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Amazon echo Budsの登場でますます目が離せないワイヤレスイヤホン

AppleのAirPods ProやソニーのWF-1000XM3など、昨年から「ノイズキャンセリング機能付きイヤホン」がホットな話題になってきていますね。現在、高価格帯では前述2製品が代表的なモデルとして注目されていますが、実はあのAmazonからもこの分野へ参入するプロダクトが発売されています。現在はアメリカ国内のみとなっていますので、まだ実機に触れる機会は少ないと思いますが、今後国内発売も予想されますので今のうちに少し予習しておきましょう。

アクティブノイズキャンセリングの高性能化で急速に普及

外部から入る雑音をシャットアウトしてピュアな音楽などの音を耳に直接伝える仕組みは、ノイズキャンセリングと言われます。イヤホンと耳との密閉性で物理的にシャットアウトする技術は以前からありましたが、最近話題となっているノイズキャンセリングは電子的な技術を利用しています。外部から耳付近に伝わる音をマイクで拾い、その逆位相の音をぶつけて相殺するというものです。この技術を利用したAppleのAirPods ProとソニーのWF-1000XM3が発売されたことで急速に広がっているのが現在の状況です。

この電子的な周辺雑音のシャットアウトのことを、物理的な遮蔽と区別して「アクティブノイズキャンセリング」と表現しています。AirPods ProやWF-1000XM3もこのアクティブノイズキャンセリングを搭載しており、そのクオリティが特に製品の価値として評価されているのがヒットの理由です。各社とも「アクティブノイズキャンセリング」にオリジナルの技術を詰め込み、他社との差別化をはかることで製品の優位性を競っています。

「Amazon echo Buds」はAppleやソニー製品とは若干立ち位置が異なる製品

Googleが2019年12月にアメリカ国内で発売した「Amazon Echo buds」は、Echoファミリーの中の一製品という位置付けですから、単純にAppleやソニーの製品との音楽再生の音質だけを比較してもあまり意味がありません。「Amazon Echo buds」の語るには、Echoファミリーの中でどのようなポジションを持ち、実際の利用場面でどのように役立つかを見ていく必要がありますが、まずはスペック面からの比較から見ていきましょう。

BOSEの技術を利用したノイズリダクション

「Amazon echo Buds」で注目されるのは、ノイズキャンセリング技術で有名な音響機器メーカーBOSE社のノイズリダクション技術を利用しているという点です。少しわかりにくいですが、AmazonのEcho budsを紹介するページでも明確に”Noise Reduction”と区別しています。どのような違いがあるのかについては、詳しい情報がどこにも出ていないようです。*注1

THE VERGEの記事によると、Amazonのイヤホンに利用されているノイズリダクションは完全なノイズキャンセリングではない、と記述されています。「AmazonがEcho budsで利用しているノイズリダクションは、BOSEのアクティブノイズキャンセリングとは異なる。」とBOSEのスポークスマンがTHE VERGEに語ったとのことです。これは、2020年に発売が予定されている、BOSE社のノイズキャンセリング機能搭載製品との比較を意識してのコメントのようです。*注2

Amazonのノイズリダクションの性能が低いという文脈ではなく、そもそもの目的が異なるので、完全なノイズキャンセリングは必要ないということのようです。では、Amazon Echo budsのターゲットとは何で、どのような用途を目的としているのでしょうか?その辺を把握した上で自分にふさわしい製品をチョイスすることが大切になりそうです。

基本的なスペックと魅力的な価格

何といっても驚くのはその価格です。戦略的な意味もあってのことだろうと推察できますが、Apple AirPods Proが249ドル、ソニーのWF-1000XM3が228ドルに対して、Amazon Echo budsは123ドルです。AirPodsの場合110円/ドル換算で約27,500円であり、国内消費税を加えると3万円を超える高価格帯に属するイヤホンですが、Amazon Echo budsはその半額程度というのは大きな訴求力があるのは間違いないでしょう。

残念なのは現在アメリカ国内でのみ販売となっていますので、日本で入手するためには転送サービスを利用する必要があります。それでもトータル18,000円程度で手に入れることができます。日本での発売までどうしても待てないという場合は、転送サービスも選択肢の一つになるかもしれません。*注3

基本的なスペックとして、前述したBOSEのノイズリダクション技術を採用し、左右分離型のワイヤレスイヤホンです。形状は耳穴に挿入するカナル型であり、イヤーウィングを使うことによって耳に固定することができるので、遮蔽性と脱落防止に役立ちます。IPX4の耐水性はAppleのAirPods Proと同程度で日常的な利用やスポーツ利用での体汗性能は問題なさそうです。

大きさ・重量はAppleのAirPods Proとほぼ同程度、ソニーのWF-1000XM3の半分程度の重量です。本体表面がタッチパッドになっていますので、ダブルタップと長押しで操作をすることが可能です。初期設定ではダブルタップでノイズリダクション(周辺雑音の遮断)とアンビエントサウンド(周辺音の取り込み)の切り替えができるようになっていますが、これはスマホのアプリから設定を変更することができます。

バッテリーの持続時間はEcho Buds単体で約5時間、充電ケースを利用すると約20時間となります。残念なのは充電のインターフェースがUSB Type-Cではなく、microUSBだという点でしょうか。急速充電には対応していませんので、忘れないように余裕を持って充電しておく必要があります。

アメリカ国内での評判はどうなの?

基本的なスペックとしてはApple AirPods Proに似ているような気がしますが、ノイズキャンセリングのレベルがやはり今ひとつ、というのが大まかな評価のようです。価格設定から言っても、Proではなくノイズキャンセリングを搭載していないAirPodsが競合製品と考えた方が良いかもしれません。microUSBやノイズリダクション(ノイズキャンセリングではない)を採用したのは価格を抑えるためなのかも知れません。

実際に、Amazonのレビューを見てみると、

◯Amazon Echo buds
☆☆☆☆☆ 44%、☆☆☆☆ 18%、☆☆☆ 14%、 ☆☆ 11%、 ☆ 14%

と最高評価は全体の半数以下で☆2つ以下の低評価も全体の4分の1となっています。

ちなみに同じようにアメリカAmazonの販売ページでの評価を比較してみると

◯ソニー WF-1000XM3
☆☆☆☆☆ 54%、☆☆☆☆ 16%、☆☆☆ 11%、 ☆☆ 8%、 ☆ 10%
◯Apple AirPods Pro
☆☆☆☆☆ 80%、☆☆☆☆ 9%、☆☆☆ 4%、 ☆☆ 3%、 ☆ 4%

となっています。ちょっとAppleの飛び抜けた高評価には驚いてしまいます。*注4

Echoファミリーの一つしての利用が最も効果的

実は、ここで主に比較している3製品(Apple、ソニー、Amazon)は、その利用目的がやや異なるという特徴があり、それを考慮しないとせっかく購入してもミスマッチが生じ、満足感が得られない可能性があります。Amazon Echo budsについては音楽視聴を優先し、音質や周辺環境音の完全シャットアウトを目的とする方向ではありません。それならソニーのWF-1000XM3が最適でしょうし、ここでは紹介していないBOSEなどの製品も選択肢としてはふさわしいと思われます。

では、Amazon Echo budsはどんな用途に向いているのでしょう?この製品は、スマートスピーカーなどのEchoファミリーの一員として利用するのが最も効果的に能力を発揮します。Alexaを使ってさまざまなアクティビティを実行する時の「音声入力端末」という位置付けです。スマートスピーカーがそばになくても、Echo budsを通してAlexaに話しかけるという用途で、その実力が発揮できます。

このような利用をターゲットとしているため、音楽視聴用としてみるときの周辺雑音のシャットアウトはあくまで「それなりに」という性能です。音声指示を出したり、Alexaを通じた各種サービスの音声ガイダンスを聞くときに邪魔にならない程度であれば良いことになります。しかし、各種のレビューを見る限りではそれなりに遮蔽性が高いので、こだわりがなければ、普段使いの音楽視聴にも十分な性能だといえます。

そう考えると、高いレベルのでノイズキャンセリングや、高音質の音楽視聴を期待して「Amazon Echo buds」を購入した人が、低い評価をつけている可能性は否定できません。目的とミスマッチだっということでしょう。音質に高い期待をせず、自宅ですでに利用しているAlexaを中心としたEchoファミリーの一つとして購入した人ならば、期待通りという評価なのかもしれません。

【まとめ】
実は長い歴史を持つノイズキャンセリング技術ですが注5、ソニーが世界で初めてデジタル処理を実用化し製品として発売したことや、スマートフォンの登場によって、急速に私たちの身の回りに普及してきました。そこに、Echoファミリーの一つとしてリリースされたEcho budsは、注目に値する製品となりそうです。実は、国内での技術基準適合マークが確認されているので、そう遅くない将来に日本での発売も実現するかもしれません。注6

BOSEからも2020年に新製品の発売が予定されているようですから、ノイズキャンセリングイヤホンの購入を検討している方にとっては悩ましい年になりそうです。

 

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参考
注1 Amazon Echo buds
https://www.amazon.com/Echo-Buds/dp/B07F6VM1S3/ref=pd_rhf_se_p_img_3?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=0R3RFXWWAJXGY23WSBHK

注2 THE VERGE
Bose says its earbuds will be better than Amazon’s Echo Buds with Bose technology
https://www.theverge.com/2019/9/25/20884367/bose-says-upcoming-earbuds-better-than-amazon-echo-buds

注3
engadget
Amazon Echo Budsレビュー。Alexaに価値を見出せるかが評価の分かれ目
https://japanese.engadget.com/2019/11/07/amazon-echo-buds-alexa/

注4
Amazon Echo buds
https://www.amazon.com/Echo-Buds/dp/B07F6VM1S3/ref=pd_rhf_se_p_img_3?_encoding=UTF8&refRID=0R3RFXWWAJXGY23WSBHK&th=1

Sony WF-1000XM3
https://www.amazon.com/Sony-WF-1000XM3-Industry-Canceling-Wireless/dp/B07T81554H/ref=sr_1_1?keywords=wf-1000xm3&qid=1582522879&s=amazon-devices&sr=8-1

Apple AirPods Pro
https://www.amazon.com/Apple-MWP22AM-A-AirPods-Pro/dp/B07ZPC9QD4/ref=sr_1_1?keywords=airpods+pro&qid=1582522945&sr=8-1

注5 PHILE WEB
ノイズキャンセリング・マスターに訊く、ボーズ“ノイキャン史”と新モデル「QC35」の強さ
https://www.phileweb.com/interview/article/201607/01/379.html

注6 engadget
https://japanese.engadget.com/2019/11/07/amazon-echo-buds-alexa/

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