世界各国でデジタルトランスフォーメーションが起きています。日本はどちらかとえば、世界に後れをとっているほうなので、海外事例を参考にすると学べることが多くあります。

さきほど紹介した音楽のサブスクリプションも、スウェーデン発祥のSpotifyやアメリカ発祥のApple Musicが中心となっています。音楽業界に限らず、さまざまな業界で海外の事例が役に立つことがあるでしょう。日本の事例がない場合には、海外のものを参考にするのがおすすめです。

なぜ建築業界でデジタルトランスフォーメーションが注目されるのか

次に、なぜ建築業界でデジタルトランスフォーメーションが注目されているのかを3つに分けて紹介していきます。

建築業界の労働生産性向上を期待

国土交通省のとりまとめた資料*2によれば、建設業における時間あたりの労働生産性はあまり向上していません。全産業や製造業は上昇傾向にあるものの、なかなか労働生産性が高まらないのが建築業界の特徴です。デジタルトランスフォーメーションによって労働の仕組み自体を変えていくことで、生産性を向上させていけるのではないかと期待されています。

高齢者の大量退職・若手の人材不足

建築業界では、労働者の不足も心配されています。今後10年で、およそ80万人の高齢者が建築業界から引退してしまうと予測2されているようです。その一方、若手で入職する人が少ないのが現状です2。少子高齢化が進んでいるため、建築業界に人材を集めようと思っても限界があるでしょう。そのため、デジタルトランスフォーメーションによって人材不足を補うことが期待されています。

品質の安定を期待

また、高齢者の退職と関連して、安定した品質を担保するのが難しいという問題が発生してくるでしょう。ノウハウを持った熟練経験者が引退する前に若手を育てるのは難しい側面があります。そのため、デジタルトランスフォーメーションによりノウハウを蓄積したり、機械が人間の代わりに作業を行うことで品質の安定を図ることが期待されています。

デジタルトランスフォーメーションを建築業界で進めていく上での課題

ここまで紹介したように、デジタルトランスフォーメーションによる変化は大きな効果が予想されます。しかし、仕組み自体を変化させていくことになるため、いくつかの課題があります。ここでは、デジタルトランスフォーメーションを進める上での課題を紹介していきます。

変化に対する抵抗感の払拭

建築業界に限らず、現状維持をよしとする文化がある場合もあるでしょう。今まで積み重ねてきたものを壊し、新しく仕組みを作っていくことは大きな不安や負担があります。そのため、デジタルトランスフォーメーションに対する反対意見は必ず起きるでしょう。「今うまくいっているから変える必要はない」という意見に丁寧に対応していくことが求められます。それぞれの会社が一丸となって変化していく必要があるため、抵抗感の払拭をすることが課題といえるでしょう。

デジタル技術を使いこなせる従業員の育成

抵抗感を払拭するだけでは、デジタルトランスフォーメーションが成功するとはいえません。デジタル技術をつかいこなせる従業員が必要となります。理想としては、全員が技術に関して知識をもっているのがよいですが、それはなかなか難しいでしょう。せっかくデジタルトランスフォーメーションをしても、うまくそれを活用できなければデータの持ち腐れとなってしまう可能性もあります。そのため、専門的な知識を備えた従業員が必要です。そのための人材採用や、既存の従業員の研修が求められます。

◆まとめ
今回は、建築業界におけるデジタルトランスフォーメーションについて紹介してきました。今まであったものを、デジタルを基盤とした仕組みに変えていくのには多くの苦労が伴います。そのため、現実的にはデジタルトランスフォーメーションを進めていくのは難しいと考える方も多いかもしれません。とはいえ、人口減少によって働き手が不足してしまう現状では、デジタルトランスフォーメーションをすることによる恩恵は大きなものとなるでしょう。

以下の記事では、デジタルトランスフォーメーションの成功事例を紹介しています。海外事例だけでなく、国内の事例についても紹介しています。また、業界を問わず掲載しているので、参考にしてください。

デジタルトランスフォーメーションの事例を紹介

◆参考URL
1)INFORMATION TECHNOLOGY AND THE GOOD LIFE/Erik Stolterman, Anna Croon
※こちらの記事を参考に筆者が翻訳

2)建設産業の現状と課題(参考資料)


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