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Amazonが透明性レポートを公開 どの程度情報提供されているのか

突然ですが、Amazonというと、何を思い浮かべるでしょうか。
Amazonのサイトで買い物をするのはもちろんのこと、映画や音楽も楽しめます。
また、自宅でEchoやAlexaの搭載された機器を使ったり、Kindleで読書をしている方も多いでしょう。

このようにAmazonは生活を豊かにする一方、あなたの情報を収集しています。
手に入れた情報は、よりよいサービスのために活用するという一面もありますが、政府等の関係機関に要請された場合には、証拠として提供されることがあるのです。

今回は、Amazonが半年ごとに公表している「透明性レポート(Amazon Information Request Reports)」を紹介します。

この記事を読むと以下の3つのことがわかります
①透明性レポートとは何か
②2020年1月発表の、Amazon透明性レポートの内容
③透明性レポートにみる、各IT企業の顧客の情報に対する姿勢

そもそも「透明性レポート」とは

はじめに、透明性レポートの概要について紹介していきます。

テクノロジー企業を中心に公表されているレポート

透明性レポートは、Amazonだけが公表しているのではありません。
たとえば、GoogleやAppleも定期的に公表しています。
規模の大きなIT企業では、公表するのがスタンダードになっているといってもよいでしょう。

内容は、利用者から収集したデータの開示に関すること

IT企業では、利用者に関する様々な情報を収集しています。
会員の購入履歴を通して趣味嗜好を把握したり、検索によって興味関心を探ったりします。
一人ひとりの会員から得られた情報をデータとして利用するので、会員数が多い企業では相当な情報を収集していることがわかるのではないでしょうか。

データが収集されていると聞くと、「どんなサイトがどんなデータを集めているのか」と気になるのが当然です。
また、何が収集されているのかわからなければ、その企業に対して不信感を抱くでしょう。

そこで、利用者のデータがどのように収集され、どのように活用されているのかを示したのが透明性レポートです。
特に、企業がどの程度政府等への情報を提供しているのかが示されているもののことを指します。

Amazonの透明性レポートは、2015年から公表

Amazonでは、2015年から透明性レポートの公表をはじめました*1。
主に、Amazonが政府等の機関から情報提供を依頼された回数などが掲載されています。

2020年には5年目となるAmazonの透明性レポートですが、実は他社に比べて公表開始が遅れていたことでも話題になりました。しかも、Fortune500の大手IT企業で一番最後だったのです*2。

実際に、Googleは2010年3、Twitterは2012年4、Appleは2013年*5には既に透明性レポートが公表されはじめていました。

そう考えると、Amazonは遅めの公表だったといえるでしょう。

Amazonの透明性レポートの内容は?【2020年1月31日公表】

ここでは、実際にAmazonの透明性レポートの内容を紹介していきます。
ここで紹介するのは、記事執筆時で最新の2020年1月公表版*6です。
日本語版は公開されていないので、アメリカの情報である点にご注意ください。

Amazonが情報提供を要請される機関と提供内容

レポート*6によれば、

• 召喚状
• 捜査令状
• その他の裁判所命令
• NSLおよびFISA(外国情報監視法による手紙や裁判所の命令)
• アメリカ国外からのリクエスト

の5つから情報提供の要請があるようです。

そして、提供される情報の内容としては、

• Amazonアカウントの情報
• 名前、メールアドレス、購入履歴やサービスの利用情報などの情報

があります。

2019年の情報提供数は?Amazonの透明性レポートの詳細

2020年1月に公表された透明性レポート6は、2019年の7月から12月が対象となっています。
召喚状による情報提供依頼が1,841件で、そのうちの約74%である1360件に対して情報提供をしました。
ちなみに、同じく2019年の1月から6月のレポート
7によると、召喚状による情報提供依頼が1,955件だったそうです。
そのため、依頼数としては減少しているとのことでした。

そのほか、捜査令状による依頼は440件、その他裁判所の命令は144件でした。この件数は、2019年1月から6月の件数とほとんど変わりません。

レポートはPDFで3ページと短いため、英語が苦手でなければ比較的簡単に読めます。
より詳細な情報が知りたい方は参考URLの6と7を参考にしてください。

透明性レポートの充実度にみる、企業の情報開示に対する姿勢

Amazonの透明性レポートについては、他社と比較すると気になる点が多くあります。
ここでは、Amazonと他社を比較しながら、企業の情報開示に対する姿勢について考えていきます。

Amazonの透明性レポートは、本当に透明か

そもそも、Amazonの透明性レポートは透明といえるのでしょうか。

GoogleやAppleなどの透明性レポートでは、情報提供に関して図やグラフを用いてわかりやすくまとめられています。
また、本社のあるアメリカだけでなく、各国のデータを見ることが可能です。
そして、情報を開示したタイミングからの推移を見ることもできます。

これらの透明性レポートを見てしまうと、Amazonのものは透明性が高いとは言えません。
Amazonの透明性レポートは、PDF3ページに数字が掲載されている非常にシンプルなもの。
また、各社に比べてリクエスト依頼数が少ないのです。
もちろん、GoogleやAppleのようにスマートフォンのOSを作っているわけではないので、件数が少ない可能性もあるでしょう。
数字についての信憑性は判断しかねますが、少なくとも利用者目線で情報を開示しているようには思えません。

また、Googleの透明性レポートページにある「業界レポート」には、各社の透明性レポートへのリンクが一覧で紹介されています*8。
そこにはIT関係の会社が並んでいますが、なぜかAmazonの掲載がありません。
Googleから見たら、Amazonのレポートは透明性レポートとは呼べないものなのかもしれません。

日々利用しているサイトのレポートに目を通すのがおすすめ

普段何気なく使っているサービスでも、必ず情報は収集されています。
収集している情報は企業ごとに変わってくるので、興味のある方は透明性レポートを確認してみるのがおすすめです。

多くの企業は、透明性レポートを利用者にわかるように掲載しています。
レポートの内容の充実度をみると、企業の情報収集や情報開示に対する姿勢が見えるでしょう。

◆まとめ
今回は、Amazonの透明性レポートについて紹介しました。

情報収集されるのが怖いからといって、インターネットを活用しないで生活するのは難しいでしょう。
あなたができる対策としては、企業の透明性レポート等を読み、どんな情報が収集され活用されているかを確認することです。

筆者の感覚では、Googleの透明性レポートが一番理解しやすいと感じました。
日々利用しているGoogleアカウントについての情報が日本語で掲載されている上に、グラフ等も用いられています。
Amazonの英語版のものが読みにくいと感じたら、Googleのものを読んでみるのもおすすめです。

◆参考URL
1)Privacy and Data Security | AWS Security Blog
2)アマゾン、初の「透明性レポート」をようやく公表 – CNET Japan
3)Google Public Policy Blog: Tools to visualize access to information
4)Transparency report
5)Privacy – Transparency Report – Apple
6)July – December 2019 Report |Law Enforcement Information Requests
7) January – June 2019 Report |Law Enforcement Information Requests
8)Google 透明性レポート


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