鹿島建設と竹中工務店がIoTを相互利用!その目的とメリットは?


2020年の1月末、鹿島建設と竹中工務店は、IoT分野の研究開発、および運用について、技術連携を進めていくことを発表しました。

建設業会における二大巨塔であり、国内最大級の競合同士がIoTの相互運用を進めていくことになった背景には、どのような要因が考えられるのでしょうか。

①建設業界のトップ企業同士による技術提携
②建設業界全体の刷新を図る
③生産性だけでなく、業界への印象にも改善効果が期待

鹿島建設と竹中工務店がIoT分野で連携を開始

これまで技術競争などを行い、日本の建設業界を牽引してきた鹿島建設と竹中工務店ですが、次世代の主要なテクノロジーと考えられているIoT分野における連携プロジェクトの発表は、話題となりました。

競合同士で行われるIoTの相互利用

今回発表されたのは、両社の間でロボット施工・IoT分野における基本合意書が締結され、2019年の12月より技術連携が始まっているという内容です*1。
建設業界最大手である鹿島建設と竹中工務店が共同でIoTプロジェクトを進めていくことで、業界全体のIoT化の促進を進めたいというのが目的に含まれています。

建設RX(Robotics Transformation)プロジェクトで行われる技術開発

両社がIoT技術の促進、および技術開発を進めていく上で展開しているのが、「建設RXプロジェクト」チームです*2。
デジタル変革(DX)という言葉になぞらえ、ロボット変革(RX)を起こしていこうというネーミングとチームの下、合同でIoT技術の開発と導入を進めていくことが決定、すでに着手しています。

建設業界が抱える課題を、最大手の二社が足並みをそろえてIoTに取り掛かることで、業界全体の課題解決を図っています。

建設業界が抱える課題

それでは、建設業界が現在抱えている課題には、どのようなものが挙げられるのかを見ていきます。

生産性の停滞

一つ目は、生産性の停滞です。高度経済成長期より、日本の発展を支えてき建設業界ですが、設備投資や人材の育成などが滞っており、労働生産性は長い停滞期に入っていると言われています*3。
建築技術そのものが向上していても、実際の現場における技術力が停滞しているようでは、工期は必要以上に伸びてしまい、建設コストの悪化につながってしまいます。

今でこそ国内企業への発注が続いてはいるものの、今後先進的な技術と高いコストパフォーマンスを有する海外企業が日本に進出してきた場合、日本の建設業が本格的に衰退していってしまう可能性もあるのです。

労働人口の減少

建設業界は肉体労働を伴うということもあり、労働人口の減少が著しい業界でもあります。
日本は現在少子高齢化の時代に差し掛かっており、肉体労働に耐えうる若者の数も減少しています。

現在は外国人労働者の受け入れにより、なんとか労働力の確保を間に合わせていますが、生産性の向上によって、労働人口の減少に耐えうるシステムの構築を急がなければなりません。

働き方改革

生産性が向上せず、かつ退職者が増え、新たな労働人材の確保に苦慮することで生まれる負担は、今現場で働く労働者の肩に重くのしかかることになります。
休日をなかなか取ることができない上、長時間労働が続くことで、ストレスと身体的負担の多い、質の低い労働環境が形成されます。

こういった状態が長く続けば、次第に現場でのインシデント発生リスクも大きくなっていき、さらに人が減っていくという悪循環にもつながりかねません。

働き改革を進めて優秀な人材を確保するためにも、ハイテク技術の導入による根本的な生産性の向上が欠かせないのです。

鹿島建設と竹中工務店のIoT連携で可能になること

鹿島建設と竹中工務店は、共同でIoTの開発、および運用に取り掛かることで、どのようなメリットを享受することになるのでしょうか。

建設業界が抱える課題の解決

一つ目は、建設業界が抱える課題をしっかりと解消していく第一歩につながる点です。
すでに機械遠隔操作や管理システムのプラットフォームの共同開発は行われており、搬送用ロボットや数値測定ロボットの導入も、共同でそれぞれの現場で実施されています。

これらの技術を迅速に実践導入し、速やかな生産性の向上につなげることで、人手不足の改善、および労働環境の改善につながっていくことが期待されています。

ロボット、およびAIやIoTは、人間と違って24時間でも働き続けることが可能な点は、肉体労働を伴う建設業界においては、大きな生産性の向上につながると考えられています。

開発重複によるコスト削減

IoTの研究開発を共同で進めていくことで、同じ技術を別個に開発するという非合理的な研究を進めるコストも削減することができます。
一昔前であれば、競合他社に自社技術は流出させないというのがセオリーでしたが、縮小を続ける日本市場の中で建設業界が生き残るためには、日本の業界全体で生産性を向上させ、グローバル展開ができる技術を獲得する必要があります。

鹿島建設と竹中工務店の提携も、業界内における先進的なIoT技術の開発・普及を進めていくだけでなく、日本の建設業界全体を改善していくことがミッションとして掲げられています。

目的達成のためなら、良い意味で手段を選ばないというのが、今回の技術提携のニュースから窺うことができます。

建設業界のイメージの刷新

保守的で変化に疎いイメージも、建設業界に付きまといやすい印象です。これまで、イノベーティブな実践が日本の建設業界の中で進められてこなかったのは、こういった保守的な風潮を嫌って、先進的な人材が業界の中へ来てもらえなかったことも原因として考えられます。
業界の二大巨頭が率先して技術提携を進め、次世代の労働環境形成を進めていくことで、これまで建設分野に興味を持っていなかった人材の確保を可能にし、さらなる業界の飛躍も期待できるようになるでしょう。

おわりに

生産性の停滞と労働人口の減少がネックとなっている建設業界は、日本で最も最新テクノロジーを必要としている業界であるとも言えます。
時代に鈍感と言われてきた業界のトップ企業が、積極的なイノベーションに乗り出すことで世間に与えるインパクトは、やがて日本全体に大きな余波を与えていくことになりそうです。

出典:

*1 竹中工務店「ロボット施工・IoT分野における技術連携について」
https://www.takenaka.co.jp/news/2020/01/03/index.html

*2 上に同じ

*3 ビジネスコミュニケーション「3. 建設現場の働き方改革を実現する 『建設IoTソリューション』」
https://www.bcm.co.jp/solution-now/cat-solution-now/cat-now-iot/2018-10_1310/

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