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進化するGoogle画像検索〜仕様変更から読み解くGoogleの狙いとは?

Googleといえば、今や知らない人は居ない、世界で最も強力な検索サイトの1つです。
そんなGoogleの代表的な検索ツールの1つが、キーワードに沿った画像を検索できる「Google画像検索」。
これを活用すれば、広大なインターネット上のサイトを横断して、目的の画像をもっているサイトを調べる事が可能です。
今回はそんなGoogle画像検索について、ここ数年で行われた仕様変更の内容や、そこから見え隠れするGoogleの狙いについて解説したいと思います。

この記事では次の事がわかります
・Google画像検索の基礎知識
・Google画像検索は何が変わったか?
・仕様変更に見え隠れするGoogleの狙い

Google画像検索はこんなサービス

まず初めに、Google画像検索がどのようなサービスかをご紹介しましょう。
Googleの画像検索サービスは、ユーザーが入力したキーワードに対して、適合する可能性の高い画像のサムネイルと掲載サイトのリンクを表示するサービスです。
なお、キーワードは何もテキストに限定されている訳ではなく、ユーザーがアップロードした画像を元に類似する画像(とその掲載サイト)を検索することも出来ます。
ただし、”画像や掲載サイトのオリジナル”を検索するシステムではない為、一番最初にその画像を作成・掲載したサイトが結果に出てくるとは限りません。
単に画像やそれを使っているサイトを探すだけなら問題ありませんが、著作権者へ連絡を取りたい場合などは、もう一手間を要する事も珍しくないのです。
とはいえ、画像を元に画像を検索できるサービスはあまり多くないので、Google画像検索が便利なものであることには変わりありません。

Google画像検索の弱点

Google画像検索は、画像やそれを掲載しているサイトを探す為に使う為のサービスですが、現状ではいくつかの弱点もあります。

必ずオリジナルの画像を探せる訳ではない

Google画像検索で探せるのは、あくまで”キーワードへの適合率が高い画像とその掲載サイト”です。
よって、検索結果に出てきた画像と掲載サイトが、一番最初にその画像を作成・掲載したオリジナルとは限りません。
単に画像や掲載サイトを探したいだけならそれでも問題ありませんが、論文へ引用する等どうしてもオリジナルを探す必要性がある場合は、検索結果をヒントに自力でオリジナルのサイトへ辿り着く必要があるのです。

リンク先に画像が掲載されていない事もある

稀にですが、検索結果のリンクから画像の掲載サイトへ飛んだところ、必要な画像がリンク切れや掲載終了になっていたという事もあります。
読者のみなさんの中にも、探し求めた画像を見付けたらリンク切れになっていてガッカリしたという経験を持っている方は、結構多いのではないでしょうか?
これはあくまで筆者個人の推測ですが、Googleの画像検索は同社のWebサイトキャッシュの中から検索を掛けており、結果としてキャッシュが本家(Webサイト側)の更新に追いつくまでの間に前述のような問題が起こるものと思われます。

Google画像検索は何が変わった?

かつては通常のWebサイト検索と大差がなかったGoogle画像検索も、最近はジワジワと機能追加や仕様変更が行われています。
次は、ここ数年の仕様変更の内容について、簡単にご紹介していきましょう。

画像への直接リンクを排除

当初、Google画像検索の結果表示には、画像への直接リンクが用意されていました。
しかし、2018年に入りこちらは削除され、現在は掲載元のサイトへ飛ぶことしかできません。
原因は他社との法廷闘争*1 にあったのですが、画像への直接リンクは必ずしも掲載元サイトが望む行為ではない為、これは致し方ないことと言えるでしょう。

アップロードした画像と類似するものを検索可能に

冒頭でも少し触れましたが、現在のGoogle画像検索ではテキストの検索ワードに加え、ユーザーが提示した画像を元に検索を行う事も可能です。
これにより、自分が持っている画像の出典元や同じ画像を使っているサイト、或いは類似する画像を簡単に探せるようになりました。
また、関連するサービスとして、スマートフォンのカメラで撮影した製品を検索できる「Googleレンズ」もリリースされています。

モバイル版にはAMP対応サイトへの簡易アクセス機能も

スマートフォンでGoogle画像検索を利用していると、一部の画像の詳細画面の下にカード型の簡易ブラウザが出てきて、簡単に掲載サイトを閲覧できる事があります。
これはモバイル版Google画像検索に追加された新機能で、サイト側がAMP(Googleが推奨するWebサイトの規格)に適合している場合に限り利用可能です。
AMPはAccelerated Mobile Pagesの略で、Googleが現在推奨しているWebサイト構築のルールのようなもの。こちらを守って作られたサイトは、従来よりも高速に表示することが出来るようになります。*2
Google検索ではサイト側のAMP対応・非対応を識別することが出来るので、それを利用してこのような簡易アクセス機能を提供しているのです。

デスクトップ版の結果表示がサイドパネル式に

最近ではスマートフォンなどモバイル端末から検索を使う方も多いと思いますが、PCから使うデスクトップ版の画像検索にも、細かい改良が加えられています。*3
その1つが、検索結果一覧を開いたまま、複数の画像を比較しやすくなった事です。
モバイル版では一覧から画像を選ぶと、その画像を拡大表示すると共に、選んだ画像と関連する画像(最初に表示された一覧とは異なる検索結果)を提示する仕組みになっています。
一方のデスクトップ版は、最初の検索結果一覧を維持したままサイドパネルに別途拡大した画像と関連画像が表示される形で、より画像同士の比較がしやすくなっているのです。
この辺りは使用するディスプレイサイズに合わせた、Googleなりのユーザーへの気遣いとも取れるかもしれませんね。

仕様変更から見て取れるGoogleの狙いとは?

ここからは、一連の仕様変更や弱点の部分から、Googleの狙いを予測していきたいと思います。

ショッピング機能強化への布石

現在、Googleが提供する通常のWebサイト検索では、キーワードに合わせて結果一覧の上部にショッピングサイトへのリンクが表示されることがあります。
画像検索でも、モバイルに限ればGoogleレンズが似たような役割をもっているので、Googleがショッピングをかなり意識していることは明らかです。
今はまだ既存の販売事業者へのリンクに留まっていますが、いずれGoogleがネット通販事業へ参入し、自社の検索インフラを積極的に商売へと結びつけていく可能性は否定出来ないでしょう。

AMPを普及させたい

Googleの検索結果表示はかなり高速ですが、そこから飛べるサイトの表示速度はまちまちです。
特に報道メディアや通販サイトなどは、ユーザーが自分のサイトへ来てくれなければ意味がありませんから、アクセスのしやすさはとても意識する部分でしょう。
Googleがモバイル版の画像検索にAMP対応サイトの表示機能を付けたのは、そうしたサイトを手始めにAMPの普及を加速させたい意図があるものと思われます。
特にショッピング系のサイトはアクセスされるかどうかが売上に直に繋がってきますから、AMPに対応することでユーザーのアクセス難易度を下げることは、対応していない競合他社への差別化戦略としても有効です。
そう考えると、Googleはなかなか商売上手と言えるかもしれませんね。

まとめ

今回は「進化するGoogle画像検索〜仕様変更から読み解くGoogleの狙いとは?」と題して、便利なGoogle画像検索の紹介と、そこを視点として見えてくるGoogleの戦略について取り上げました。
単に画像を探すだけでなく、ショッピングなど新たな可能性を見せているGoogle画像検索ですが、果たして5年後、10年後はどのような進化を遂げているのでしょうか?
今回は触れませんでしたが、同社はAIの開発も行っており、自社サービスへも随時その成果をフィードバックしています。
AIの学習が進めば検索精度も自ずと上がってくるので、今のように検索結果を羅列するようなスタイルが過去のものとなる時代も、そう遠くはないのかもしれません。

参考

*1 画像直リンク関連
https://japan.cnet.com/article/35114878/
*2 AMP関連
https://japanese.engadget.com/2019/07/28/google-amp-swipe-to-visit/
*3 デスクトップ版の表示関連
https://japanese.engadget.com/2019/08/07/google/


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