Google「Stadia」終了の噂は本当だった!今後はどうなるの?
2022年9月、Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」(ステイディア)が終了すると発表されました。日本未上陸かつGoogle初のストリーミングゲームサービスとして注目されていましたが、華々しい結果とはなりませんでした。
実は以前から終了の噂が消えなかったStadia。Googleは終焉に向けて準備を進めていたのかもしれません。Stadia終了の発表と、「そろそろ終了する」という噂が絶えなくなった原因について調査しました。
この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。
1.GoogleのゲームサービスStadiaについて
2.「Stadiaが終了する」という噂が絶えなかった背景
3. Stadiaの今後について
【日本未上陸】StadiaはGoogleのゲームストリーミングゲームサービス
StadiaはGoogleが提供するゲームストリーミングサービスです。欧米で2019年からスタートしており、ゲーム業界の根底を覆す可能性があるとして大きな注目を浴びていました。
ストリーミングサービスは「クラウドゲーミングサービス」とも呼ばれ、クラウド上でゲームを動作させ、プレイヤーのデバイスにストリーミング配信する仕組みです。
簡単に言うとゲーム機本体がクラウド上のサーバーに設置されており、プレイヤーは遠隔操作でゲームを楽しめます。
ソニーやマイクロソフトもすでにストリーミングゲームサービスを提供しており、GoogleはStadiaとして遅めに業界への参入を果たしました。
Stadia公式サイトはこちら:https://stadia.google.com/
StadiaはあのGoogleが始めたゲームサービスということで日本でも注目されていましたが、2022年9月時点で残念ながら終了という決断が下されました。(※1)サービス終了日は2023年1月18日で、ゲームやハードの全額返金にも対応するとのことです。
Stadiaの主な特徴
クラウドゲームプラットフォームであるStadiaは、以下の特徴があります。
l ゲーム機本体なしでプレイできる
l スマホ・PC両方で操作できる
l シェア機能が充実している
Stadiaの大きな特徴は、専用のハードウェアが必要ない点です。インターネットにつながったスマートフォンやゲームがあれば、PCからでもゲームを楽しめます。一般的なゲームなら高額なハードを購入しなければならず、手持ちの端末でプレイできる点は大きな魅力でした。
クラウドゲームはすべての処理をクラウドサーバーで行うため、PC自体のアップグレードも必要ありません。何十万円もするゲーミングPCも不要で高画質なゲームを楽しめるという点も、Stadiaが注目される大きな特徴の1つです。
またStadiaはシェア機能が充実しています。YouTubeでストリーミング配信者が「state share」(ステート共有)という機能を使えば、配信者がセーブしたポイントで視聴者がゲームをスタートできます。
上記のようにこれまでのゲームの常識を覆すさまざまな特徴で、Stadiaは大きく注目されているのです。
2021年から噂になったStadiaの終了
前述のように様々な新しい特徴でゲーム市場を盛り上げるか!?と期待されていたStadia。しかし、いざスタートしてみると爆発的な人気とはならず、ついに2021年からは「Stadiaが終了する」という噂までネット上に流れるようになってしまいました。(※2)
2022年9月の終了発表まで、GoogleはStadia終了の噂について否定を続けてきました。しかし不穏な動きがあり、Stadiaを見守っていたユーザーは「やっぱり」という気持ちを抱いているようです。
まずは終了発表前からなかなか消えなかったStadia終了の噂について、詳しく見ていきましょう。
2019年には自社スタジオを閉鎖した
GoogleはStadiaを立ち上げた2019年当初、自社内にゲーム開発スタジオ「Stadia Games & Entertainment」を作り自社開発を行っていました。しかし2021年2月2日、Googleは同自社スタジオの閉鎖を発表したのです。(※3)
Stadiaが終了の噂が起きた1つのきっかけとして、自社スタジオの閉鎖は大きな一因となっているでしょう。
この自社スタジオを閉鎖した時点では、Stadia自体を終了するわけではないと否定していました。Googleはコスト面から自社開発を取りやめ、プラットフォームとしてサードパーティから新たなゲームを購入する方向へと舵を切ったのです。
Stadiaは自社スタジオを閉鎖したことで、Googleは自社ゲームから撤退しました。Stadiaのスタジオ閉鎖については、2021年に公開しているなぜGoogleは「Stadia」から自社ゲーム開発を撤退したのか?調べてみましたもご参照ください。
公式Twitterで終了の噂を否定していたStadia
2022年7月時点では、根強い終了の噂に対してStadiaが公式SNSにて閉鎖の噂を否定していました。
StadiaはTwitter公式アカウントでユーザーからの気軽な質問に答えています。あるユーザーから「もうすぐ閉鎖されますか?」という質問に対し、閉鎖しないこと・プラットフォームとしてさらに優れたゲームを提供できるよう取り組んでいることを回答しました。
該当ツイートはこちら:
Googleは過去にも多くのサービスを終了している
Googleといえば巨大プラットフォーム企業として様々なサービスに挑戦していますが、終了したものも少なくありません。アプリを立ち上げては廃止することを繰り返しているため、Stadiaユーザーは「Stadiaももうすぐ終了する」とみる人が多数でした。
インターネット上には「Killed by Google」というオープンソースのリストがあり、Googleの創設以来廃止されたアプリやサービスといったプロジェクトをすべて収録したものが公開されています。
Killed by Google:https://killedbygoogle.com/
Google Play MusicやGoogle+、Google My Businessなど、日本でもなじみがあったサービスも多く終了しています。しかし、Google Play MusicはYouTube Musicへの移行措置が取られるなど完全に終了するのではなく、移行したりリニューアルしたりして生き延びているサービスも少なくありません。
Stadiaの終了準備は着々と進めていた模様
2021年からStadia終了の噂を否定していたGoogle。しかし2022年になっても終了の噂は消えないままでした。ついに2022年9月に終了を発表しましたが、実は前から「終了するのでは?」と察知するような動きが起きていました。
Stadiaの優先順位を下げていた
2022年2月に入り、Googleはストリーミング技術をサードパーティへ販売する方向へ焦点を合わせているという情報が流れました。これに伴い、ストリーミングゲームサービスであるStadiaはGoogleの中で優先順位が下がっていると報じられたのです。(※4)
コストを回収できるほどのユーザーも増えず、Stadiaが目標としている月間アクティブユーザーは数十万人単位で不足しているという報道もありました。
StadiaがGoogleのストリーミング技術の方向展開が報じられたことも、「Stadiaが終了する」という噂が消えなかった一因なのでしょう。
2022年に入り、Googleはストリーミング技術の販売に8割のリソースを割くと明言していました。つまりStadiaの展開に注ぐリソースはわずか2割となり、縮小の動きを見せていたのです。
新しいサービスへの切り替え
2022年3月には、Googleはゲーム開発者向けオンラインイベントで仕切り直しを発表しました。
同発表では、今までB to Cとして消費者向けにゲームを提供していたStadiaを仕切り直し、2018年に「Project Stream」として発表した技術を基本として、「Immersive Stream for Games」というB to Bサービスに取り組んでいることを明言したのです。(※5)
同サービスは、GoogleがStadiaというプラットフォーム技術を企業に対して提供します。企業はStadiaをプラットフォームとしてゲームのテスターを提供したり、自社でのサブスクを提供したりといったことが可能になります。すでにGoogleは2021年に提携企業とサービスのテストを開始しており、提供開始は目前です。
Stadia終了の発表を受け、Stadiaの概要やこれまでの動きについて調査しました。日本未上陸のまま終了を迎えたStadiaですが、2022年からはB to Bとして国内企業にも参入するかもしれません。
Stadiaがどのように進化するか、動向を見守りたいところです。
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参照サイト:
※1 https://blog.google/products/stadia/message-on-stadia-streaming-strategy/
※2 https://news.yahoo.co.jp/articles/943e08de7767e1f84abee4bacf2eedde5bfe9dff
※3 https://game.watch.impress.co.jp/docs/news/1303909.html
※4 https://gigazine.net/news/20220205-stadia-deprioritised-selling-streaming-tech/
※5 https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2203/16/news069.html