1. TOP
  2. ブログ
  3. 3Dスキャナー向け無料おすすめソフト7選|仕様の比較方法も

3Dスキャナー向け無料おすすめソフト7選|仕様の比較方法も

3Dスキャンは、点群データから3Dモデルを生成する技術としてさまざまな分野で使用が拡大しています。
この記事では3Dスキャナーの概要や選び方、無料で使えるスキャナー用ソフトウェアをご紹介します。

3Dスキャナーの用途

3Dスキャナーは、物体や空間の表面を測定して凹凸を読み取り点群データとして出力を行う機器です。
点群データをCADなどに読み込むと、設計やシミュレーション、3Dプリンタなどに利用できます。

以下は、3Dスキャナーが利用される代表的な分野です。

製造業:製品の設計や製造工程での精度・品質管理、試作品の作成
医療:装具や補綴具(入れ歯・ブリッジ・インプラントなど)の設計
建築業:建築物や地区の3Dモデル化・設計・施工計画・シミュレーション
文化財:史跡や文化財の復元・保存・展示用レプリカの作成
教育:教育機関での学習用ツール・3Dモデルの作成・デジタルアーカイブの作成
エンターテインメント:3D映画・ゲーム制作

3Dスキャナーから3Dデータを作成する一般的な手順

3Dスキャナーで情報を取得したあとは、3Dスキャン用のソフトウェアで編集を行い3Dデータ化します。
一般的な手順は、以下のとおりです。

撮影準備:撮影する対象物に対して3Dスキャナーなどを設置します。
スキャナーの種類によっては、対象物にマーカーなどで目印をつけます。
撮影:3Dスキャナーを使用して対象物を撮影します。
点群データ作成:一般的な3Dスキャナーは、直接点群データを作成します。
スキャナーによっては、3D空間上に点を定義して点群を作成する場合があります。
メッシュ生成:点群データをスキャンソフトへ読み込み、三角形のポリゴン面で覆われた3Dメッシュを生成します。
ポリゴンの数が多すぎるとデータ容量が大きく使いづらくなるため、適宜ポイントの密度や、面の分割数などの調整が必要です。
出力:修正や編集が終了した3Dモデルを出力します。
出力形式には、STL、OBJ、PLYなどがあります。

3Dスキャナーの選び方

3Dスキャナーは多くの製品が販売されていて、ポケットサイズのものやスマートフォンに取り付けて使えるものもあります。
仕様の比較に用いる技術的な観点は以下のとおりです。

用途:ハンディ、据置、長距離、フォトグラメトリ
オブジェクトのサイズ
正確度(最大):0.01mm、0.05mm、0.1mmなど
解像度(最高):0.5mm、0.1mm、0.0125°など(距離の場合と視野角の場合あり)
ターゲットマーク:要否
色・ジオメトリトラッキング:対応可否
スキャンソフト:内蔵有無、専用ソフトウェアライセンス要否
3Dメッシュの出力形式:OBJ、PLY、WRL、STL、AOP、ASC、Disney PTX (PTEX)、E57、XYZRBG
OBCなど
最低限のPC要件:Intel Core i5以上、2GB VRAM対応のGPUなど

3Dスキャナーの処理方式

3Dスキャナーの仕様を比較する場合、データ取得方法は特に重要です。
ここでは、スマートフォンなどで採用される場合もあるフォトグラメトリーとLiDARについて比較します。

フォトグラメトリー

フォトグラメトリー(Photogrammentry)では、まず対象となる物体の角度を少しずつ変えて多方面から撮影します。
撮影した各々の画像を解析・統合して立体的に3Dデータを合成する技術です。

実際の物体ではなく、写真で明確な違いを検出する必要があるため、均質な物体よりも模様があるものや表面に凹凸があるものをデータ化するのに向いています。

3D形状はアプリが自動的につなぎ合わせを行うため、撮影時の環境や外光などで再現精度が影響されることがあります。

LiDAR

LiDAR(Light Detection And Ranging)とは、非接触測定方式のひとつで近年特に開発が進められています。
対象となる物体にレーザーを照射し、レーザー光が反射するまでの時間や波長などから物体の形状・距離を数値化する技術です。

使用するレーザー光は、一般的なレーザースキャナーよりも波長が短く、対象物までの距離・位置・形状などが正確に検知できることから自動運転システムなどに多く活用されています。

ただし、スマートフォンを用いた3Dスキャナーの場合、機器の仕様の都合で精度や解像度が一部制限される可能性があります。

代行サービスや体験版の利用も便利

期間を限って利用する場合には、機器を導入すると割高になってしまうかもしれません。
3Dスキャナーで対象物の情報を取得して中間ファイルやCADデータで納品してくれる代行サービスを利用する方法があります。

また、3Dスキャナー用のソフトウェアも、30日間無料で体験版が利用できる場合があり比較検討に役立ちます。
Artec Studio 17:3Dスキャナーを販売している企業のソフトウェアでプロ仕様の3Dスキャナーにも対応(1) Autodesk ReCap Pro:Civil 3DやNavisworksとも連携可能(2)

スマホ用の無料3Dスキャナーソフト比較

3Dスキャナーの無料版と有料版の主な違いは、機能・精度・解像度・サポートの内容などです。
基本的な機能で3Dデータを作成する場合には、無料の3Dスキャナーでも十分対応できる可能性があります。

ここでは、スマートフォンで使える3Dスキャナーを3製品ピックアップしてご紹介します。

WIDAR

3Dスキャン、3Dモデル生成が行えるツールです。
ビデオエクスポートやURLを利用した3Dモデルのシェアにも対応しているため、自分の3Dアートをシェアしたい場合にも便利です。

有料版では出力可能なフォーマットの種類が増えるほか、Webビューワー、4Kテクスチャのフォトスキンなども使用可能です。(*3)

対応OS:Android、iOS
利用期間:無制限、有料版あり(720円/月)

SCANN3D

特許出願中の写真測量技術を使用して、複数の写真を読み込み3Dモデルを生成する3Dスキャナーです。
作成した3Dモデルは、サードパーティのアプリケーションでの保存・共有・編集に対応しています。

拡張機能または仮想現実のアプリケーションと連携すれば、作成した3Dモデルがメタバース上で使用できます。(*4)

対応OS:Android
利用期間:無制限、アプリ内課金あり

Revo Scan

高精度な3Dカメラとモジュールの開発・製造を行っているRevopoint社の3Dスキャナ―に対応するソフトウェアです。
用途に応じて6種類のスキャンモードが使い分けでき、スキャン速度も高速と低速が選べます。

3D点群データは自動的にポスト処理されるほか、スキャンしたモデルの管理、PLY・STL・Fusion 360のフォーマットに出力可能です。(5)(6)

対応OS:Android、iOS
利用期間:無制限

パソコン用の無料3Dスキャナーソフト比較

ここでは無料で使える3Dソフトウェアを4製品ご紹介します。

Fusion360

Autodesk社の製品で、STL形式の読み込みに対応しています。
有償版もありますが、個人が非商用目的で使う場合は無料で使用可能です。(*7)

MeshLab

オープンソースの無料ソフトウェアで、3Dポリゴンメッシュの編集、加工、ファイル変換に特化しています。(*8)

CloudCompare

Windows、Mac、Linuxに対応している無料ソフトです。
点群データを読み込んで、表示変更や座標確認などが簡単に行えます。
ディスプレイの表示は日本語にも対応しています。(*9)

FreeCAD

無料で使えるパラメトリック3D CADです。
スキャナーで取得したSTLデータを読み込んで、「メッシュから形状を作成」でソリッド化できます。(*10)

まとめ

3Dスキャナーで点群データをモデル化する際は、無料ソフトウェアを活用することも可能です。データの取得方法や精度など仕様はさまざまですが、スマホ対応のアプリなどもあるため、ニーズに応じて使い分けを行いましょう。

 

大手ゼネコンBIM活用事例と 建設業界のDXについてまとめた ホワイトペーパー配布中!

❶大手ゼネコンのBIM活用事例
❷BIMを活かすためのツール紹介
❸DXレポートについて
❹建設業界におけるDX


 

▼キャパの公式Twitter・FacebookではITに関する情報を随時更新しています!

参考URL
*1 https://www.artec3d.com/ja/3d-software/artec-studio
*2 https://www.autodesk.co.jp/products/recap/overview
*3 https://www.widar.io/
*4 https://play.google.com/store/apps/details?id=com.smartmobilevision.scann3d
*5 https://apps.apple.com/jp/app/id1611278474
*6 https://play.google.com/store/apps/details?id=com.revopoint3d.revoscan
*7 https://www.autodesk.co.jp/products/fusion-360/personal
*8 https://www.meshlab.net/
*9 https://www.danielgm.net/cc/
*10 https://www.freecad.org/index.php

    ホワイトペーパーフォームバナー

    【DL可能な資料タイトル】

    • ・プログラムによる建築/土木設計のQCD(品質/コスト/期間)向上
    • ・BIM/CIMの導入から活用までの手引書
    • ・大手ゼネコンBIM活用事例と建設業界のDXについて
    • ・デジタルツイン白書
    • ・建設業/製造業におけるデジタルツインの実現性と施設管理への応用

    詳細はこちら>>>

    PAGE TOP