1. TOP
  2. ブログ
  3. 製造業のコスト削減に3D CADはどんな役割を果たすのか?

製造業のコスト削減に3D CADはどんな役割を果たすのか?

製造業界は日本の重要産業として、多くの企業や労働者が関わっています。そんな国の根幹を支える領域においても、コストの問題は日々その懸念を増していき、無視できないレベルにまで達しつつあります。

そんな製造業におけるコスト削減施策には、複数のアプローチで解決が可能ですが、中でも有用な方法であると考えられているのが3D CADの導入です。

今回は、3D CADの導入が製造業界にコスト削減の面でどのような影響を与えるのかについて、その役割をご紹介します。

目次:
①製造業におけるコストの課題
②3D CADがコスト削減に果たす役割
③3D CADが製造業にもたらす導入効果
④3D CADを製造業に導入した事例
⑤製造業における3D CAD運用のポイント

製造業におけるコストの課題

製造業界は多くの利益をもたらしてくれる、日本の重要産業ですが、近年は複数の要因により、ビジネスの継続が危ぶまれているケースも散見されます。中でもコストの問題は重要で、簡単にはコスト削減に踏み切れない理由もあることから、解決が困難であるとされています。

原材料費の高騰

製造業界におけるコスト削減の重荷となっているのが、原材料費の高騰です。エネルギー不足や新型コロナウイルスの影響、その他自然災害の発生などにより、製品の製造に必要な原材料の調達が、世界中で困難になりつつあります。

原材料の仕入れ値をコントロールすることは極めて難しく、世界情勢に大きく左右されるため、製造者側で調節することは困難です。より安い仕入れ値で取引してくれる卸業者を探すなどの手段もありますが、都合の良い事業者を見つけられるかは運次第でもあるため、確実に問題を解決できる手段とは言えないのが現状です。

卸売業者を介さず、生産者と直接取引したり、自社で原材料を生産するということも可能ではありますが、いずれも長期的な取り組みとなることは必至なため、短期的な解決策とはならないのです。

人件費の高騰

2つ目の要因は、人件費の高騰です。10年ほど前までは世界のグローバリゼーションが進んだことで、世界中に多国籍な工場が次々と登場していました。特に中国や東南アジアといった、経済成長力はあるものの、物価の安い諸外国での工場設置が相次いで起き、世界の向上としてグローバルに産業を支えてきました。

しかし近年ではそのような国々でも外貨の獲得に成功したことで、急速な経済成長を遂げています。結果的に中国は世界第2位の経済大国として成長を遂げ、現地の物価は急激に高騰しています。

東南アジア諸国でも同様の現象が起きており、これ以上の人件費の削減は望めず、給料は高騰し続けていることから、人件コストの削減には限界があります。流通コストや海外拠点を維持するコストを踏まえ、近年は外国工場から撤退し、日本に製造拠点を設置してコストパフォーマンスを改善しようと取り組んでいる企業もあるほどです。

3D CADがコスト削減に果たす役割

このような厳しい状況に製造業界は置かれる中で、コスト削減の手段として注目されているのが3D CADです。3D CADに期待が集まる理由としては、以下のような役割を帯びている点が挙げられます。

人やモノの価格に左右されない

1つ目は、3D CADはソフトウェアテクノロジーであるため、流動性の高い人やモノの価格に左右されることがほとんどないということです。

人件費や物価は世界情勢という、一企業ではどうしようもない要素が大きく影響しているため、自らの一存では調整が困難です。一方で3D CADは、正しい運用方法と枠組みを設けることによって、確実な成果が期待できます。そのため、これからコスト削減に向けて一つずつ施策を重ねたいという企業にとって、最適なスタート地点であると言えます。

DXで製造ライン以外のコスト削減に貢献できる

3D CADが注目されている背景には、コスト削減も含めたデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現に向けて企業が動き出しているという点も挙げられます。

DXは業務コスト削減はもちろん、生産性の向上や働き方改革の推進においても重要な役割を果たします。企業経営のあり方を見直すことで、製造ラインの改善はもちろん、本社機能を見直すことで、確かな効果を実現できます。コスト削減以外にも企業課題を抱えている企業にとって、3D CADの導入は大きな手助けとなるでしょう。

3D CADが製造業にもたらす導入効果

3D CADの導入効果としては、製造業界の場合以下のようなメリットが期待されています。順に見ていきましょう。

業務の効率化

1つ目は、業務の効率化です。3D CADを導入することで、従来の設計業務や情報共有のスピードが大幅に改善され、短い業務時間で従来よりも高い生産性を実現できます。

少ない人手であっても、人数の規模をそのままに生産性を高められるため、人件費の削減につながるでしょう。

品質の改善

3D CADはコンピュータによって制御された状態でモデリングが行えるため、クオリティも手動より高品質となるのが強みです。熟練の社員だけが辿り着けるようなハイエンドの品質も、3D CADを使えば新人でも容易に、なおかつ短期間で実現可能なので、人材育成のコストを抑えつつ、高い品質を維持できるでしょう。

新規ビジネスの創出

3D CADによって複雑な設計が実現すれば、自社の技術力を活かして新しいマーケットに参入することも可能です。新たな市場を開拓できれば、既存の領域以外の分野で売上を作ることができるため、更なる成長の機会を得られるようになります。

製造業における3D CAD運用のポイント

3D CADの導入を効率よく進めていくためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。

コスト削減を阻害する主要因を特定する

1つ目は、自社でコストを圧迫する要因が何であるのかを具体的に特定しておくことです。いくら3D CADのポテンシャルは高くとも、自社の課題とマッチしていなければ、その効果を発揮することはできません。

課題解消に向けた適切な運用方法を実現するためには、どんな課題に悩まされているのかを明らかにしましょう。

3D CAD運用が可能な人材獲得・研修を進める

2つ目は、適切な人材の獲得、及び教育を進めておく点です。3D CADを扱ったことがない社員にツールを渡しても、それを有効に使いこなせるようになるまでは時間がかかります。従業員のITレベルに合わせて最適な研修を行い、会社のITレベルの底上げを図ることで、最適な運用を実現可能です。

社内全体のデジタル化を進める

現場に3D CADを導入するだけでなく、社内全体でデジタル化を推進することで、更なる効率化やコスト削減が可能です。バックオフィス業務のペーパーレス化や、クラウドサービスの導入によって、リモートワークを推進したり、作業労働の自動化を実現したりすることも大切です。

まとめ

3D CADは製造業界にとって非常に有益なツールで、データ活用を進められる仕組みづくりを実現できれば、強力なコスト削減の味方となります。まずは自社にどのような課題があるのかを把握し、最適な導入アプローチを探るところから始めてみると良いでしょう。

大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!

❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX


▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP