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CATIAは点群データをインポートできる?活用方法を解説

機械設計に特化した3DCADソフトのCATIAシリーズは、ハイエンドな3Dモデリングができることから多くの企業で採用されている製品です。他のCADソフトではできないことも、CATIAであれば対応しているというケースも少なくなく、そのポテンシャルをいかんなく発揮できるよう、機能面での理解を深めたいところです。

この記事では、そんなCATIAシリーズを使って点群データをインポート、そして活用することができるのかについて、詳しく解説します。

目次:

  1. CATIAの強み
  2. 点群データとは
  3. 点群データ活用のメリット
  4. CATIAは点群データをインポートできる?
  5. CATIAで点群データをインポートする方法

CATIAの強み

そもそもCATIAとは、フランスのソフトウェア会社であるダッソー・システムズが開発した機械設計向けの3DCADソフトです。世界中の設計事務所や大手メーカーなどで採用されているCATIAシリーズの強みは、なんといっても機械設計特化のハイエンド3DCADソフトである点が挙げられます。

3DCADソフトとは一言で言ってもさまざまなバリエーションがあり、製品ごとに特色は異なります。CATIAはいわゆる専用CADソフトの一種で、機械設計に特化した機能が充実しており、自動車や航空、そのほか機械部品メーカーやエネルギー関連の企業で採用されているのが特徴です。

また、CATIAはいわゆるハイエンドCADソフトとしても知られていますが、これは設計者のあらゆるニーズに応えられる、ポテンシャルの高い製品であるということです。CADソフトにはある程度グレードが存在しており、ローエンド製品、ミドルエンド製品、そしてハイエンド製品と、明確な定義はありませんが、これら3つに分類することができます。

ローエンド製品は基本機能だけを備え、実践的な業務では不便がある製品、ミドルエンド製品は実践的だが、高度な業務では不便がある製品、そしてハイエンド製品は全ての業務に適用可能という評価です。

CATIAシリーズは、最上位であるハイエンドの3DCADソフトとして知られており、機械設計業務であればCATIAを使ってできないことはほぼないとも言えるほど、信頼性の高さを備えています。これまでCAD製品を使ってきたが、今ひとつ機能面で納得がいかないという経験をしてきた場合、CATIAシリーズが期待に応えてくれることになるでしょう。

点群データとは

3Dモデリングの本格的な運用を検討する上で、必ず登場するのが点群データの存在です。点群データとはその名の通り、無数の点群によって構成されたデータのことを指し、点群データを線で繋ぐことで、3Dモデルに変換することができます。

点群データを扱う場合、通常のCGモデルから点群データに変換して運用するケースもあります。ただ、それよりも多いのは3Dデータを持たない立体物を3Dデータとして取り込みたい時です。

3Dデータを有しない立体物は、周りを見渡してみると無数に存在します。岩や山、海岸線といった自然の構造物はもちろんのこと、3Dモデリングが普及する以前に建てられた建物やインフラなどは、3Dモデルを参考にしながら設計に組み込むことはできません。そこで役に立つのが3Dレーザースキャナで、これらの構造物を3Dデータに変換することができます。

そしてその際、生成されるのが点群データです。実在する立体物をスキャナで取り込み、点群データとしてCADソフトに読み込むことで、立体物を設計に極めて正確な形で反映させられるというわけです。

点群データ活用のメリット

点群データを設計業務に取り入れることは、設計者にとってどのようなメリットがあるのでしょうか。まず、点群データは通常の3Dモデルに比べ、データ量が小さいので軽快な運用ができるという点が挙げられます。古くなったマシンを3Dモデリングで利用している、あるいはデスクトップに比べてスペックの劣るラップトップを使用している場合、CATIAのようなハイエンドCADソフトは正常に動作しない可能性があります。

そこで少しでも負荷の小さい、点群データを有効活用することで、設計業務の負担を軽減し、スムーズな作業の遂行を促すことができます。

また、点群データで3Dモデルを出力すれば、立体物のスキャンそのものを高速化することもできます。広範囲の3Dモデルをゼロからスキャンして用意しなければならない場合、とにかくスキャンの効率を高めなければいけません。点群データであればデータ化に伴う負荷を最小限に抑えられるため、点群データを生成し、後から必要に応じて綺麗な3Dモデルに仕上げるという運用方法が可能です。

CATIAは点群データをインポートできる?

点群データは使い方次第で、通常の3Dモデルよりも非常に便利な運用効果が期待できます。ただ、一つ問題となるのがCATIAで点群データを運用することができるのかという点です。

CADソフトによっては点群データをインポートすることができず、あくまで生成した3Dモデルしか扱うことができない、ということもあります。結論から言うと、CATIAは点群データをインポートの上、積極的に活用することが可能です。

CATIA常に点群データをインポートすることで、点群データの編集はもちろんのこと、メッシュデータの作成やサーフェスの作成まで、シームレスに実行できます*1。CATIA以外にツールを立ち上げる必要もなく、無駄のない作業環境を実現できるのも、CATIA導入のメリットと言えるでしょう。

CATIAで点群データをインポートする方法

それでは、CATIAを使って点群データをどのようにインポートすれば良いのでしょうか。これは「STL形式のモデルをインポート」という操作を行うことで可能です。

CATIA V5には、[STL インポート]という機能が備わっているので、これをクリックして読み込みたい点群データを選べば、インポートは完了です。ちなみにSTL形式は、点群データの保存形式として非常にポピュラーなものなので、これから点群データを多用する場合には覚えておきましょう。

また、点群データをインポートする際に気をつけておくべきなのが、点群データの点の数です。1万を超える点の数を持つデータを読み込もうとすると「この構成には点が多すぎます」というエラーが出てしまい、インポートができません*2。

これはCATIAのワークベンチ機能である 「STL ラピッド・プロトタイピング」を使用しているために発生するエラーです。このエラーが出た場合、ワークベンチの「デジタイズ・シェイプ・エディター」における [インポート] を選ぶことで、回避が可能なため、積極的に活用しましょう。

まとめ

この記事では、CATIAを使って点群データをインポートできるか、そして点群データを使うことで得られるメリットについて解説しました。CATIAはハイエンド3DCADソフトとして活躍している製品ということもあり、点群データのインポートに問題はありません。

CATIAの持つポテンシャルを存分に発揮し、柔軟な設計を実現しましょう。

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参考:
*1 CAD JAPAN「CASE6 : 点群データから詳細設計まで一気通貫で行いたい!」
https://www.cadjapan.com/products/items/catia_v5/solution/case/g_03/case6.html

*2 大塚商会「[CATIA] [STL インポート]を実行すると「この構成には点が多過ぎます。」とメッセージが表示される」
https://faq.mypage.otsuka-shokai.co.jp/app/answers/detail/a_id/313765/~/%5Bcatia%5D-%5Bstl-%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9D%E3%83%BC%E3%83%88%5D%E3%82%92%E5%AE%9F%E8%A1%8C%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%80%8C%E3%81%93%E3%81%AE%E6%A7%8B%E6%88%90%E3%81%AB%E3%81%AF%E7%82%B9%E3%81%8C%E5%A4%9A%E9%81%8E%E3%81%8E%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82%E3%80%8D%E3%81%A8%E3%83%A1%E3%83%83%E3%82%BB%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%8C%E8%A1%A8%E7%A4%BA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%82%8B

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