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Appleが小規模店舗でもiPhoneを純正部品で修理できる「独立修理プロバイダープログラム」を日本にも拡大

 iPhoneの修理が必要となった時に、実は契約しているキャリアに持ち込んでも対応してくれません。
 必ずAppleが指定する正規サービスプロバイダーへ持ち込むように言われるため、「面倒だなー」と感じる方も多いのではないでしょうか。しかも、地方だと県内に修理ができる店舗がない!なんてこともありますのでとても不便です。
 とはいうものの、「iPhone修理できます!」という看板を掲げている非正規店舗に持ち込むのもちょっと不安ですよね。
 今回の二ユースは、新たにiPhoneの修理ができる正規の店舗が増えるかもしれない、という話題です。

この記事でわかること
 1 Appleの「独立修理プロバイダー」プログラムについて
 2 iPhoneが故障した時に修理を出す店舗について
 3 総務省の「登録修理業者制度」とは何か

Appleの「独立修理プロバイダー」プログラムとは何か

 Appleは、iPhoneやMacなど自社製品の修理ができる事業者を拡大する「”Independent Repair Provider”プログラム=独立修理プロバイダープログラム」を日本を含む世界に広げることを決定しました。現在は希望する事業者の受付を開始しています。

 この”Independent Repair Provider”プログラムは、2019年にアメリカ国内を対象としてスタートし、順次エリアを拡大しているところです。すでにアメリカ・カナダ・ヨーロッパの1,500以上の拠点でこのサービスが提供されています。
 今回の決定でいよいよ日本でも同様のサービスが展開されることとなりました。

 独立修理プロバイダーには、Appleから純正部品・専用治具・修理マニュアルなどが提供されるため、独立修理プロバイダーに持ち込んだユーザーは正規修理店と同程度のサービスを受けることができます。
 独立修理プロバイダーとなる要件としては、法人であること・専任のApple認定技術者を置くことが求められています。この2つさえクリアすれば、小規模の店舗であってもプログラムに参加することができます。

 ただし、独立修理プロバイダーで修理できる製品は、保証期間が切れたものに限られます。保証期間内、もしくはApple Care+の対象製品の場合は、これまで通り正規のサービスプロバイダーかAppleの直営店で修理する必要があります。
 独立修理プロバイダーでの修理は、「純正部品を使う事」「Appleの正規の手順に従っていること」については安心できる部分です。しかし、保証期間が切れた製品しか修理できないことから、修理した製品については保証の対象外となる点には注意が必要です。*注1

 Apple製品の中でもユーザー数が多く、日常的に持ち歩いて使用するiPhoneは、落下・水没などさまざまなトラブルにより故障しがちです。以前は画面割れしたiPhoneをそのまま使っている人も多く見かけていました。
 保証対象外の破損の場合修理にも結構費用がかかり、さらに修理にかかる時間なども考えると、買い換えるまでの辛抱と思って使っているのではないでしょうか。

 最近のiPhoneは耐水性能も向上しており、最新のiPhone12では前面パネルの強度もかなりアップしていますので、以前のタイプよりは故障しにくくなっています。
 しかし、今ではプライベートでもビジネスでも必須となりつつある大切な端末であるため、万が一の故障や破損の際でもすぐにリカバーできる事に越したことはありません。
 保証が切れた端末であっても、買い替えとなると新たに10万以上の出費が必要となるため、できれば修理して長く使いたいと誰しも思うのではないでしょうか。

 正規サービスプロバイダやApple直営店での修理は、パネル交換・バッテリー交換・本体の交換のみの対応となっています。保証が切れている場合、かなり高額の修理費がかかりますので、新しく買い替えする選択になることも多くあります。
 しかし修理費用が高いからと言って、街中にある非正規のiPhone修理屋さんに持ち込むにはやや不安を感じます。非正規の修理店の場合、正規部品を使っているとは限りませんし、費用についても妥当なのかどうか不透明です。
 今回の独立修理プロバイダープログラムは、多くのユーザのニーズに応えてくれるサービスであり、保証が切れていても妥当な費用で修理ができるため、有効性の高いシステムとなります。

iPhoneが故障した時、どこに修理を出すのか?

 ここで、故障したiPhoneを修理する方法についてまとめておきましょう。今回ご紹介している独立修理プロバイダーも含めると、次のような場所が候補として挙げられます。

 1 Appleの直営店
 2 正規サービスプロバイダー
 3 独立修理プロバイダー
 4 非正規の店舗(第三者)

 保証期間内またはApple Care+対象の場合は、1または2に修理を出すことになります。Appleの直営店は国内に9ヶ所、正規サービスプロバイダーは、カメラのキタムラ60店舗、ビックカメラグループ26店舗、クイックガレージ12店舗、AND market1店舗となっています。
 地域別にみると、北海道には1ヶ所しかありませんし、島根・鳥取・山口・山梨には拠点が存在しません。地方だと不便であるということが分かります。
 直営店や正規サービスプロバイダーに、保証対象でないiPhoneでも持ち込むことは可能ですが、その分修理費用は高額になってしまいます。
 例えば、画面の修理について料金を調べてみると次のようになります。

 ◯iPhone12の場合(Apple直営店での修理費用)
  ・保証対象外 ・・・33,440円
  ・Apple Care+対象・・・3,700円*注2

 保証対象外の場合、機種によって修理代金は異なります。Apple Care+の対象であれば、画面修理は全機種一律の3,700円であり、その他の修理についても一律12,900円です。
 購入時にApple Care+に加入するかどうか悩むところですが、万が一の時に頼りになるのは間違いありません。端末の価格も安くはないので、できれば加入しておきたいものです。

 さて、問題になるのは保証対象外の故障についてです。
 街中に「iPhone修理」という看板を出している店舗を結構見かけますが、前述した正規の店舗以外は全てAppleとは関係のない「非正規」ということになります。
 当然、正規の部品を使うとは限らず、修理の内容についてもそれぞれ独自のノウハウで実施しています。技術力や料金なども店舗ごとにばらつきがあり、「当たり外れ」もあるのが実態です。

 保証が効いている端末を、このような非正規の店舗に持ち込んで、一旦修理をしてしまうとAppleの保証自体が外れてしまいますので注意が必要です。もし非正規の店舗を利用するとしても、保証対象外の故障の時だけにした方が良いでしょう。
 正規のルートで修理を出すと時間がかかってしまう、という理由で、このような非正規店を利用する方もいるかもしれませんが、あまりオススメはできません。

 今回、話題になっている独立修理プロバイダーは、このようなニーズに応える新しいサービスです。
 小規模の店舗であっても、Appleが認定する技術者を配置し、正規の部品や修理手順で対応してくれるというのはユーザーにとって安心です。身近な所に、このような店舗があれば、万が一の故障の時にも時間ロスすることなく、リカバーができるようになります。
 早く登録事業者が増えて、私たちの身の回りにも独立修理プロバイダーが増えてくれるといいですね。

総務省の「登録修理業者制度」について

 iPhone修理をする業者の中には、「登録修理業者」を掲げている所もあります。
 これは総務省の制定する「登録修理業者制度」を意味しており、Appleとはなんの関係もありません。看板に「iPhone修理」と「登録修理業者」が並んでいると、勘違いしそうですが、Appleの立場から言うとあくまでも「非正規」の業者になります。

 私たちが普段あまり気にせずに使っているスマホですが、電波法や電気通信事業者法など、定められた基準を満たす必要があります。メーカーが販売する端末は全て、これらの法律に準拠しています。
 しかし、市中の業者が端末を修理した時に、違法な改造を施したり適切でない部品を使うことで、法律の定める基準を満たさない可能性があります。「登録修理業者制度」は、このような違法行為を防ぐため、一定の基準を満たした業者に対して「修理業者」の審査を行い登録をする制度です。

 登録については、個別の端末ごとに審査を受ける必要があります。
 つまり、iPhone12とiPhone11では別々の審査・登録が求められます。単に「登録修理業者」といっても全ての端末について審査をクリアしている訳ではありませんので、注意が必要です。
 どの端末で登録しているのかは、明記するよう求められていますので、持ち込む際にはしっかり確認するようにしましょう。

 「登録修理業者制度」は、あくまでも総務省の定める基準を満たしているというだけであり、Appleの正規部品を使ったり、正しい手順で修理するとは限りません。また、修理の品質や技術力についても保証するものでもありません。「電波法などに抵触しないような修理ができる事業者」と捉えた方が良いでしょう。
 しかし登録修理事業者以外の店舗の場合、Appleの保証どころか法的に大丈夫かすらグレーですので、そのような店舗よりは信用できるというぐらいです。

 総務省の「登録修理業者」制度の審査を受けるには、端末ごとに数百万円の費用がかかるようです。取り扱いたい端末全てで登録をしようとした場合、体力のある大手でないと難しいでしょう。
 しかもそれだけのコストをかけても、Appleにとってみれば「非正規」の事業者にすぎません。iPhoneの修理をメインに扱うのであれば、今回の「独立修理プロバイダー」へ登録する方がメリットが高いと思われます。*注3

【まとめ】
 画面割れや水没、バッテリーの劣化など、スマホを長く使っていると色々なトラブルに遭遇することがあります。そんな時、できれば安心して預けられる修理業者が近くにあると便利ですよね。
 Appleもこのようなニーズを把握し、ユーザーの利便性を高める仕組みとして、今回の「正規修理プロバイダー」プログラムを全世界に展開することにしたのでしょう。
 間違いなくユーザーにとってメリットがあるプログラムですので、日本でも早く事業者が増えてくれることを期待しています。

 

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■参考文献
注1
Impress Watch 「小さな店でもiPhoneを“純正”部品で修理。Appleが新修理プログラム」
https://www.watch.impress.co.jp/docs/news/1315314.html
Apple ”Independent Repair Provider Program”
https://support.apple.com/irp-program
注2
Apple 「iPhoneの修理サービス」
https://support.apple.com/ja-jp/iphone/repair/service
「iPhoneの画面修理」
https://support.apple.com/ja-jp/iphone/repair/service/screen-replacement
注3
Amart Doctor Pro 「法律!総務省「登録修理業者制度」について」
https://www.iphone-doctor.net/law.html
総務省 「登録修理業者制度」
https://www.tele.soumu.go.jp/j/sys/others/repairer/

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