1. TOP
  2. ブログ
  3. AutoCADとInventorの概要と機能比較について

AutoCADとInventorの概要と機能比較について

この記事を読むと以下の3つのことがわかります。

①AutoCAD製品の概要
②Inventor製品の概要
③AutoCADとInventorとの比較

AutoCADとInventorはどちらもAutodesk社が販売しているCADソフトウェアです。この記事ではAutoCAD製品の概要、Inventor製品の概要、およびそれぞれの比較についてまとめました。

AutoCAD製品の概要

AutoCADは様々な分野の製図が可能なCADソフトウェアです。3次元CAD(3DCAD)に対応している製品が「AutoCAD」シリーズ、2次元CADに対応している製品が「AutoCAD LT」シリーズです。
従来は様々な業種向けのAutoCADが個別に販売されていましたが、AutoCAD2019から業種別ツールセットをまとめて使用できるサブスクリプションが登場しました。
サブスクリプションとは利用したいソフトウェアを利用したい期間(Autodesk社の場合は最短1ヶ月)で選択できる仕組みで、契約期間中であれば常に最新のソフトウェアを使用でき、25GBのクラウドストレージも利用可能になっています。またAdvanced Supportと呼ばれる技術サポートを受けることもできます。(※1)
※サブスクリプションのシステムについてはAutoCAD、Inventorともに共通です。

2020年2月現在の最新バージョンであるAutoCAD2020では以下の業種別ツールセットが利用できます。(※2)
・AUTOCAD ARCHITECTURE(建築設計)
・AUTOCAD ELECTRICAL(電気制御設計)
・AUTOCAD MAP 3D(GIS と 3D マッピング)
・AUTOCAD MECHANICAL(機械設計)
・AUTOCAD MEP(機械、電気、配管)
・AUTOCAD PLANT 3D(プラント設計)
・RASTER DESIGN(ラスターイメージをDWGオブジェクトに変換)

また、スマートフォンやタブレットを使いAutoCADで作成した図面の閲覧や編集ができる「AutoCAD モバイル アプリ」やAutoCADをインストールしていないPCからブラウザベースでAutoCADが利用できる「AutoCAD Web アプリ」が提供されています。

AutoCADは業界屈指のシェアを誇っており、製図の現場ではAutoCADのファイル形式である「DWG」が業界標準(デファクトスタンダード)になっています。また、他社のCADソフトウェア間で図面データーをやり取りする「DXF」形式というものがありますが、こちらもAutodesk社が開発し、その仕様を公開したものです。現在ではほとんどのCADソフトウェアが「DXF」形式のファイルを読み書きできるようになっています。

AutoCADでは図面を「書く」「加工する」「管理する」などのコマンド群も多岐にわたり、精密で正確な図面を効率よく書くことが可能です。また、アイコンの上に1秒ほどマウスを置いていると図解されたヘルプが表示されるなど、初めてCADに触れる人にも使いやすい設計になっています。

Inventor製品の概要

Inventorは主に機械設計に向いた3DCADソフトウェアです。AutoCADでも3DCADの図面を作成することができますが、Inventorはさらに製品設計から製品開発工程の全体を支援するソフトウェアになっています。
AutoCADで培われた3DCADの技術をもとに、1999年に質量や重心の計算が可能なソリッドモデルを扱うことが出来る3DCADとしてInventorが発売されました。
その後、機構解析や構造解析の機能が追加されて現在に至っています。
Inventorで出来ることはモデリングから設計、シミュレーション、レンダリングなど複雑な内容になっていますが、操作は直感的でAutoCADによく似たユーザーインターフェースになっています。そのためAutoCADに慣れたユーザーであればそれほど迷うことなくInventorを使っていくことが可能です。
Inventorでの製品開発は3Dモデリングで「パーツ」を設計し、それを組み合わせて「アセンブリ」を作るという作業で進めていきます。作成したアセンブリは荷重をかけながら動作や速度、加速度といった状態をシミュレーションすることができます。また、どの製造過程でもパーツにかかる応力解析を行うことが可能です。
Inventor上で制作した製品はアニメーションを用いてプレゼンテーションしたりマニュアル化するツールが用意されています。
また、机などの小道具の上に製品を置き、それに照明を当ててカメラで撮影するなどのイメージレンダリング機能も搭載されています。
実際に製品を制作しない段階においてでも様々なシミュレーションが行えるソフトウェアがInventorの特徴です。

AutoCADとInventorとの比較

上記で説明したとおり、AutoCADは「製図」にフォーカスしたCADソフトウェアに対し、Inventorは製品設計から製品開発工程全体を支援するソフトウェアになっています。

・ファイル形式(拡張子)の比較
AutoCADは2DCADも3DCADも「DWG」であるのに対し、Inventorは「パーツ」が「IPT」、「アセンブリ」が「IAM」、「図面」が「IDW」またはAutoCADと互換性のある「DWG」、プレゼンテーションが「IPN」と複数のファイル形式で成り立っています。

・3Dモデリングの比較
AutoCADの3Dモデリングは、直方体や円柱、円錐、くさび、トーラスなどの立体描画や2D図形からの押し出し、ロフト、回転、スイープ、各種ソリッド編集や修正などの基本的な機能が用意されています。
一方Inventorの3Dモデリングは機械部品を制作しやすいコマンドが数多く用意されており、例えばコイル、ねじなど、AutoCADでは複数のコマンドを組み合わせる必要があるものが一度の操作でできるようになっています。
また、Inventorには「2Dスケッチ」という機能があります。これはまず形や大きさを定めない大まかな形(ラフスケッチという)を書きます。それに幾何学的な条件(幾何拘束という)や大きさと位置の条件(寸法拘束という)を自動(あるいは手動)で設定して2Dのモデルを作ります。それを押し出しコマンドなどで3Dにしていく機能です。

・その他の機能の比較
3Dで制作した製品をアニメーションで動かしたり照明を当ててカメラで撮影する機能はAutoCAD、Inventorともに実装されています。
さらにInventorにはパーツを複数組み合わせた「アセンブリ」という概念がありこれによってパーツから製品を組み立てる工程をコンピュータ上で実現することが可能です。
この機能はAutoCADにはありません。また構造解析や機構解析など製品の設計開発に必要なシミュレーションができるのもInventorのみになっています。

まとめ
以上、AutoCADとInventorの製品概要とその比較についてまとめてみました。
汎用的な製図がメインの場合はAutoCAD、製品開発や機械設計がメインで、構造解析や機構解析などのシミュレーションまでを一貫して行いたい場合はInventorと用途によって使い分けるのが良いと思います。

参考URL
(※1)
https://knowledge.autodesk.com/ja/customer-service/account-management/users-software/access-software-services/about-subscription

(※2)
https://www.autodesk.co.jp/products/autocad/included-toolsets

大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!

❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX


▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP