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航空法におけるドローンの扱いはどんなもの?運用ルールについて解説

ドローンはビジネスや趣味、そして研究目的など、様々な用途で活躍している最新のテクノロジーです。しかし汎用性の高さはドローンの魅力であるものの、一方で公共にとっての脅威にもなり得ます。

そのため、日本ではドローンの運用ガイドラインを航空法に基づいて定めており、安全な飛行を促しています。今回はそんな航空法におけるドローンの扱いや、運用ルールをご紹介します。

目次:
①航空法が指定するドローンの条件と罰則
②ドローンの飛行に許可がいる場所
③その他航空法に基づく飛行ルール

航空法が指定するドローンの条件と罰則

まずは、航空法でドローンがどのように定義づけられているのかを見ていきましょう。また、運用の際に違反があった場合、どのような罰則があるのかも見ておく必要があります。

航空法で規定されている機体

ドローンは無人航空機のことを指していますが、航空法においてはより具体的に適用される機体についての定義づけがなされています。航空法が適用される無人航空機とは、マルチコプターを有する機体、ラジコン機、農薬散布用ヘリコプターといった機体を指します*1。

ただし、重量が200グラムに満たない機体の場合、上記の無人機であっても航空法が適用されません。これらは模型飛行機に分類されるので、無人飛行機の運用ルールに基づき、特別な許可がなくとも自由に飛行を楽しむことができます。

なぜ航空法を守る必要があるのか

そもそもドローンに航空法が適用されることとなったのは、安全上の観点から様々なリスクが懸念されるためです。例えば、高高度まで飛行できるドローンを誰もが自由に飛ばせる場合、航空機とドローンが衝突事故を起こすリスクが高まります。

ジェットエンジンにドローンが挟まったとなれば、その飛行機は制御不能の状況に陥り、墜落の可能性も出てきます。こういった深刻な事故の発生を防ぐ上で、ドローンの利用に規制をかけることは不可欠となっています。

また、ドローン本体が墜落してしまうリスクも十分にあり得ます。最近のドローンは安価でパワーのあるものが増えているものの、万全の安全性とパイロットのスキルが確保されているわけではありません。そのため、ドローンの落下先に人間がいた場合や、危険物があった場合には人身事故につながるリスクがあり、人命や社会の安全を守る上でも重要な決まりとなっています。

あるいは、意図的なドローンによる加害を防ぐ上でも重要です。ドローンに爆発物や有毒物質を搭載し、意図した場所へ墜落させるドローン攻撃は、今や立派なテロ行為として最大限の警戒が敷かれています。操縦者に攻撃の意図はなくとも、ドローンに許可なく危険物を搭載して墜落させれば、テロ犯罪として訴追される可能性もあります。

航空法に違反した時の罰則は

航空法に違反してドローンを飛行させると、50 万円以下の罰金(飲酒時の飛行は1年以下の懲役又は30万円以下の罰金)が課せられる場合があります*2。そして、これはあくまでドローンの違法飛行に課せられる罰則です。

実際に公共物への被害や人的被害が生まれた場合、さらなる傷害罪や器物損壊の罪、その他条例違反に問われる可能性もあります。ドローン飛行の際には法令の遵守を第一とし、リスクを避けるよう行動しましょう。

ドローンの飛行に許可がいる場所

ドローンの飛行に許可がいる場所は、航空法によって定められています。これはつまりドローンの飛行を避けるべき場所と言い換えることもでき、明確な理由がない限りは以下で指定する場所での飛行は控えるのが無難です。

ちなみに以下の指定区域は、例え私有地での飛行であっても許可が必要です*3。自分の土地だからといって油断せず、ルールに従うよう注意しましょう。

地表又は水面から150m以上の高さの空域

ドローンの空域制限は、日本中のあらゆる場所で設けられているため、許可なく高高度まで上昇することは控えましょう。これは航空機との接触を防ぐことが目的です。

空港周辺の空域

空港周辺の空域も、航空機との接触事故を防ぐために許可制となっています。空港やヘリポートは航空機が特に低高度で飛行しやすいエリアであるため、ドローン飛行は回避する必要があります。

人口集中地区の上空

人口集中地区の上空は、墜落による人身事故の可能性などがあるため、基本的に飛行は禁止されています。

具体的な人口集中地区の場所については以下のサイトから確認できますが、基本的には人や建物が多くある場所では飛行させない、というのがルールです。

参考サイト:http://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000003.html

その他航空法に基づく飛行ルール

ドローン運用についての航空法の取り決めは、空域制限以外にも様々なものが存在します。飛行ルールを遵守し、罰則が適用されないよう気を付けましょう。

航空法で規定されている飛行ルール

航空法において定められている飛行ルールとして、以下の10項目を守らなければなりません*4。

①アルコール等を摂取した状態では飛行させないこと

②飛行に必要な準備が整っていることを確認した後に飛行させること

③航空機や他の無人航空機と衝突しそうな場合には、地上に降下等させること

④不必要に騒音を発するなど他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと

⑤日中(日出から日没まで)に飛行させること

⑥目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること(目視外飛行の例:FPV(First Person’s View)、モニター監視)

⑦第三者又は第三者の建物、第三者の車両などの物件との間に距離(30m)を保って飛行させること

⑧祭礼、縁日など多数の人が集まる催し場所の上空で飛行させないこと

⑨爆発物など危険物を輸送しないこと

⑩無人航空機から物を投下しないこと

特に1番から4番までのルールは、基本的なドローン運用に伴う安全性を確保するための基本事項です。例外なく守れるよう、常に心がける必要があります。

ルールにそぐわない飛行が必要な場合は

5番から10番までのルールも、安全な運用を行う上では看過できない項目です。しかし、場合によってはこれらのルールを守れない運用が求められることもあります。地域のプロモーションとして夜景や催し物の上空写真を撮影したり、試験的に危険物の輸送や至近距離飛行をしたりする必要もあるためです。

そこで、これらの規定については国土交通省の許可を事前に得ることで、例外的に認めてもらうことが可能です*5。もちろん、許可を得るには安全面への配慮が不可欠ですので、その点も忘れずに準備しておきましょう。

おわりに

日本はドローンの運用に伴う法的ルールが多く、運用が難しいと言われることも少なくありません。しかし日本は小さな島国で、過密地域が点在しているため、安全を確保するためには仕方のない部分も大きいと言えます。

航空法が定める安全なドローン運用を心がけ、次世代の技術を最大限活用しましょう。

 

 

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参考:
*1 国土交通省「 無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン」p.1
https://www.mlit.go.jp/common/001303818.pdf
*2 上に同じ p.2
*3 上に同じ p.3
*4 上に同じ p.8
*5 上に同じ

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