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製造業向けクラウドサービス「Autodesk Fusion」とは?オートデスクの取り組みをご紹介

AutoCADなど様々な業界でデータ活用を推進するオートデスク。実はソフトウェアに限らず、複数のサービスを組み合わせて業界別のソリューションを提供しています。

「Autodesk Fusion」は設計・製造業向けとしてオートデスクが提供するソリューションの1つです。3つの製品を組み合わせたクラウドソリューションで、ものづくり業界におけるDXを推進してくれます。

この記事ではAutodesk Fusionというソリューションや、それを構成する「Fusion 360」「Fusion 360 Manage with Upchain」「Prodsmart」という製品をご紹介します。ものづくりのDX化にお悩みの方は、ぜひご参照ください。

この記事を読むと、以下の3つのことがわかります。
・オートデスクが展開する業界別クラウドサービスについて
・オートデスクが展開する製造業向けソリューションAutodesk Fusion
・製造業のDXについて

Autodesk Fusionとはオートデスクが提供するクラウドサービスの1つ

オートデスクは2022年10月のグローバルカンファレンスにおいて、DXの推進を支援するソリューションとして以下3つの業界別クラウドがあることを発表しました。(※1)

Autodesk Fusion:設計・製造業界向けのクラウドソリューション。設計や製造現場、販売までのライフサイクルで顧客が扱うデータと人をつなげる“次世代ワークフロー環境”を提供する。

Autodesk Forma:建築・エンジニアリング・建設業界向け。いわゆるBIM/CIMの設計や浸透に特化したソリューションで、設計や建築、建設環境の運用チームにおけるBIMワークフローを統合する。

Autodesk Flow:メディアとエンターテインメント業界向けのクラウドサービス。Flowで提供されるクラウド製品では資産管理にフォーカスしており、製作プロセス全体を通した資産管理ができる。初期構想から最終納品までの制作ライフサイクル全体で、顧客のワークフローやデータ、チームをつなげる。

Autodesk Fusion を構成する3つのサービス

設計・製造業界向けのクラウドソリューションであるフォションは、以下3つのサービスで構成されています。(※2)

Fusion 360
Fusion 360 Manage with Upchain
Prodsmart

それぞれのサービスについて、順番にご紹介します。

Fusion 360

Fusion 360は3DモデリングやCAD、CAM、CAE、PCBソフトウェアが統合された、設計・製造向けクラウドベースのプラットフォームです。(※3)

対象とするユーザー層は幅広く、自動車や家電をデザインするインダストリアルデザイナーや機械エンジニア、機械オペレーターなどの専門職をはじめ、スタートアップ企業や個人でものづくりを楽しみたい人まで利用できます。

単体で使用する場合、個人や非商用目的、一定の条件を満たしたスタートアップ企業なら無償で利用できます。

柔軟性の高い3Dモデリングや設計機能が特徴で、アセンブリ設計に限らず分解図とそのアニメーション作成機能、積層造形や2軸、3軸、3+2軸、4軸、5軸の加工といったCAD/CAM機能も備えたツールです。

Fusion 360はグローバルコラボレーションを使用することでチームを連携させて、リアルタイムのコミュニケーションやプロジェクト管理が可能なツールです。

Fusion 360 Manage with Upchain

Fusion 360 Manage with Upchainはクラウドベースのデータ・プロセス管理ソリューションで、部門や拠点が異なる企業をひとつにつなげることができるツールです。シンプルなモジュール式のプロセスと最適化されたワークフローが特徴で、導入や拡張も柔軟に進められます。(※4)

さまざまな分野のチームやサプライヤー、顧客間で効率的に連携でき、個々に分断されていた作業プロセスを一つに統合できます。

例えばCADライセンスを保有していないユーザーも豊富なCADデータにアクセスしたりフィードバックをやり取りしたりでき、データの価値を最大限に引き出すことが可能です。

また複数のCADを統合して、オープンAPIを利用して製品データを一元管理できるプラットフォームを構築できます。上流から下流までの全体を通じて、基幹業務システム(EPR)や顧客関係管理(CRM)からデータを取り込むことができるツールです。

SaaSソリューションの1つとして製品開発やコラボのDXの推進を目的としており、招待されたユーザーは好きなデバイスからアクセスできるなど、自由自在に必要なデータにアクセスできる点も大きな魅力です。

Prodsmart

製造プロセス最適化ソフトウェアメーカーProdsmart社の持つデータ収集や管理・分析のリアルタイム記録システムを活用することで、精算管理者に製造全行程の見通しをデータとして提供できるようになりました。

2022年2月、オートデスクはProdsmart社の買収を発表しました。オートデスクは新しい資産を活用して工場のワークフローを合理化して、製造業者の利益につながるツールをもっと提供できるように進めているのです。(※5)

製造業におけるDXの課題解決に取り組むオートデスク

各業界で課題となっているDXは、製造業も例外ではありません。

製造業のDXでは、慢性的な人手不足や業務ナレッジの属人化といった点が課題です。さらに工程ごとの縦割りで業務改善を行った結果、全体ではなく部分最適の状況に陥っている点も大きな課題となっています。(※6)

オートデスクはAutoCADに代表されるように、建築業界のソリューションというイメージが強いかもしれません。しかし今回ご紹介したAutodesk Fusionのように、製造業向けのソリューションにも力を入れているのです。

オートデスクがクラウドサービスを提供する理由

グローバルカンファレンスにおいて、オートデスクの代表取締役社長 兼 CEOは「デジタルツールが浸透しているものの、業務プロセスが分断されたままでデータを効率的に活用できていない状況が続いている」と演説しました。

ほとんどの企業でデータ活用などのITツールが導入されていますが、「マーケティング部のみ」「営業部のみ」といった限定的な使い方をするなど、データを活用しきれない状況も多いかもしれません。

オートデスクのCEOは「貴重なデータを活用するためには、業務プロセスをよりシームレスにすることが大事」と話しており、業界別クラウドを提供する理由の1つでもあります。

業界別クラウドの実現を支える「Autodesk Platform Services」

Autodesk Fusion、Autodesk Forma、Autodesk Flowという業界向けのクラウドサービスを支えているのが、クラウドベース開発プラットフォームであるAutodesk Platform Servicesです。

Autodesk Platform Servicesは以前まで「Forge」という名称で開発が進められており、ソリューションのカスタマイズや各APIとのサービス提供、ワークフローの作成などを行っていました。

Autodesk Platform ServicesはAPIを組み合わせることで、Web見積やSNSと組み合わせた営業支援ツールといったサービスを提供したり、IoTと組み合わせて複合的管理をしたりといったことが可能です。

Autodesk Platform Servicesについては、Autodesk Platform Services (旧 Forge)で出来る事と活用例で詳しくご紹介しておりますのでぜひご参照ください。

製造業の課題の1つ「ダイナミック・ケイパビリティ」の強化にもつながる

2020年や2021年のものづくり白書によると、不確実性の高い世界で環境に変化するためには「ダイナミック。ケイパビリティ」が企業の競争力の源泉となるとあります。(※7)Autodesk Fusionのようなソリューションは、このダイナミック・ケイパビリティの強化にも効果的です。

ダイナミック・ケイパビリティとは組織内外の経営資源を再構成・再結合する経営者や組織の能力のことです。

①脅威や機会を感知すること、②機会をとらえて競争優位を獲得すること、③競争優位性を持続可能なものにするために組織全体を変容させること、という3つの能力が必要とされます。

昨今では新型コロナウイルス感染拡大など、予期せぬ環境変化が製造業においても脅威となりました。例えば新型コロナウイルスの感染が広まった当初は深刻なマスク不足に陥り、様々な企業が急遽製造を始めたものの、消費者に届くまでに時間がかかってしまいました。

どんな状況でも企業を存続させるためには、デジタル化によってデータ収集・連携を強化したり3D設計やシミュレーションによる製品開発の高速化したりといった施策が必要です。

Autodesk Fusionのようにデータ活用を強化するソリューションが導入できれば、製造業でのDXも進んでいくのではないでしょうか。

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参照サイト:
※1 https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2210/03/news031.html
※2 https://japan.zdnet.com/release/30784479/
※3 
https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/overview?term=1-YEAR&tab=subscription
※4 
https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360-manage-with-upchain/overview?term=1-YEAR&tab=subscription&plc=F36MUE
※5 https://www.cadjapan.com/news/2022/d20220221_02.html
※6 https://www.nikken-totalsourcing.jp/business/tsunagu/column/892/
※7
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/sangyo_cyber/wg_seido/wg_kojo/pdf/002_03_00.pdf P.1

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