【土木業関係者必見】CIMは本当にメリットがあるの?概要とメリットを解説


土木業界の関係者なら、CIM(シム)という言葉をご存知ではないでしょうか。国土交通省が導入を進めていて、2025年までに原則化するという目標まであります。

CIMを導入して現場職人の経験など“人だより”となっている部分をIT化することで、作業の大幅な効率化やコストダウン、働き方改革まで期待できます。

「CIM導入って本当に必要?」と悩む方に向けて、期待できるメリットをご紹介します。

国が導入を推奨しているCIMについて

CIMとは

Construction Information Modeling / Managementの略であるCIMは、国土交通省が平成24年度から推進しています。建設業界の中でも土木作業に重点を置き、業務の効率化や生産性アップを目指しているのです。

建設業全体としてはBIM(Building Information Modeling)という言葉があり、こちらはアメリカが発祥と言われています。CIMは国土交通省が作った国内向けの言葉ですが、最近はBIM/CIMとして統合しはじめています。

土木業界もICT化で働き方改革

CIMは従来の紙ベースのやりとりを刷新して、すべてをデータ化するというやり方です。データ化すれば情報を一元管理できるので、その後に発生する作業が大幅に効率化できます。

さらに図面を“3Dモデリング”として3次元データのみにするため、2次元データの作成や紙ベースの図面の作成といった作業が不要です。

CIMでは、建設分野でベースとなる調査や測量、設計、施工や検査というすべての工程で3次元データを活用します。※1

測量をドローンで行うなどITを駆使することで、作業の効率化や人手不足のサポート、さらにはコスト削減といったメリットまで期待できるのです。

CIM導入で期待できるメリット

国はCIM導入の原則化を目指す

CIM導入はすでに始まっており、国土交通省は2020年から2025年までにBIM/CIMの原則導入する目標にしています。※2

そこで土木関係者が気になることといえば、「原則化されたCIM導入で、本当にメリットがあるの?」という点ですよね。

結論からいうと、CIM導入には土木関係者にとって大きなメリットがあります。ICTの力で土木業界の課題と立ち向かい、もっと働きやすい環境が目指せるのです。

土木業界が抱える課題とは?

“土木業界のICT化”ともいえるCIMですが、日本がCIMというキーワードを作り導入を進める背景には、土木業界の厳しい労働環境の改善やイメージアップという意図があるのです。

・休日出勤の多さ
厳しい労働環境となっている原因の1つに、長時間残業や休日出勤の多さがあります。

国土交通省の調査によると、土木業界の休日の現状は厳しいものです。一般企業で当たり前とされている4週8休(つまり週休2日)で勤務している土木工事従事者は、全体のわずか5.6%でした。最も多いのは4週4休で、49%も従事者が週休1日で勤務しています。※3

・高齢者の大量退職による担い手不足
現在の土木作業従事者は高齢化が進んでいます。60歳以上の従事者が78万人いるのに対し、30代の従事者は63.5万人と15万人も差があり、高齢者が引退した後にノウハウを持った従事者が激減する可能性が高いのです。※4

・女性従事者の少なさ
「1億人総活躍」を進める日本ですが、土木業界にはまだまだ女性従事者が少ないというのが現状です。土木を含む建設業で活躍する女性技術者・技能者は4%程度で、全体の1割もありません。※5
さらに国の調査によると、「女性の活躍について、採用に関する数値目標を設定していますか?」という質問に対して、既に設置している企業はわずか16.4%という結果が出ました。※6

CIMによる一元管理で簡単に情報共有できる

ガスや電力、水道といった複雑なインフラ設計も含む土木作業では、それぞれの分野に特化した技術者たちが協力しあってプロジェクトを進めます。

そうなると手間になるのが、情報共有ではないでしょうか?

設計データや測量図といったあらゆる図面や資料を作成するのは時間がかかります。しかしCIMを導入すると土木作業に必要な情報を一元管理できますので、図面や資料を準備する必要がありません。全員で同じデータを見ながら作業を進められます。

同じデータを見るため認識やイメージのズレも生じにくく、トラブルや修正の回数も抑えられるでしょう。

効率化で長時間残業・休日出勤を改善

前述したように、土木業界は国が改善を進めるほど休みがあまり取れません。

依頼主によってはかなり短納期のプロジェクトもありますが、施工会社が納期を守らないわけにはいきません。

CIMを導入すれば情報をリアルタイムで共有できるため、複数の作業を並行で進められるのです。「Aという作業が終わって、情報を共有されてからBの作業を始める」という途切れがちだった業務を同時に行えれば、圧倒的に工期を短縮できます。

人材不足の手助け

CIM導入によって土木作業を効率化できれば、単純に作業時間を短縮することが可能です。プロジェクトでは、工事費が安く余裕がないために少ない人員でやりくりしなくてはいけないケースもありますよね。

CIMは部材発注の工数を削減するといったこともできるので、事務所に戻ってからの事務作業も削減できます。

作業員不足や若手不足に悩む建設会社こそ、CIMを導入して作業を効率化できればメリットは大きいでしょう。

女性も進出しやすくなる

建設や土木作業は“力仕事”というイメージが強く、女性が進出しにくいイメージがあります。親方や職人も男性が主体であり、男性作業員からすると「どう扱えばいいかわからない」と困惑するケースもあるようです。

しかしCIMを導入するには対応したソフトが必要であり、データ作成やモデリングといった作業はすべてパソコンで行います。つまり腕力や体力は関係なく、男性でも女性でも遜色なく作業可能なのです。

CIMを導入すれば“ドボジョ”こと土木女子が増え、さらに働きやすい業界になるかもしれません。

CIM導入は費用対効果でもメリットあり

CIM導入には費用がかかる

CIMの導入には、CIMに対応したソフトに切り替えなくてはいけません。選定するソフトや会社の規模によって予算はバラバラですが、当然費用が発生します。

そこで企業として気になる点が、「支払った費用以上にメリットがあるのか?」という点です。今まで使っている3DCADといったソフトから切り替えれば操作性も随分変わるため、慎重になるのも無理はありません。

しかし費用面でみても、CIMの導入効果は高いことが証明されています。

200億円規模のプロジェクトで約10%のコストダウン

建設会社や設計事務所といった実務者が集まり、2日に渡ってBIM/CIMの投資効果を検証したワークショップ事例があります。

200億円のビルを建設するというプロジェクトを基に試算したところ、結果としてプロジェクト全体の10%ものコスト削減という結果になりました。

1つずつの作業を見直したところ多くのムダが見つかり、不適切な条件での作業や労力、材料管理など過半数を超えるムダが見つかりました。

そして建設現場で多いとされる“手戻り”については、設計ミスやチェック不足による見過ごしが7割も占めていました。

部材の修正などで設計データに修正が発生すると、3DCADであれば2次元データから作り直しとなります。修正の手間が多いとミスが起こりやすく、さらにチェックミスにもつながります。

しかしCIMソフトを導入すれば3次元データのみを使って修正するので、導入前よりも設計ミスが起こりにくくなるのです。部材干渉といったミスも減るので、結果的にコストダウンにつながります。

200億円の10%といえば2億円で、大幅コストアップが可能です。建設会社や設計会社などに適切に分配されれば従業員の給与も上がり、さらに働きやすい環境になるでしょう。

まとめ

国内でも少しずつ導入が進むCIMですが、現場関係者としては「本当にメリットがあるのか?」と気になってしまうものです。しかし今回ご紹介したように、CIM導入は会社と従業員双方に大きなメリットがあり、「導入してよかった」と満足する結果になります。

土木や建設業界もICT化を進め、さらに働きやすい環境を作っていきましょう。

※1:BIM JAPAN「CIMについて」https://bim-japan.com/cim.html
※2:国土交通省「今後のBIM/CIM運用拡大に向けた整理」P.7各検討項目のロードマップ案(2/4) 適用事業の拡大
http://www.mlit.go.jp/common/001286930.pdf
※3:国土交通省「建設産業の現状と課題」P.17「建設業における休日の状況」
https://www.mlit.go.jp/common/001149561.pdf
※4:国土交通省「建設産業の現状と課題」P.12「高齢者の大量離職の見通し(中長期的な担い手確保の必要性)」
https://www.mlit.go.jp/common/001149561.pdf
※5:国土交通省「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」P.4「主な集計結果」
https://www.mlit.go.jp/common/001114256.pdf
※6:国土交通省「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」P.6 問 2_採用や登用に関する数値目標の有無(単一回答)
https://www.mlit.go.jp/common/001114256.pdf

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