ビジュアルプログラミングツールのメリットとは?
エンジニア人材の需要拡大に伴い、義務教育におけるプログラミング教育も本格的に始まっています。
細かなスキル求められるプログラミングですが、セオリーとしては小学生でも理解できるものは少なくありません。
プログラミングのエッセンスを分かるようになるためには、大人と同じようにプログラミングに取り組んでも効果がないケースもあります。
そんな時に活躍するのが、ビジュアルプログラミングです。今回はビジュアルプログラミングのメリットや、代表的なツールなどについてご紹介します。
目次:
①ビジュアルプログラミングとは
②ビジュアルプログラミングのメリット
③ビジュアルプログラミングのデメリット
④代表的なビジュアルプログラミングツール
ビジュアルプログラミングとは
ビジュアルプログラミングは通常のプログラミングとは異なり、視覚的に理解しやすく、プログラミングの基礎をすぐに身につけられるアプローチです。
通常のプログラミングとの違い
一般的なプログラミングの場合、コマンドを実行するためにはプログラムをキーボードでタイピングし、一字ずつ入力しなければなりません。
一方のビジュアルプログラミングは、コマンドをテキストで入力する必要はありません。あらかじめ用意されたプログラムを積み木やブロックのように組み合わせることで、コマンドを実行することができます。このような入力のアプローチの違いから、前者は「テキスト言語」と呼び、後者を「ビジュアル言語」と呼ぶこともあります。
必要とされる背景
ビジュアルプログラミングは数年前から様々なツールで提供が進んでいますが、注目を集める理由としてはやはりプログラミング教育の必修化です。プログラミング教育の実施が義務として決まったものの、この技術は時に大人をも混乱してしまうほど高度なスキルを必要とすることも多いものです。そのため、いきなりテキストでのプログラミングを実施しても、要領良くカリキュラムをすすめられるとは限りません。
そこで、ビジュアルプログラミングの出番です。ゲーム感覚で、わかりやすくプログラミングを進められるこの手法の場合、通常よりもはるかに速いペースでプログラムの構築を進められます。そのため、キーボードのタイピングに慣れていない子供や大人でも、スムーズに学習を進めていくことが可能になります。
ビジュアルプログラミングのメリット
ビジュアルプログラミングには、様々なシーンでメリットが期待できます。
視覚的にプログラムを構築できる
ビジュアルプログラミングの最大のメリットは、やはり視覚的にコードを記述できる点にあります。
テキスト言語ではコードの配置のたびにタイピングが必要なため、コマンド入力に慣れていない人はそこに時間と体力を奪われてしまい、肝心のアウトプットに注力できません。
一方、ビジュアル言語を使用すれば、実行したいアウトプットに向けて、コマンドをドラッグアンドドロップで並べるだけで作業は完了です。余計な負担に苦しむことなく、プログラミングを実行できます。
不必要なエラーに苦しむ心配がない
手入力のプログラミングでは頻繁にエラーに悩むことにもなりますが、そのリスクが小さいのもビジュアルプログラミングの特徴です。
テキストプログラミングでエラーが発生する理由の大きな要因は、ケアレスミスによるコードの打ち間違いです。1字でも間違ったコードを記述してしまうと、どれだけ時間をかけたプログラムであっても正常に動作しない場合があります。エラーが発生した場合、コードのミスを一つずつなぞるようにデバッグしていく作業が生まれ、プロジェクトは遅々として進みません。
一方のビジュアルプログラミングは、こういった打ち間違いによるエラーが発生することはありません。あらかじめ完成されたコードを配置していくだけで完了するため、ケアレスミスによるエラーの発生リスクを大幅に抑えられます。
効率よく論理的思考を身につけられる
視覚的に素早くプログラムを組め、ケアレスミスの発生リスクも小さいビジュアルプログラミングでは、プログラミングのエッセンスでもある論理的思考をスムーズに身につけられます。
どのコマンドをどう配置すれば理想的な動作をするのか、という最も重要な課題と正面から向き合えるので、プログラミング教育におけるエッセンスを効率よく学べます。
また、自分の組み上げたプログラムが思い通りに動くという、成功体験も比較的得やすいシステムでもあるため、より多くの子供達がプログラミングの楽しさを知ることにもつながります。
ビジュアルプログラミングのデメリット
多くのメリットとが期待できるビジュアルプログラミングですが、必ずしも万能であるとは限りません。場合によっては活躍できない場面もあり、テキスト言語との使い分けが重要となります。
複雑な処理に向いていない
まず、ビジュアルプログラミングは複雑な処理に適していない点に注意しましょう。ブロックを組み立てるようにプログラムを構築できるこのシステムは確かに便利ですが、コードを自分で入力できないため、コマンドは限定されています。
基本的な動作は用意されているプログラムを実行すれば実現しますが、本格的なWebサービスやアプリの構築を行うためには、テキスト言語による処理が必要です。ビジュアルプログラミングはあくまで練習用の教材として活用し、実践的なシーンではテキスト言語を使用しましょう。
テキストプログラミングには訓練が必要
ビジュアルプログラミングは確かにプログラミングの基礎を学ぶには最適のツールですが、一般的なテキスト言語とは互換性がない点にも注意が必要です。実践的なプログラミングにはテキスト言語が欠かせませんが、そのためにはまずテキスト言語を使うための訓練も必要になります。ビジュアル言語でエッセンスを理解した後、テキスト言語の練習を始めるというカリキュラムを構築することが求められます。
そのため、プログラミングの全てを理解するためには、やはり相応の訓練期間が必要となります。ビジュアル言語はプログラミングへの理解を促すためだけのツールとして考えておくのが良いでしょう。
代表的なビジュアルプログラミングツール
最後に、代表的なビジュアルプログラミングのツールについてもご紹介します。
Scratch(スクラッチ)
ビジュアルプログラミングツールの代表格とも言えるのが、Scratchです。専用のコマンド入力画面にあらかじめ用意されたコマンドのテンプレートを並べることで、自由にアウトプットができます。
チュートリアル教材も豊富なので、小さな子供でも手軽に楽しめ、小学校入学前から自宅学習をこれで行うのも良いでしょう。
公式サイト:https://scratch.mit.edu/
Springin’(スプリンギン)
Scratchとは少し違うアプローチで有名なのが、Springin’です。iOSむけに開発されたこちらのアプリは、ブロックを並べるよりもさらに直感的な操作を実現しています。
コードだけでなく、アプリに使うイラストやオブジェクトを制作するツールも揃っており、アイデアベースでシステム開発を進められます。コードを組み上げることが目的化しがちなプログラミング教育ですが、こちらのアプリを使うことで本質的なプログラミングを実現します。
公式サイト:https://www.springin.org/jp/
おわりに
ビジュアルプログラミングは手軽にプログラミングを楽しむことができるだけでなく、コーディングのエッセンスを素早く理解する上でも活躍します。
メリットを最大限に活躍し、素早くプログラミングスキルを身につけましょう。
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