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国土交通省のi-ConstructionにBIM/CIMがもたらす効果とは

新しい土木建設のあり方を示す「i-Construction」は、国土交通省が推進する国家プロジェクトの一つですが、これに大きく関与しているのがBIM/CIM技術です。

ICT活用の推進が遅れている日本の土木建設業界ですが、国家主導の取り組みが活発に行われていることで、少しずつ改善の兆しも見せ始めています。

今回はi-ConstructionにBIM/CIMの活用がどのような効果を上げているのかについて、ご紹介していきます。

目次:
①i-Constructionとは
②i-ConstructionにBIM/CIMを導入する目的
③BIM/CIM導入の効果と今後の課題

i-Constructionとは

国交省が掲げているi-Constructionとは、端的に言えば建設現場にICTの導入を促進しよう、という目的を持つプロジェクトです。今日では公私を問わず、様々な場面でコンピューターやAIなど、様々なハイテク技術が活躍しています。にもかかわらず、建設業界はアナログな業務が多く残されており、人材不足も相まって、技術力に反して業務効率は悪化の一途を辿っています。

こういった問題を解決するため、国交省が提唱したのがi-Constructionです。ハイテクを建設業界へ積極的に導入し、抜本的な業務改革を進めていくことで、人材不足の解消と業務の効率化、そしてクリーンな働き方の実現を目指しています。

i-ConstructionにBIM/CIMを導入する目的

i-Constructionは包括的なICTの導入と活用を促進しているプロジェクトですが、中でも注目されているのがBIM/CIMの活用です。

BIM/CIMはCADに変わる新しい3D技術の一つで、3Dモデルを生成するだけでなく、そこに詳細な情報を付与できる点に強みがあります。BIM/CIMの活用を建設業界で進めていくことには、主に二つの理由があります。

合意形成の迅速化

2018年10月に行われたi-Construction推進コンソーシアムの資料を見ると、BIM/CIMの導入には主に二つの効果を期待しているとしています*1。一つ目は、3Dモデルを活用した合意形成の迅速化です。

2次元の図面や細かな数値が反映されていない、正確性に欠ける3Dモデルでは、建物の情報について直感的な理解を得ることが難しいものです。プレゼンテーションの中で文章や解説、そのほか画像などによって、多くの補足説明を施す必要があり、許可を得るための情報共有には多くの時間と労力が割かれてきました。

しかし、BIM/CIMを活用した3Dモデルは、建設予定地や建設物に関するあらゆる情報を3Dモデルに一括して付与することができるため、関係者に直感的な理解を促すことができます。建物のディテールまで丁寧に再現が可能なので、不明点なく合意形成を進められるというわけです。

また、BIM/CIMは工事関係者間の情報共有だけでなく、地域住民からの理解を得るのにも役立つ技術です。関係者であればある程度専門用語や内部情報を使って説明することもできますが、外の人に向けて情報を共有する上では、こういった手段が通用しない場合があります。

そこで、BIM/CIMを使った3Dモデルを説明会などで提示することで、複雑な補足などを行わなくとも、直感的に実際に出来上がるものが把握できます。設計したモデルの修正も容易なので、万が一問題があった場合には迅速に修正し、改めて情報共有できます。

フロントローディングの実現による効率化

二つ目のメリットが、フロントローディングを工程に導入することで、業務効率化を推進できる点です。

フロントローディングとは、設計から施工、保守運用に至るまで均一に人員を配置するのではなく、上流の過程にリソースを割き、スムーズなプロジェクト遂行を進める手法です。

BIM/CIMを活用した土木建設プロジェクトは、3Dモデルの作成や設計図面の作成は、一回の作成のみで完結させるのが基本です。これまでの手法の場合、各工程で図面やモデルを作り直していたこともあり、作成には余計な手間も大いに発生していました。BIM/CIMを使ってモデリングの手間を一括してしまうことで、業務効率化を促進できる狙いがあります。

図面作成の手間が省けるだけでなく、各プロセスにおける確認作業や、修正作業の手間もなくなる上、ヒューマンエラーの防止にもつながるため、迅速な導入が期待されているメリットです。

BIM/CIM導入の効果と今後の課題

このようなBIM/CIM導入のメリットが期待されていますが、現場ではどれほどの効果を生んでいるのでしょうか。実際の導入効果や、今後の課題についても確認しておきましょう。

BIM/CIM導入の効果

2019年に行われたi-Construction推進コンソーシアムの資料を見てみると、ICT施工を導入したことによって、土工では約3割、舗装工及び浚渫工(河川)では約4割の作業時間縮減効果が確認されています*2。

また、BIM/CIMに限定した導入の成果については、1日あたりの作業量は最大で60%もの削減効果が確認されています*3。利用頻度が高かったのは数量検査の現場で、ここでも54%の削減効果が実証されました。

また、BIM/CIMの導入効果として最も大きな結果を得られたのは、土工分野の現場です。土工では導入以降、全体で77%もの業務削減効果が得られており、驚異的な導入効果を裏付ける結果となりました。

BIM/CIMの導入件数は毎年増加傾向にあり、2012年にはわずか11件だったのが、2017年には132件にまで到達しています*4。今後も右肩上がりの増加が予想されており、高い導入効果を期待できます。

今後の課題

BIM/CIM導入の課題として、現在も重くのしかかっているのが導入コストの問題です。BIM/CIMを運用するには組織文化だけでなく、最新のハードやツールを導入する必要があるため、初期費用がかかります。設備投資を進める余裕のない中小企業向けに、どれだけ支援を進められるかが鍵となるでしょう。

また、BIMを扱える人材の獲得も課題として残ります。BIMは新しい技術であるだけに、それを扱える人物はまだまだ限られています。効果的に人を集められるかどうかが、ICT活用の推進にも関わってくるところです。

おわりに

BIM/CIMはi-Constructionの推進において、重要な役割を果たす技術です。すでに多くの現場で利用され、確かな効果も実証済みなだけに、今後のさらなる活躍にも注目が集まります。

 

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参考:
*1 国土交通省「i-Construction推進コンソーシアム第4回企画委員会」p.26
https://www.mlit.go.jp/tec/i-construction/pdf/01.4_kikaku_siryou1.pdf
*2 国土交通省「【参考資料】i-Constructionの進捗状況」p.5
https://www.mlit.go.jp/tec/i-construction/pdf/03.5_kikaku_siryou6.pdf
*3 *1 p.27
*4 *1 p.25

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