Fusion360の使い方解説!広用途CADで無料利用も可能!
Fusion360は、日本語での解説が豊富で、無料または割安に利用できるソフトウェアです。メインCADはもちろんサブCADとしても便利です。
この記事ではFusion360を利用するメリットと簡単な使い方、Fusion360の使い方をよりいっそう詳しく調べるための方法をご紹介します。
Fusion360の利用メリット
無料期間があり用途も幅広いため、別にメインとなるCADがある場合でも気軽に使えるCADのひとつです。
ここでは以下3つのメリットをご紹介します。
・モデリングやCG、3Dプリンターデータ出力など用途が豊富
・スマホやタブレットでも使える
・別CADのデータでも情報共有に使える
モデリングやCG、3Dプリンターデータ出力など用途が豊富
Fusion360は、CAD、CAM、CAE、PCB機能が含まれる統合ソフトウェアで、製品設計や製造、電子設計で使用できます。
3Dプリンター用データなどに用いるstlやobj形式のデータ出力にも対応しているため幅広い用途で活用可能です。
スマホやタブレットでも使える
Fusion360はクラウドベースで動くCADで、Google Play ストアやApp Storeで無料アプリがダウンロードできます。
スマートフォンを含むさまざまなデバイスでひとつのデータが編集できるため、出張や遠距離拠点間での開発も可能です。
またFusionのデータは、サイズ制限がないのが特徴です。
各デバイスの動作要件は以下のとおりで、それほど厳しくありません。
・Microsoft Windows(Windows 11、Windows 10 64bit、Windows 8.1(2023年1月まで)(*1) ・Apple macOS(macOS 12、macOS 11、macOS 10.15.7以降) ・Android:Android 5.0 以上(*2)
・iPhone:iOS 10.0以降(*3)
・iPad:iPadOS 10.0以降
・iPod touch:iOS 10.0以降
別CADのデータでも情報共有に使える
Fusion360は、個人用/趣味用、スタートアップ企業、教育機関に対しては1年間無料で使用できます。
その後は1年、3年、1ヶ月のサブスクリプション契約が可能です。
1年契約の場合71,500円(税込)のため、それほど維持費がかかりません。(*4)
Fusion360は複数のCADのインポートに対応しており、外部との打ち合わせなどで活用する用途も考えられるでしょう。(*5)
サポートされるプログラム例 | ファイル形式 |
Autodesk Inventor | .ipt、.iam(Inventor 2021まで) |
CATIA V5 | .CATProduct、.CATPart |
IGES | ige、iges、igs |
NX | prt |
Parasolid | .x_b、.x_t |
OBJ | .obj |
Pro/ENGINEER、Creo Parametric | .asm、.prt |
Rhino | .3dm |
SOLIDWORKS | .prt、.asm、.sldprt、.sldasm(SOLIDWORKS 2021まで) |
STEP | .ste、.step、.stp |
STL | .stl. |
Fusion360の基本的な使い方
ここでは、Fusion360の基本的な使い方についてご紹介します。
Fusion360のインストール方法
Fusion360は以下の手順でインストールします。
オフラインインストールはないため各々対応が必要です。
- アクティブな Fusion 360 ライセンスを入手
- Autodesk AccountにサインインしてFusion360を選択
- [今すぐダウンロード]をクリック
なお、プログラムはユーザプロファイルにインストールされ、インストール場所は指定できません。
PDFに出力する方法
Fusion 360は、図面、スケッチがPDFで出力可能です。
図面の場合
[出力]→[PDF出力]を選択して、任意のファイル名で保存
スケッチの場合
デザインファイルを開いて、[ファイル]→[新しい図面]→[デザインから]を選択して任意のファイル名で保存
また、[DXF形式で保存]で保存したDXFファイルもPDFに出力可能です。
3Dの場合
3次元形状は、Fusion 360用の3D PDFコンバータを使うとPDFに埋め込み可能な3D PDF形式に出力することも可能です。
Fusion360の形状作成方法
3Dモデルを作る場合、まず2次元で輪郭のスケッチ(プロファイル)を作成して、それを立体化するコマンド(フィーチャー)を組み合わせて作成していきます。
ここではある立体を作成する場合に必要となるFusion360の基本的な使い方をご紹介します。
原点と座標系を定義する
ある形状を作成する場合には、設計要件を踏まえて基準となる原点と平面を定義します。
平面は、Fusion360のCADデータの原点がそのまま使えるほか、任意の原点や平面を作成することも可能です。
スケッチを作成する
スケッチを作成する場合は、設計要件をもとに平面を選択して立体を作成する際に使うコマンドを踏まえてスケッチ面に輪郭を作成します。
必要に応じて[スケッチ寸法]コマンドで寸法の長さを定義します。
スケッチを立体にする
ある形状を立体にする場合には、スケッチを選択して以下のようなコマンドを選択します。
コマンド名 | 操作の概要 |
押し出し | スケッチを垂直方向押し出す |
回転 | 回転軸を中心にスケッチを回転 |
スイープ | スケッチをパス(軌道)に沿って移動させる |
ロフト | 2つ以上のスケッチをつなぐ |
立体を複製する
作成している形状を複製したい場合には、[ミラー]や[パターン]のコマンドが使えます。
コマンド名 | 操作の概要 |
ミラー | 左右対称に立体形状を複製 |
矩形状パターン | 1つまたは2つ方向に複製 |
円形状パターン | 選択した軸の周囲に複製 |
パス上のパターン | 選択した連続パスに沿って複製 |
ジオメトリ パターン | ソリッドボディの面全体に複製 |
立体同士を組み合わせる(アセンブリ)
形状はボディというフォルダに集められています。
立体同士を組み合わせるためには、ボディをコンポーネントにまとめて各々の位置関係を定義します。
これら一連の操作がアセンブリです。
なお、コンポーネント同士の位置決めには以下のようなコマンドを用います。
・位置固定:[ジョイント][位置固定ジョイント]
・可動するコンポーネント:[タイプ]剛性、回転、スライダ、円柱状、ピン-スロット、平面、ボール
Fusion360の使い方は動画やコミュニティでも学べる
Fusion360の使い方を学ぶには、一つひとつの操作が確認できたり不明点が質問できたりする環境が必要です。
ここではFusion360の使い方を詳しく解説している以下のコンテンツを紹介します。
・Fusion 360 ビギナー向けレッスン
・Fusion360の日本語コミュニティ
・Fusion 360サポートとラーニング
・Fusion 360 Japan公式YouTubeチャンネル
Fusion 360 ビギナー向けレッスン
初めてFusion360を操作する場合に役立つ動画集です。(*6)
形状作成や作図、CAM、CAEなどテーマ別に20〜30分ほど動画にまとめられています。
レッスンテキストに加えてpdfやFusionのデータも用意されているので、そもそもCADを全く使ったことがない場合でも活用可能です。
Fusion360の日本語コミュニティ
CADのコミュニティは英語のことも多くみられますが、Fusion360は使い方が日本語で確認可能です。(*7)
Fusion 360の日本語コミュニティでは、検索窓から製品テクニックや情報が調べられるほか、実際に質問や解答の投稿もできます。
Fusion 360サポートとラーニング
一つひとつの機能を調べたい場合には、スクリーンショット付きの解説がまとめられているサポートとラーニングのコンテンツが有効です。(*8)
キーワード検索窓に今知りたいコマンド名を入力すれば、ピンポイントで機能の使い方が調べられます。
また、製品の機能や知識源、情報カテゴリ、コンテンツの種類などの分類に応じて関連事項を掘り下げて学ぶのもおすすめです。
Fusion 360 Japan公式YouTubeチャンネル
YouTubeのアカウント「Fusion 360 Japan」は、2022年9月時点で283本の動画が公開されています。(*9)
再生リストで分類されていて、ビギナー向けレッスンをはじめ、スケッチ、モデリング、CAMなど、各機能別の解説動画が充実しているため、今知りたい情報が日本語の解説つきで簡単に確認可能です。
まとめ
Fusion360は、無料で使える機能があり操作の解説も豊富なため選択しやすいCADソフトウェアのひとつです。
基本的な使い方には、スケッチや3D形状の作成などのモデリングやアセンブリによる位置関係の指定などがあります。
今回ご紹介した学習コンテンツなどを活用すれば、独学で使い方を身につけることも可能です。
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参考URL
*1https://knowledge.autodesk.com/ja/support/fusion-360/learn-explore/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/System-requirements-for-Autodesk-Fusion-360.html
*2 https://play.google.com/store/apps/details?id=com.autodesk.fusion&hl=ja&gl=US
*3 https://apps.apple.com/jp/app/fusion-360/id991074843
*4https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/overview?term=1-YEAR&tab=subscription&plc=F360
*5https://knowledge.autodesk.com/ja/support/fusion-360/troubleshooting/caas/sfdcarticles/sfdcarticles/JPN/File-formats-supported-by-Fusion-360.html
*6 https://www.autodesk.co.jp/campaigns/fusion-360/tutorial/beginner
*7 https://forums.autodesk.com/t5/fusion-360-ri-ben-yu/bd-p/707
*8 https://knowledge.autodesk.com/ja/support/fusion-360?sort=score
*9 www.autodesk.co.jp/fusion-360-youtube